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第三十一話 陽光の試練

大幅リメイクしたから4月から見ていた人は一番最初から見た方が良いよ。

リメイク前とは話変わりすぎてて訳分からないと思うから

 ◇ ◇ Sideオボロ 箱船焔 ◇ ◇


 私が試練を受けることを了承するとフレイフィルさんは私達を奇妙な場所に飛ばした。

 これって転移の類いなんだろうか?

 船を操作した感じは無かったからフレイフィルさんが持っている力だったりするのかな?


「さて、とりあえずその忍者装束みたいなのを脱いでこれに着替えて」


「忍者じゃ無いでござるよ。確かに服は忍者みたいでござるが・・・・・・」


 本当は侍の格好をしたいんだよ。

 全身が派手に痛むからこの格好をしているだけだからね。

 渡されたのは私好みの着物だね。


「おお、侍になれって事でござるか?」


「違うけど。この服じゃないと今からの試練に君の装備全部が耐えられないからね」


 え?

 つまり、私の着ている服が全て駄目になる程の激しい訓練をするって事?

 だから着替えるのかな?


 とりあえず、全ての服と装備を外して渡された着物だけを着た。

 刀があれば侍みたいになれたんだけどね。

 そこだけは残念だ。


「それじゃあ、あそこの中心に座って」


 フレイフィルさんが指し示したのは四つの謎の球体が四角に囲まれている中心だった。

 指し示された場所に私は向かう。

 あの球体は何なんだろうか?

 いまいちよく分からない。


「さて、最後の確認だけど本当にいいんだね? かなり厳しいし苦しいと思うよ」


「苦しいのは承知でござる」


 試練が苦しくないわけが無いからね。

 そう答えると四つの球体が輝きだした。


「それじゃあ、行くよ。陽光の力をその身に宿すまで終わらないし終われないからね」


 フレイフィルさんがそう言った瞬間、四つの球体から出た光が私に降り注いだ。

 その光は膨大な熱量を持っており私の体を焼き尽くす。

 騙された!?と思ったら体はどんどん再生する。


 破壊と再生を無限に繰り返す。

 気が狂いそうな程の痛みだ。

 熱いではなくもう痛いだからね。

 ここまでの痛みは人生で一度も経験したことが無い。


 そうか、終われないと言っていた理由が分かった。

 この力を会得しない限りは試練が終われば死んでしまうんだ。

 だからさんざん警告したんだね。


 燃える燃える・・・・・・全身が燃えて灰色になる。

 燃える度に何故か再生する。

 痛みを無視すれば不思議な感覚だ。

 破壊と再生をいっぺんに経験しているものだからね。


 でも、不思議なことに着ている服だけは燃えてない。

 これのおかげで分かったよ。

 服を着替えろと言った意味がね。

 そりゃ消し飛ぶよ。こんな熱量ぶつけられたらね。


 光の影響でフレイフィルさんもコクウちゃんの姿も見えない。

 つまり、ここには私一人だけ・・・・・・


 痛みになれ始めたら色々と考えることが出来るね。

 だから不安になる。

 こから一生出られないかも知れないと考えてしまうからね。

 つまり、私は一人だけでこの炎の中で過ごさないといけないのかな?


 ・・・・・・物事を悪く考えるのはやめよう。

 これは試練なんだ。

 突破口はあるはずなんだ。

 単純に浴びているだけで力が習得できましたなんて事にはならないでしょ。


 全身が痛いけど考える余裕がある。

 今までにない痛みでも、私の体質の影響で痛みには慣れている。

 出来ないことは無いはずだ。


 考えられるとしたら、この浴びている力が私が会得する必要のある力なんじゃ無いかな?

 それを取り込んで自分の物にすれば、光から出た後に任意で光の再生能力を行使すればもんだいないはずだ。

 取り込むんだ。口の中で大きく息を吸って・・・・・・


 口の中がアッツィ!?

