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第十三話 目覚めた少女と眠る女性

10/24 内容リメイク

 ◇ ◇ 拠点 病室 ◇ ◇


 私は眠っていた少女が目覚めたと聞いて治療室に入った。

 ・・・・・・・居なかった。

 よく考えたら治療する場所にずっと眠らせておかないよね。


 だからいつの間にか出来ていた病室に入った。

 この工房って気がついたら拡張されてるんだよね。

 シャウラがちょくちょくいろいろやって拡張しているんだろうけど。


 私がやってくると少女は起きていた。

 笑顔の仮面を貼り付けた空虚な表情を浮かべている。

 笑顔の仮面が上手すぎて簡単に気がつけないだろうね。


「・・・・・・君が助けてくれた人?」


「そうだよ。私の名前はホムラ。君は?」


 少女は考える表情の仮面を貼り付ける。

 これはどうやら彼女は明確な感情がないみたいだね。

 彼女自身が気にしていることだろうから口には出さないけどね。

 彼女の表情は全て貼り付けられた物でしかないけど、そういうものだとして見るべきだね。


「ボクの名前はコクウだ。ところでボクはどうしてこんな所に?」


「ファストクラフトって街の裏路地に倒れていたんだけど覚えてない?」


 彼女は考えるそぶりをする。

 貼り付けられた表情は変化しない。

 表情から考えを読み解くことは出来ない。


「その街の名前に覚えはないね。そもそも街に来た覚えがない。いや、何か記憶に空白の部分がある。もしかすると、忘れてるのかもしれない」


 その言葉に嘘は見られない。

 本当に知らないんだろう。

 記憶に空白があるのも本当。

 自分が何者なのかは覚えてるけど何故ここに居るのかはさっぱり分からないってことなんだろうね。


「う~ん何か妙な感じがする。・・・・・・盛大に弱体化してるよ」


==========

戦闘行動

 振り 50

 突き 50

 投擲 50

 防御 30

 回避 50

 跳躍 100

 |空脚 10

 切断 40

 穿ち 50

武器

 槍 60

特殊能力

 浮遊武具 50


調理技術

 焼き 30

 切り 40

 煮込み 30

 味付け 30

 解体 50

==========


 さらっとステータスを見せられた。

 さりげなく適性値100があるよ。

 と言うか適性値100の先なんてあったんだね。


 あと何となくでごまかしているっぽいけどどうやらこのステータス画面自体も初見らしい。

 私は気がついちゃったけどね。

 でも冒険者なのにステータスを初見のこの子って一体何者?

 少なくともプレイヤーじゃないよね?


 察しの良さと機転の良さも凄まじいし普通の子とは思えない。

 何かあるのかも知れない。


「とにかく弱体化するような何かがあったってことだね。助けてくれてありがとう。ところでボクの近くに槍は落ちてなかった?」


 落ちてたね。

 それが理由で私はコクウさんを見つけられたわけだしね。


「落ちてたよ。へし折れてたけど」


「へし折れてた!? へし折れていたのか・・・・・・そうか・・・・・・・」


 本気で落ち込んでいるみたいだ。

 そういう表情を貼り付けてるけど内心でも落ち込んでいるみたいだね。

 何か急速にそういう感情が消えて言っている感じがするけど。

 強烈な感情でも無い限りは瞬時に消える体質なのかな?


「あの槍って大切な物なの?」


「母親が作ってくれたボクの武器だ。神の一撃だろうが耐えるような性能の武器だったはずだったんだけどな・・・・・・」


「其方の母親は何者でござるか!? 創造神か何かでござるか!?」


 実際そのくらいの力は秘めてそうだったから間違ってはないんだろう。

 ってことはそれをへし折る相手と戦ってこの街に墜落してきたってこと?

 潜在能力とか適性とかに縛られてなかったから縛られたことで弱体化した特殊なNPCなのかな?

