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第二話 錬金工房で試行錯誤

10/23 内容リメイク

 ◇ ◇ 拠点 錬金工房 ◇ ◇


 シャウラが工房のことを言ってから数日が経過した。

 数日が経ってようやくゲームの舞台へとこの家が繋がった。

 新しい部屋にできたアトリエはまさに錬金術って感じだね。


「お~大釜もドーンって置いてあるね。大きくて凄いよ」


「はしゃぎすぎだろ」


 一緒に来たビュウスは呆れながらそう言った。

 それくらいはしゃいでるから呆れられるのも仕方ないか。


「ビュウスはなんでここに? そういえばフィルはどこに居るの?」


 フィルはセルフィスって子の愛称だ。

 私達はそう呼んでる。

 彼女もアトリエで錬金術をするのを希望していたはずだけど・・・・・・


「あ~俺はそもそも魔術書とかがなくて空っぽだから何も出来ないんだわ。アトリエに関してもガワだけだからな。機材も何も用意できてない」


 え~!?

 確かに本棚は空っぽだし何かフラスコとかはあっても錬金術で何かするような機材は何もないし・・・・・・

 って錬金術の本が無いとそもそも何も出来ないよね!?


「唯一工房出来てすぐに何かすることが出来るとしたらロギロスくらいだろ。あいつは技術本とかいらないしな」


「あ~確かに・・・・・・」


 現実に存在してる技術書を見るだけで十分だからね。

 そこから試行錯誤して研究進められる段階ではあるからね。


 ロギロスは白髪の少年だ。

 巨大ロボットを作ることを夢に見ていて巨大なドッグを工房に作ったんだよね。

 本人からすればまだまだ小さいらしいけど・・・・・・


 まあ機械関係だから現実にも存在する技術であるが故に今すぐに使えるわけだね。

 ちなみにこのアトリエがある場所は元々は機械を加工する部屋だったりする。

 改築した際にドッグの付近に移動したんだね。

 現実に近いといえどVR空間だからその辺の痕跡は残ってないのはいいよね。

 機械臭いアトリエとかイヤだし。


「う~ん、仕方ない。それじゃあ冒険に出るために冒険者の勧誘を・・・・・・」


「あ、ホムラは外出禁止な。ヤベェもん作ったから反撃とか許されない現在では護衛無しに外を出歩くのは厳禁だ」


「そんな~」


 いくらしょぼい電力量とはいえ無限に電力を産み出す発電機を作ったのは不味かったのかな。

 改良余地があるのも問題なのかもしれないね。

 今の私には無理なだけでもう少し電力量を増やすことだって不可能では無いからね。

 私にしか出来ないって事は無いだろうしそのうち誰かが私の設計図を改良するでしょ。

 だから誰かが特許を持っていくでしょ。(ホムラの言うそれは特許の理論の延長線上にしかない改良にあたるのでそれで特許を取得することは叶わない)


「そういうな。フィルが錬金術の本を買いに行ってるし戻ってきたら錬金術が出来るからおとなしく待ってろ」


「あ、普通に手に入るんだ」


「システムウィンドウから購入できないがあっちの町には売ってるからな」


 そうなんだね。

 なら買い物に行きたいけど冒険者の護衛無しに行かせてはくれないだろうね。

 はぁ・・・・・・・


「しょうが無い。あの発電機の改良でも・・・・・・」


「済まない。本気でそれはやめてくれないか!? それが原因で色々と面倒なことになってるんだよ」


 ビュウスに本気の顔でそう言われた。

 そんな顔して言われたらやる気にはなれないよ。

 しょうが無い。

 試行錯誤でもしてようかな。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 ビュウスがアトリエから出て言った後私はアトリエの大釜に材料を入れてぐるぐるとかき回していた。

 やり方は分からない。

 でも何となくやってみる。

 良くあるようなポーションの材料を放り込んでぐるぐるとかき混ぜる。


 何も理解せずにやってても意味ない気がするけどね。

 でも、ガワだけでも整えられてるわけだし色々とやってみるのも面白いでしょ。

 材料はタダだしね。


 試しにやってみて駄目そうなら諦めてたんだけど何か手応えを感じたんだよね。

 普通に出来そうと言うか何というか・・・・・・

 数分くらい色々と試行錯誤してるけどなんか出来ない感じなんだよね。


「やっぱり知識無しでやるのは難しいのかな?」


 とりあえず大釜から材料を取り出して空っぽにする。

 ・・・・・・なんか上手くはいってないけど微妙に出来てる感じはする。

 でも、このままだと時間掛かりそうだよね。


 そういえばロギロスは既存の技術でどうにか出来てたよね?