 まるで熱気でも吸い込んだかのように肺が焼かれる。

 この痛みは流石に経験したことが無くて苦しすぎる。


 でも、少しは取り込めた。

 とりあえず、取り込んだ力を魔力みたいに全身に回してみよう。

 そして力を結合させて皮膚から取り込みどんどん体の中にある力を増やしていこう。

 どれだけ時間がかかっても良い。確実に取り込むつもりでやっていこう。


 私は力を循環させながらも定期的に息を吸い込んで思いっきり取り込んだ。

 皮膚だけではどうにもならなかったし取り込む手段は増やす必要があるからね。

 引き込むつもりで吸い込まないと光の力を取り込むことは出来ない。

 そのおかげで最初の頃は内臓が焼けるような痛みを感じることは無かったんだけどね。


 今は積極的に吸い込みにいっている。

 どうせ治るから痛いだけだ。


 でも、こういうのが平然と出来るようになるって私って結構おかしい子だったんだなって思う。

 普通なら発狂しててもおかしくないと思うけどね。

 そういうのを見抜いていたからこそこの試練を受けさせたんだろう。


 徐々に光は私の中に取り込まれ、だんだんとその光に馴染んでいく。

 破壊はされず再生だけになる。

 光の力に適合し私の内に宿り始めたからだろう。


 私の体ももう熱での痛みは感じない。

 取り込むことで逆に癒えていくようになった。

 今では心地よさすら感じる。


 しばらく光を取り込んでいたけど、今の私にはこれが限界みたいだ。

 これ以上は取り込めそうに無い。

 全体的に見ればそんなにたいした量はない感じなんだけどね。


 とりあえず、立ち上がってから光の外に出る。

 光の外に出たらコクウちゃんが驚いた表情をしていた。


「本当に生きてたんだ」


「だから言ったでしょ。陽光の力を浴びている限りは破壊と再生が繰り返されるから発狂しない限りは平気だって。その辺の見極めはしっかりしているよ」


 予想通り、フレイフィルさんは私が発狂しないと思ったからこそこの試練を受けさせたみたいだ。

 おかげであの光の力は十分に取り込めたよ。


「おめでとう。不十分だけどとりあえず陽光の力は獲得出来たね」


「不十分なんでござるか!?」


 結構ギリギリまで詰め込んだつもりだったけど・・・・・・


「それが今の君の限界って所なんだろうね。あとは器が拡張し次第自力で増幅したり、太陽光などの攻勢の光を浴びたり溶岩浴なんかしたりして力を貯めると良いよ。力を使いこなせば服すら自分の体と認識出来るようになって燃えなくなるからね」


 服も燃えなくなるの!?

 炎は平気になるだろうとは思ったけどまさか服も・・・・・・あれ?

 服も燃えない炎に強いってどこかで・・・・・・

 ダイアルさん関係だったかな?


「さて、着替えたら元の時代に君達を帰してあげるよ。その力は私が教えるよりも自力で試行錯誤した方が良い。その方が良い結果になるだろうからね」


 教えてくれないの!?

 でも、常時発動系の力でも再生能力向上の効果が強力だから別に構わないんだけどね。


「何から何までありがとうでござる」


「侍言葉ならかたじけないだと思うけどね」


 え? あ~確かにそうだったね。

 所詮はそういう言葉を無理に使ってるからこうなるんだよ。

 とりあえず着替える。

 いつもの忍者装束みたいな服も着る。


 ・・・・・・今となってはもう不要だね。

 痛みにも慣れたし、陽光の力で再生もする。

 普通の格好でも問題無さそうだ。


「そういえば、未来に知り合いが生きているならフレイフィルが生きている可能性はあるのか?」


 あ、確かにそうだね。

 だとすると未来で会えるかも・・・・・・


「こんないつ死んでもおかしくない時代だよ? そこまで生き延びているかどうか・・・・・・ただでさえ運命から外れた者だしね」


 運命から外れた者?

 どういうことでござるか?


「でも、未来でまた会えることを期待してようかな。記憶封鎖だから消してるわけじゃ無いしね」


 その気になれば思い出せるようにしているんだね。

 なら、未来でまた会えることを祈ろうか。


「それじゃあ、またねでござる」


 私達はフレイフィルさんが作ったゲートの中に飛び込んだ。

 そして元の時代へと帰って行った。

フレイフィル「またね、か・・・・・・」

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