 その辺はよく分からないけどね。


「似たようなものかな。にしても槍がへし折れたとなるとどうすれば良いのやら・・・・・・・弱体化もしたし、何をしていたのか記憶も無い。助けて貰っておいて何だけどボクはどうしたらいいと思う?」


「どうしたらねえ・・・・・・・」


 恐らく行く当てもないんだろうね。

 自分がどこに居るか全く分からなきゃ戻りようがない。

 それに槍が折れたことを気にしてた。

 槍がないと帰れないとかなにかあるんじゃないだろうか?


「そうだね。冒険者だし、期間限定で私の専属冒険者やってみない?」


「専属冒険者? ・・・・・・・よく分からないけど、悪い事では無さそうだしやってみることにするよ」


 行く当てもなかったからあっさり専属冒険者になった。

 期間限定だけどね。

 それなりに強そうだし頼りになるでしょ。


「そういえばだけど、あそこで寝てる人は誰?」


「え? 病室に君以外居たの?」


 見てみるとなんか怪しげな雰囲気を漂わせている女性がベッドに寝かされていた。

 点滴を受けておりかなりの長期間目覚めてないことが分かる。

 にしてもこの妙な気配は一体何だろうか。

 あそこで寝ている人は誰って聞きたくなるのも無理のないくらい不気味な気配だ。


「リエラ姉、ここに寝かされていたんでござるな」


「リエラ姉ってことはこの人、オボロさんの姉なのんだね」


 白髪だけどオボロと違ってアルビノだからって訳じゃ無さそうだ。

 髪質はちゃんとしてるしね。

 眠ってるから手入れはされてないけど。


「この子の姉なのね。物騒な呪いを漂わせてるけど」


「呪い?」


「掛けられた呪いが凶悪なんだろうね。強引に眠らせて呪いの進行を抑えてる感じがする」


 呪いの進行を抑えるために強制的に眠らされてるんだ。

 だからここで眠らされてるんだね。


「呪いは解けないの?」


「簡単に解ける程柔な呪いじゃないでござるよ。解けるのであればとっくに解いてるでござる」


 だよね。

 シャウラが呪いの進行阻止の処置しかしてない当たりで察せられるよ。

 にしても・・・・・・・


「どうしてオボロさんのお姉さんがここに居るの? 普通の病院当たりに・・・・・・・」


「いや、それだけ濃厚な呪いはなってたら病院じゃ入院拒否されるでしょ。外部に漏れないように押さえ込んでこれだから、普通に寝かせているだけだと更に濃厚な呪いがここを満たすだろうね」


 そういう処置されてもなお濃密な呪いを漂わせているって事ね。

 それじゃどう考えても入院拒否されるね。

 てっきりそういう処置がされてないものかと思ってたよ。


「拙者とレクト兄はリエラ姉の治療を対価に専属冒険者として契約しているでござるからな」


 なるほどね。

 この人がオボロさんの姉だと知ったときにそうなんじゃ無いかとは思ってたけどね。


「呪いは解ける目処はあるの?」


「無いでござるよ。その可能性を見つけるために専属冒険者になったんでござるから」


 錬金術師の専属ならそういうのが可能な素材を見つけるかも知れないからとのことらしい。

 だから私の専属冒険者なんだね。

 フィルはそもそも冒険に出る気が無いし必然的に私と契約することになる訳だ。


「あれ? ってことはもしかして・・・・・・・」


「レクト兄もホムラ殿の専属冒険者予定でござるよ。人数が揃うまではシャウラ殿が色々と動かしているでござるがな」


 そう言う話なら必然的にそうなるよね。

 って事はあと一人か。


 オボロさんにコクウさん、レクトさんの三人が今のメンバーだからね。

 最低四人だからあと一人居れば冒険に出られる。

 もしかするとレクトさんが集めているかも知れないけどね。


 何にせよ一つ目標が定まったね。

 闇雲に冒険するより目的をもって冒険する方が良いからね。


 でも、まずは試練を乗り越えて戦えるようになるのが最優先だね。

 後もう少しでシミュレーションのモンスターに勝てるようになるからね。

 頑張って乗り越えていかないと。

コクウ「専属冒険者か。でもボクの武器どうすれば良いんだろう。アレを直せるとは思えないしね」

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