 そうだ! 錬金術で既存の物を作れば良いんだ。

 既存の物なら答えが分かってるも同然だからやりやすくなるでしょ。


「それなら・・・・・・・」


 私は糸を取り出した。

 糸を布にする。簡単ではあるけど素手でやるのは相当面倒な作業だ。

 簡単でも数万回も繰り返す作業だから当然だけどね。


 でもちゃんとした布にすることにこだわらなければ物作りとしては簡単な部類だ。

 四本の糸でちょっとするだけで軽い布の構造は出来上がるしね。

 まあ縦糸横糸と折り返せば二本で十分だけどまず糸を交差させていくという単純作業にするためにそれは考えないようにしよう。


 私は大釜に糸を四本入れる。

 そして鍋をかき混ぜる。

 凄い手応えを感じる。

 そしてすぐに完成した感じがした。


「よし、出来た・・・・・・あ?」


 出来上がったのは縫い目が無い布でした。

 糸が交差して出来たと言うより溶けた糸が薄く引き延ばされた感じみたいに見える。


「?????」


 なんか完成品が思ってたのと違う。

 そもそも大釜に火をつけてないのにどうしてこうなった?

 意味が分からなすぎるでしょ。


「う~ん・・・・・・とりあえず何度もやってからプロセスを確認しようか」


 声に出してやるべきことを定めたら何度もやってみる。

 糸を投入してかき混ぜて不可思議な布を何枚も作りだしようやく理解した。

 粘土みたいに混ぜ混ぜして目的の形に成形しているって感じだね。

 だから縫い目すら見当たらない不可思議な布が出来上がったわけだ。


 これ? 金属はどうなるんだろう?

 流石にこれでは材料入れれば機械が出来上がりますみたいなことは出来なくても単一なら目的の形に成形出来るんじゃ無いかな?


 考えついたなら行動あるのみだね。

 私は金属インゴットを大鍋にぶち込む。

 そして鍋をかき混ぜる。

 シンプルなワイヤー状をイメージしてかき混ぜる。


 手応えはあるけど金属だからか結構重い感じがする。

 これは簡単にはできそうに無いね。

 流石に金属を加工するのは早すぎたか?


 いや、時間掛ければ出来るはずだ。

 手応えを感じつつ模索しよう。

 効率よく加工する方法を・・・・・・


 ここまでゆっくりだとどういうプロセスで変形させているのか感じ取りやすい。

 それをゆっくりじっくり解析していこう。


 私から何かしらのエネルギーがかき混ぜ棒を通って材料に運ばれている。

 そのエネルギーを受けて金属が変形している。

 私のイメージが直接反映されて徐々に変形していっているって感じだね。


 そのエネルギーを知覚したわけだしこれをどうにか動かせないだろうか?

 エネルギーをぐりぐりと動かしていく。

 あ、何か金属だから問題無いけど逆に効率が落ちてる。

 これはやめた方が良いのかな?


 いや、効率が落ちても良い。

 動かし方を学ぼう。

 学んでからそれを促進させれば効率アップになる。


 私はエネルギーを動かし学ぶ。

 そのうち上手く制御出来るようになり変形を促進させることが出来るようになった。

 金属ワイヤーを大釜で作ることが出来た。


 でも、さっきのエネルギー、大釜でやる必要無い気がするね。

 自力で制御出来るのなら大釜は補助として考えた方が良いかもしれないね。

 金属は流石に無理だろうしさっきの不可思議な布を大釜を使わずに糸に戻すという作業に挑戦してみようか。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「おいおい・・・・・・アトリエにこもって何かやってると思ったら何やってるんだよ」


 三時間くらいしてからアトリエから出てこない私に不信を抱いたのかアトリエの中に入ってきてそう言った。

 ビュウスは私が作り上げた不可思議な布で作られた服を見てそう言った。


「錬金術を取得した。手探りでね」


「もはや大釜が飾りだな」


 私が手に乗せた金属を変形させているのをみてビュウスが呟いた。

 一応補助に使えるから飾りでは無いんだけどね。

 大釜に入れるとやりやすくなるのは事実だからね。

ホムラ「変形がこれで自由自在だしとりあえず次は色々と試行錯誤していくのが良いかな」

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