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それから

 アルトと結婚をしてから三年が経った。

 私たちは今まで住んでいた実家の近くに別邸を建て、そこで二人だけでのんびり暮らしている。いや、お腹の中にもう一つの命が宿ったばかりだから三人暮らしだ。


 私は家事をしっかりとこなし、毎日仕事も行える環境を整えて貰った。

 アルトは国の警備としての仕事を承ることがあるのにも関わらず、私がやっている仕事にも協力してくれているため、以前よりも楽しく仕事ができるようになった。


 そんなある日のことだった。


「ジュリア、残念な報告があるのだが……」

「どうしたの?」

「今日、賭博場で違反行為をしていた者を捕らえたのだがな、その犯人がザ──」

「言わなくても誰だか分かるわよ」

「そうか……前科も踏まえ、更に賠償額が多額でな、親に勘当され独り身のザーガルだけではとても払いきれないと判断し、鉱山送りがその場で即決まってしまった」

「あのとき鉱山送りにしても結局変わらなかったのね……」


「ジュリア、ちなみに今回の事件の動機はなんでか分かるか?」


 少し笑いながら話してくるアルト。

 こういった場合、私の推理とは全く別の答えが返ってくるのだと予想はできた。


「ロクでもない動機なんでしょうね。そうね……新しい恋人ができたけど結婚する費用が欲しかったとか」

「これは俺も驚いた。『愛するジュリアと鉱山行きのベルベットを取り戻すためにまずは金が必要だった、金があればきっとジュリアだって戻ってきてくれると信じている』と言っていたのだよ……」


 背筋が凍りつきそうだった。お腹の赤ちゃんに影響がなければ良いが。


「ザーガルさんには最後まで驚かされたわね……」

「言っておくが、俺の方がジュリアを愛しているぞ。勿論お腹の子供も」

「ありがとう、アルト」


 ザーガルさんにはある意味感謝はしている。

 一度踏み外した人生がなかったら今こうしてアルトと一緒に幸せな生活ができなかったかもしれない。


 ザーガルさんが幼馴染のベルベットを無理やり家に連れ込み、あのときの生活は崩壊した。

 勿論ベルベットのとんでもない行為は今でも許せない。

 だが、皮肉にもあの事件があったことで、アルトの気持ちを知ることができ、私もアルトに命を救われてから心の底から愛するようになった。


 今では私もアルトも、あの時の出来事にすら感謝している。

 それくらいに幸せな日々なのだ。


 この幸せはきっとこれからも続いていくだろう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

元々は別サイトで投稿していた作品でしたが、内容を改稿した上で追加ストーリーを色々と追加してみたのが今作になります。

途中で洗濯機が出てきたりクロワッサンが出てきていましたが、これも物書き友達のネタを許可いただいたうえで書かせてもらったおまけ的なものでした。


最後に、新作のお知らせです。

【限界まで力を搾取されてきた聖女は廃棄処分されました~隣国の国王に溺愛された聖女は、どろんこまみれになりながら農作業を毎日楽しんでいます〜】

気合の入りまくった新作です。

是非是非よろしくお願いいたします。


それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。



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