9話 師範代見習い
赤面ツネタロウの成長
トントン拍子で成長していく
前世の記憶が効果的なようだ
いよいよ師範代見習いへ
師範代になるということで、予定より早く元服させることとした。
ツネオキ「次回からタロウは、寺子屋師範代になる。いつまでも幼名のままでは格好がつかないからな。元服するとしよう。当家は代々名前の前にツネが付いていた。儂もその一人だ。嫡男のお前にも付けてもらうぞ。ツネヤスなんてどうだろうか。戦の無い時代になる。健康で平和な時代を願って考えてみたのだがどうだろうか」
タロウ「恐れ入ります。私はこの幼名が気に入ってます。ツネを付けてツネタロウはいかがでしょうか。タロウはバンドータロウと言います。力強い名前で私は大好きです。どうか。ツネタロウではいかがでしょうか」
ツネオキ「儂は幼名に願いを込めたんだ。強い子になって欲しくてな。そうか。タロウも知ってたか。うむむむむ。タロウが幼名を好きだと言ってくれて父は嬉しいぞ。ヨシ。ツネタロウで生きよ。我がホンダ家を盛り立ててくれ。期待しておるぞ」
タロウ「はは。ありがたき幸せ」
無事元服したタロウは元の名前のツネタロウに戻り、今日から先生として仕事することになった。
「せんせーこんにちはー」子供たちの声がする。初日なので、ツネタロウはユキツナの補助として手伝うことになった。
チヨ「若さま。席に座らないんですか?」
不思議そうにこちらを見ている。
ツネタロウ「今日からユキツナ様の補助をすることになった」
チヨは手を叩き
チヨ「すごーい。復帰一日で先生に。大出世だね!」
チヨは嬉しそうに両手を挙げて喜んでくれた。こんなに喜んでもらって胸が熱くなる。
ツネタロウ「始める前に先生は元服しました。名前はツネタロウになりました」
子供たちは、嬉しそうに「ツネ先生」と呼びあった。
ツネタロウは、子供たち1人1人に目を向け頭を撫でていく。
弥生
ユキツナは困った顔をしながらため息をつき、ツネタロウを呼びだした。
ユキツナ「ツネタロウさん。急な話で申し訳ありませんが、私は、この度仕官先が見つかり今後寺子屋師範は出来なくなります。もしよろしければ、ツネタロウさんに跡を継いでいただきたいのですが。いかがでしょうか?」
ツネタロウ「もったいないお言葉。私なぞでよければ。跡を継がせていただきたく思います」
ユキツナ「良いのですか?お父上に相談しなくても」
ツネタロウ「はい。父からは『お前の好きなようにしなさい』と言っていただきました」
ユキツナ「そうだったんですね。良い返事が頂けて感謝します。新たに探すのが難しかったので助かります。子供たちもツネタロウさんに懐いてますし適任だと思ってました」
寺子屋でのことを父に引き受けた旨を伝えた。
ツネオキ「ツネタロウよ。自分で選び決めてきた。とても良いことだ。もう十四歳になり元服したのだ。自分で決めるのは当然の事だ。私は誇りに思うぞ。しっかり努めなさい」
トラ「ツネタロウさん。あなたは人当たりが良いので、きっと親御さんからも信頼を得るのが早いでしょう。ツライ思いをすることがあるかもしれませんが、乗り越えなさい」
シマ「おにいちゃん。たのしそうでわたしもうれしいよ」
トラ「コラ。シマ!もう九歳なんですからいつまでもお兄ちゃんと呼ばずに兄上と呼びなさいと何度も。。」
シマは嬉しくなるとつい「おにいちゃん」と呼んでしまうようだ。
かわいい。
【さよなら先生 人物紹介】
ユキツナ32歳。独身。架空の人物。
シナノの国出身だが詳細は誰にも語っていないが、噂では、似たような名前の武将が居たことで比較されたことによる出奔ではないかと言われている。誰でしょう。ユキ。。。誰ですかね。オーサカ冬の陣や夏の陣では、トクガワ方についたが、お家が改易に遭い浪人になったという。
今回の仕官先は、指南役として仕えることになったようだ。
この回で、第1章は終わります。第2章からは、大物人物の名前が出てきます。エド時代初期が大きく動き出すときです。下書き書いていて非常に捗ったのも第2章。
第2章もお楽しみください。
もう評価されなくても書いてやる。でも、評価してくれるとすごく嬉しくて腹踊りしたくなっちゃいます。お待ちしてます。
第2章 『大御所逝去』は21日(水)13時です。
友引だ。どうしよ。
また見てね




