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第十八話 休憩時間

10/23 内容リメイク

 ◇ ◇ 試練の場 ◇ ◇


 ニワトリを確実に仕留めつつ迫り来るモンスターを倒していた。

 かなりの数減らしたのに、中々試練が終わらない。

 レアだから試練の難易度がとんでもなく上がっているんだろう。

 乗り越えたらそれはそれで報酬は美味しいとはいえ、かなり面倒な難易度設定だよね。


 でも、結構慣れてきた。

 攻撃パターンも構築できてきて連携もスムーズに取れる。

 周囲の様子も見れるようになってきて、かなり余裕が出来てきている。


「ん? モンスターが追加されなくなった! どうやらこれで打ち止めみたいだよ!」


「おお、ようやく終わりでござるか!」


 地味に長かったよね。

 ナイフも60本ほど使った。

 途中から投擲したら遮ってきたりするモンスターが出てきたせいで、確実に命中させることが出来なくなったから予想外に減ったとはいえ、ここで終わったからそこまで減らなかった。


 最後の兎のモンスターを倒す。

 これで試練の場にはモンスターが一体も居なくなった。


「これで終わりでござるな。ダイアル殿がシミュレーションのモンスターのレベルをあの設定にしてなければ乗り越えられなかったでござるよ」


 確かにね。

 ダイアルのおかげで乗り越えられたような物だよね。

 さすがのダイアルもレアミッションとか想定してなかったと思うしあの難易度に設定したのは結果的に正解だったね。

 今後のための練習だったとしてもね。


 ダイアルってこういうのを羨ましがりそうだよね。

 多分一人で入ったらダイアルならアハハと笑いながら無双するんだろうね。

 戦闘狂気質あるしね。


「・・・・・・あれ? モンスターを全員倒したのに試練達成にならない?」


「そう言われてみればその通りでござるな」


「もしかして、試練終わってない?」


 私は投擲したナイフを集められるだけ集めてストレージに入れ直した。

 そのまま使用可能なのは投擲用じゃ無いナイフは全部使えるけど、投擲用はちょっと刀身が鈍ってるね。

 投擲用じゃ無いのはちゃんと鍛冶で作ってあるから簡単には壊れないけど、投擲用のは変形術で雑に作ってあるから簡単に壊れるんだろう。

 所詮は量産品といったところかな。

 本格的な投擲ナイフと量産型の投擲ナイフと別々で作るのが良いかもしれない。


 投擲ナイフの鈍った刀身を変形術と切削術で整えて再び使えるようにして準備する。

 どうやらすぐに次の試練が始まるわけでは無さそうだからね。

 一応オボロ達の武器も錬金技術で出来るレベルでメンテナンスする。


 予想はしていたけどコクウさんの武器はかなりへたってきている。

 実力に見合わない低レベルの武器だから仕方ないよね。


 オボロの刀もかなり刀身がズタボロだ。

 というかこのレベルまでズタボロだともう普通に修復するのは無理だ。

 錬金技術で金属を足してやらないといけない。

 この方法で作るとなると性能が間違いなく低くなるし駄目だね。


「オボロ、試練終わる前だけど作ってあった武器使って」


「試練突破の祝いとして用意してくれたのにこのタイミングで渡すと言うことは拙者の刀は駄目なんでござるな。薄々分かっていたでござる」


 元々刀は繊細だから乱戦が続くとどうしようもないからね。

 でも刀の素体自体は良い物だし私のストレージに保管して来たるべき時に修復することにしよう。


「オボロのその刀は私のと同じ付与文字が刻まれてる」


 今の私には自動修復を安定化させることしか出来ないしね。

 それ無しに他の機能付けると武器の寿命が大幅に短くなる方法でしか付けられない。

 今の私の技術力ではこれが精一杯だ。


「コクウもこれ使って」


「オボロのと同じ・・・・・・では無いね」


 コクウの槍は付与文字は同じ・・・・・・では無い。

 中空構造だから、内側にトルマリンをほぼそのままぶち込んで、その表面を魔力結晶で付与文字に変化させた。

 これで、忍耐の石文字の解釈を大きく作用させて、全体的な強度を上げることに成功した。

 と言っても、あのバランスの悪いその場で作った槍の三倍程の耐久力強化でしかないけどね。


「耐久増強させつつ自己再生能力まで付けたんだ」


「私達の武器程では無いけどね」


 トルマリンが完全に隠れているのを利用して、象徴をサファイアにすることで自動修復との両立も図ってるんだよね。

 地味に大変だけど、上手い具合に出来上がって良かったよ。

 自動修復能力は私達のよりかは落ちてるけどね。

 そればかりは仕方ないから妥協するしか無いけどね。


「本当は試練が終わった後に渡すつもりだったんだけど、そんなこと言っている場合じゃ無いしね」


「明らかにまだ試練が終わって無いでござるからな」


 今は休憩時間と言ったところだろう。

 武器のメンテナンスと体力の回復の為の時間といったところかな?

