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第二十七話 生産の試練

10/23 内容リメイク

 ◇ ◇ 拠点 試練扉前 ◇ ◇


 拠点の廊下。

 そこには二つの異質な扉があった。

 明らかに、普通の扉では無い。


「これが、生産試練の扉でござるか?」


「工房の廊下に設置されてるけど、いささか不自然というか何というか・・・・・・」


「周囲の風景と比べたら明らかに異質な扉だもんね。室内にあるような扉じゃ無いでしょ」


 普通では無い扉の前に私達は居た。

 これこそが生産用の試練を受けられる扉だ。

 ちなみにもう片方は戦闘用だ。

 システムウィンドウから再戦できるけど、ここからでも入れるらしい。


 ちなみに試練突破していなくても一度発見した試練なら、ここから受けられるとのこと。

 それ知ってから町中の戦闘試練の扉を回って試練を受けられるようにしたよ。

 ・・・・・・上級試練は突破できなかったけどね。

 いや、流石に適性がまだまだなのにそのままで戦うとなると流石に厳しいよ。


 中級も同様にね。

 適性が10と50じゃ結構違うものなんだね。

 まあ、小ホムラの数の暴力で強引に倒しはしたけど微妙な気分にさせられたよ。

 クリアできた試練は全て初回は全適性に割り振ったよ。

 流石に数値は上がらなかったけどね。


 ちなみに、適性値が50まで引き上げられる試練だと、何故か毎回レアミッションになる。

 他の場所でも同様にだよ。

 オボロ達は普通の試練なのになんで私だけ・・・・・・

 いや、そんなこと考えてても仕方ない。


「それじゃあ、行こうか」


 私は試練の扉に手を掛け扉を開け・・・・・・・開け・・・・・・


「開かないんだけど?」


「え、おかしいでござるな。昨日、拙者が下見で来たときには普通に開いたでござるが・・・・・・・」


 そう言いながらオボロが扉に触ると普通に開いた。

 いや、開いたように見えるのは私の肩に乗せている小ホムラだけだ。

 本体の私の目にはオボロの手が扉に吸い込まれているように見えている。


「・・・・・・どうやら、クラフターはお断りらしいね」


 戦闘者は意味は無くとも戦闘試練を受けられるのに、クラフターは駄目なんだね。

 まあ、練習はあくまでも生産技術の練習に使用しろって事なんだろう。

 実際、このゲームでは無制限に色んな資材が手に入るから、わざわざ入って練習する必要無いだろってことなんだろうね。


 小ホムラを手に乗せつつ、小ホムラに扉を開かせると普通に試練の扉は開く。

 重さは殆ど感じない。試練を受ける者は小人だろうが受けられるんだろう。

 扉をくぐれなければ無理なのかもしれないけどね。


 小ホムラを乗せた手も通り抜けられない辺り筋金入りだ。

 まあ、単独で扉を開くことが出来るから小ホムラ単体で入るのは問題無いんだけどね。


「予想はしてはいたけど、やっぱり入れないものなんだね。受けられる試練が無いから入れないだけかも知れないけど・・・・・・」


「あ、そうでござるな。確か、戦闘用のは一度も試練を発見してない場合は開けないと効いたことがあるでござるし」


 オボロ、そんなこと知ってるのに肝心のクラフターが入れないというのは知らなかったんだ。

 一般常識過ぎてクラフター間なら知っててもそれ以外の人達には伝わってないんだろうね。

 冒険者も戦闘者も戦闘用の試練は関係あれど生産用の試練は最初から問題無く入れるからね。


「とりあえず、今回はボク達が小ホムラを連れて試練に挑むよ」


「本体で教えることが出来なくてごめんね」


 本体じゃ無いととてもじゃないけど生産がかなり難しいからね。

 体そのものが小さいから仕方が無いんだけど。


「いいよ。ボクは予想してたから最初から頼る気は無かったからね」


「仕方が無いでござるよ。そう言うルールでござるからね」


 う~、生産用の試練に入ったら教えるからねとか事前に言ったこともあって少し罪悪感が・・・・・・

 小ホムラでも教えられれば良いけども・・・・・・


 私は二人が小ホムラを持って試練の扉をくぐるのを見送った。

 そして扉は閉まる。

 ・・・・・・あ、小ホムラとの同期が切れてない。

 試練の際には同期が切れるものかと思ってたけど、切れないものなんだね。

 これなら色々と出来そうだ。


 ◇ ◇ Side小ホムラ 生産試練 練習部屋 ◇ ◇


「ここが、生産用の試練の練習部屋ね。何か不思議な感じだね」


 イメージするとその設備が出現する。

 いや、システムウィンドウから出現させるものを選べるみたいだ。

 素材も全て揃ってる。


