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少年 ツネタロウ  作者: モーニングあんこ
第3章 寺子屋経営
17/413

17話 募集

 父ツネオキを亡くし、石高が増え家臣を雇うことにした。主君マサズミから好かれているツネタロウ。新たな門出。

如月きさらぎ


 早速、浪人探しにとりかかる。寺子屋前に高札たかふだを設置。師範代募集の告知をした。

 給金2分金もしくは2000文。住み込み可。3食付き。子供が好きであること。真面目な人求む。


  ツネタロウ「このような内容で来る人はいるのだろうか。決して敷居しきいは高すぎないが、給金が安いと言われそうだ。給金は載せない方が良かったのだろうか。だが、儂の使える金は同じくらい少ないし、これ以上出すのはあまりにも厳しいのだが」


 かなりの低賃金に心配をしていたツネタロウ。この時代では、3食付きは珍しく腹いっぱい食べれると言うだけで価値を高くする浪人はいた。


 数日が経過。ひとりの浪人が来た。子供たちが集まる前に来た。なかなか気持ちの良い男だ。そのまま中へ招く。


  浪人「高札を見て参った」


  ツネタロウ「よくお越しくださった。ささ、上がられよ。茶を入れてこよう。上がって待っててくだされ」


 恐る恐る上がる。奥で茶を入れてるツネタロウの鼻歌がうっすら聞こえる。


  ツネタロウ「そこへお座りくだされ」


 笑顔で迎えられる。


  ツネタロウ「まぁ、お茶でもすすってくだされ。外は寒いでしょう。少しでもあったまってくだされ。お口に合うか分かりませんが」


  浪人「ではいただく」


  ツネタロウ「まだ如月ですからな寒いのは当然。それで、高札を見てお越しになられたのですね?よくぞお越し下さった。落ち着きましたら自己紹介してくだされ」


  浪人「では。生れは、ムツの国のアイズ藩に仕えていたササキクニアキ。としは、二十一。出来れば、仕官を望んだのですが時代がようやく落ち着きだしたばかり。私のような武人ぶじんは好まれません。各地をまわっていたのですが、面白い高札があったので声を掛けさせていただきました」


  ツネタロウ「そうですか。待遇面は見ていただけましたか?ニ分金とかなり安い給金ですが。その代わり、主な仕事は寺子屋の師範代や子供たちを送るくらいなものです。住み込みですし食事は三食です。給金をどのような使い方をしても結構です。ただ、博打ばくちにのめりこんだり他者への迷惑な行為は、お断りしています。そのあたりなどを踏まえてお答えください」


  クニアキ「博打は苦手です。現に浪人として生きていくことになったのは、人生の博打に負けたからでもあります。毎日を安心して過ごせるのであればこれ以上の事はありません。私は独り者ですが、子供には好かれやすいようです」


 受け答えが出来質問にも答えられる。人間性は良い方だろうと認識した。


  ツネタロウ「では、少し試験をします。間もなく子供たちが来ますので、それまでここでお待ちください。お茶でもすすってゆっくりしていてください」


 試験という言葉とここで待つと言う言葉。なにを試されてるのか分からない。その上、茶を飲んでくつろげと言われて困惑する浪人クニアキ。主人の気持ちがよく分からない。


 「せんせーおはようございます」元気な声が徐々に広がっていく。


  男児「あれ?このお侍さんだれ?」


  ツネタロウ「おはよう。この方はね。ひみつです」


  男児「そっかー。わかったー」


  チヨ「若さま。おはようございます。なにかお手伝いしますか?」


  ツネタロウ「おチヨちゃんおはよう。そうですね。火鉢ひばちに炭を入れて置いてください。火傷には注意してくださいね」


  チヨ「わかりました」


 子供たちが集まった。まだわいわいと騒いでいる。今日もみな元気なようだ。


  ツネタロウ「みな揃ったかな?では、今日は特別講師が来てくださってる。こちらの方だ。えーとお名前をみなに聞かせてくだされ」


  クニアキ「えっ!?あっはい。私は、ムツの国のアイズ藩に仕えて」


  ツネタロウ「挨拶がカタイですね。もっと簡単に。名前と得意なことをお願いします」


  クニアキ「失礼しました。では改めて、ササキクニアキと申す。刀の稽古けいこは得意ですが、読み書きは出来ます。よろしお願いいたす」


  ツネタロウ「今日は、クニアキ殿にも手伝ってもらいながら進めます」


 クニアキに子供たちの勉強を見るよう指示し、全体を見ている。


 少しぶっきらぼうなところが見られるが、ひとりひとりに対して真面目に取り組んでいるのが見られる。なかなか良さそうな人材だ。


【よくわからない用語解説】

 旧暦きゅうれき


 時代物を読むときに旧暦で表現されると思いますが、旧暦と現代のユリウス暦と違うんですよね。元和げんな3年の元旦は、2月6日。旧暦というと中国の春節しゅんせつというのがありますよね。民族大移動の季節と言えます。正月くらいは実家に帰りたい。日本も同じですよね。カレンダーにも旧暦が書かれているものがまだありますよね。メモが書けるカレンダーだと。

 この小説では、旧暦を用いてますが、書き手があまり賢くないので、現代の月日で書いています。すみません。元和3年如月きさらぎ。2月1日は、3月8日なので寒いという表現が適当なのかは微妙な気がします。あまり気にしないでいただけると非常に助かります。氷河期に入ってる時代なのでと思っていただけると尚嬉しく思います。



 次回は、『結果』

 3日です。

 

 また見てね

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