 って事は次はもっとやっかいなのが待っているんだろうね。


 とりあえず収納してあった資材を使ってもう少し投擲ナイフを製造しよう。

 試練内容次第では足りるか怪しいからね。


 そして、十分位経過した。

 その瞬間システムウィンドウが上空に出現した。

 BOSS レイムチェラビドラゴン、そう表示された。

 戦闘開始まで後10:00とも表示された。


「また十分かと思ったけどこれ、十時間だ」


「十時間!? とんでもなく長い時間拘束されるんだね。夜になっちゃうよ」


「ひょっとして、この試練って・・・・・・以前聞いたサバイバルの試練と同じ仕様なのかな?」


 内部での一年が外での一分に相当するとか何とかいってたよね。

 だとしたら外出たとき数分しか経過していなくても何もおかしくない気がする。


「これだけ時間あるなら・・・・・・トラップとか仕掛けても良いかもしれない。ホムラ、武器とか作れるならトラップも作れる?」


「トラップ? そうか、十時間も時間があるならトラップ仕掛けても良いかもしれないよね。とはいえ・・・・・・火薬系の材料なんて持ってないから高火力トラップなんて作れないよ?」


 街から出たら無限資材は無効化される。

 試練の場が町中にあっても街の外判定だから、事前に資材として取り出しストレージに収納しておけば無限じゃなくなっても使えるんだけどね。

 その代わり、ストレージに事前に収納していた分しか使えない。

 ストレージが無限だからって馬鹿みたいに大量の資材をストレージに入れてあるから、トラップ作ること自体は可能だ。

 変形術があれば割とどうにでもなるからね。


 でも、流石に火薬とかは無理だ。

 錬金技術の合成術はまだまだ不安定で、素材があったとしても合成できるのは、一度私が作ったことがあるものだけだ。

 火薬の調合は生憎やったことが無い。無限資材に火薬があるからわざわざ調合することが無かったんだ。


 そして、火薬なんて滅多に使わないし保存用の容器が無いとストレージに収納できないこともあるから持ち合わせてないんだよ。

 金属系なんかは網羅しているんだけどね。貴重なレアメタルなんかもあるしね。

 確かプラチナが材料の一つの硝酸を作る材料なんだよね。いや、正確には触媒か。

 消耗しないしね。

 まあ、硝石あるからわざわざ硝酸つくる必要なんて無いわけだけど。


 あ~ここから出たら火薬の調合のやり方だけでも調べておこう。

 多分ストレージに火薬を作る材料は揃ってる。

 どうにかして作れると思うんだけど・・・・・・


「う~ん、黒色火薬作れる材料はあるかな? 硝石と硫黄と木炭なんだけど・・・・・・」


「ごめん、木炭だけは無い」


「なんで!?」


 無限資材ではあっても持ち出し制限のある代物だからね。

 木炭とか原油とかは持ち出し制限があるからストレージ入れてても無限には持ち出せないんだよ。

 火薬系なんかは制限ないから恐らく無制限に使えるエネルギー源というのが問題視されてる感じがする。

 木炭って蒸気機関のエネルギー源になり得るしね。


 火薬が制限されていないのは銃という武器に使われているのが原因だろう。

 あるいは扱いづらい、一般的では無い燃料源なんかは制限されないのかも知れない。

 硝石もエネルギー源を産み出す物としては優秀なはずだしね。


 ただ、木炭は原油系とはちがって割と簡単に制限を解除して無限に使えるようには出来るみたいだけどね。

 制限付きの今は、工房全体の持ち出し数を減らすことに繋がるというのもあり制限いっぱいまで持ち出す事が出来ないんだよね。

 というか木炭とかを必要としているのはロギロスの方だからね。

 だから一個も持ち出してないんだよ。


「それじゃあ、火薬は作れないね」


 だよね。

 低火力のトラップで頑張るしか無いか。

ダイアル「一分経過したけど出てこない。つまり第一試練は突破できたということだね。レア試練になるとツーランク程試練難易度が変わるから、上位試練と同じように一度に複数の試練を受けることになっているんだろうね。一応第一試練を突破できたなら次の試練に失敗しても報酬は確定しているのが幸いだ。果たして試練はいくつあるんだろうか。BOSSが出てきてたならその試練で終わりなんだけど・・・・・・」

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