 見たこと無い素材も山程あるね。

 恐らく冒険で手に入れられる代物なんだろう。

 これに冠しては一度でも素材をその目で認識しないと駄目っぽいね。

 ちなみに映像とか写真等で見るのはカウントされないらしい。

 素材自体は名称も詳細が不明でも写真だけはあるしね。

 ここで覚えておけば冒険で素材を手に入れる際に役に立ちそうだ。


「色々とあるんでござるな」


 オボロ達が出せる生産器具の確認をしている内に、私は試練を確認する。

 なるほど、制作物の評価で潜在能力解放値が決まる訳ね。

 評価次第で手に入る解放値が決まってくるらしい。

 その全てを手に入れたかったら後から評価を覆してやれば手に入れられなかった分を手に入れられるみたいだね。


 そういう仕組みだから、同じ代物を作って何度も手には出来ないみたいだ。

 作れる物は山程あるしね。

 これらを制覇するだけで余裕でクラフターと同じく全ての適性を完全に獲得出来そうだ。

 まずは最低限使い物になる10%を目指そうか。


 小さな体で簡単にできそうなのは・・・・・・研ぎかな?

 でも、砥石のサイズが・・・・・・あ、待てよ?


 ・・・・・・うん、予想通りだ!

 一度でも私が手にすれば異質な作業道具も作り出せる。

 小人サイズの砥石だって作れる。

 最早やすり掛けとあまり変わらない感じになるけどね。


 私が今まで作った武器の研ぎを試練でやっていこう。

 まあ、小人サイズだと時間はかかれど逆に簡単だからね。

 錬金技術使えば砥石すらいらない。

 錬金技術に頼り切りになる訳にもいかないし、明確に砥石で研ぐと書かれてるから試練ではやらないけどね。


 とりあえず小ホムラ3チーム30人の合計90人で研ぎの試練に挑戦する。

 小ホムラを送ると、90人の小ホムラが全員消えた。

 試練になると別の場所に移されるらしい。


 接続はそのままだけど時間の流れがおかしくてリアルタイムでの同期は出来そうにない。

 どうやら本試練の場所は加速されているみたいだ。

 90人のホムラ同士での同期には問題無さそうなのでこのまま研ぎの技術を高めて欲しい。


「もうホムラ殿は試練を始めたんでござるか?」


「まあね。研ぎでも案外馬鹿に出来ない解放値もらえるからね」


 潜在能力解放値は戦闘試練にもあったけど潜在解放を1%も出来なかったときのあまりだ。

 明確な数値化はされてない曖昧な代物だけどね。

 潜在能力解放できるかで溜まってるかでようやく分かるレベルの曖昧さだ。


「研ぎって、突き詰めると結構奥が深い技術だよ。母親が研いだのとボクが研いだのでは全然武器の性能が変わってくるもん」


 そう言う程差があるんだね。

 まあ名刀でもメンテの研ぎ次第ではナマクラにすら劣るからね。

 剣は刃が重要だ。

 余り重視してない大剣だってその重量で斬る力を引き上げてるからね。


 剣は剣である以上は刃が重要なんだ。

 その刃を強くするなら研ぎが一番重要なんだ。

 大剣なんかはその重量で刃が駄目になるから、そうならないように研ぐというのもあるからね。

 だから最高評価を出すと結構な量手に入るんだよね。

 手の込んだ料理の最高評価と同等だしね。凄まじいよ。


「拙者達はゆで卵を作る事にしたでござる。これなら拙者でも簡単に作れるでござるからな」


「ゆで卵ね」


 卵を煮込んで殻を剥くだけだから簡単だろうね。

 固ゆで、半熟と二つを作れば最高評価が取れる簡単な代物だしね。

 料理に使うなら理想的なゆで加減とかはあるけど、単品だと好みで分かれるだろうしね。

 だからそういう仕様なのだろう。


 適性値が5%でも普通に作れるくらいには簡単なんだろうね。

 100%になったら凄まじいことになる気がするね


 ただ、ソーセージ焼くとか目玉焼きの方が簡単だと思うけどね。

 こっちは最高評価を取るのは難しいだろうけども、種類をとにかくこなして行くのが重要だからね。

 流石にまだ小人での調理方法がつかめてないからゆで卵は無理かもだけど、ソーセージとかは焼いてみるかな。

 火に強い体質を生かして行くよ。

ホムラ「ちなみに包丁なんか研ぎすぎも良くないんだよ。まな板ごとぶった切る包丁とかいらないでしょ?」

オボロ「いらないでござるな。そんなこと出来るものなんでござるか?」

コクウ「やり過ぎるとまな板が傷つきやすくなるからな。ちゃんとした料理人が持てばその辺は考えて使うから問題無くなるんだろうけどね」

オボロ「性能が高くなりすぎて振りまわされるアレでござるか。納得したでござる」

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