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調査を入れていた

 遡ること一年前。


 お父様の仕事がらみで資金援助をしているというポルカ邸から縁談を持ち込まれたのだ。

 お父様は断ることもできたそうだが、私は家にいることが多く、男っ気もなかったため、折角なのでお見合いをした。


 縁談の相手こそがザーガルである。


 初対面の印象は悪くはなかった。

 見た目だってカッコいいし、服装も整っているし清潔感もある。


 猛烈なアピールによって私はそのままお付き合いを始め、ザーガルが猫を被っていたときの性格を好きになってしまい婚約をした。


 ところが、婚約後からはザーガルの性格に違和感を感じることが増えた。

 本性が顕になったのだろう。


 私はそれでもお父様の顔に泥は塗りたくないし、後には引けなかった。

 そしてそのまま結婚をしてしまい、私はストレスが溜まりに溜まって今に至る。

 


 まさかお見合いをさせてきたお父様の方から離婚を推奨してくるとは驚きだった。


「なぜいきなり……それに私はまだ何も」

「ジュリアよ、言わなくとも良いんだ。まず帰ってきたときの表情。誰が見ても以前のジュリアとは違った。最初は病気で帰ってきたのかと思ったがな」


「そ……それが離婚の話になぜ繋がるのですか?」

「ザーガル君は使用人と不倫をしているようだ。それに、不倫相手とは私自らクビにさせた元使用人見習いのベルベットなのだ」

「はーーーっ!?」


 思わず私の本性のような態度で大声を出した。

 家柄なるべく敬語と上品な言葉を選んでいるのだが、たまに無意識にこうなってしまうのは私の悪いところだ。


 それよりも、色々と聞きたいことがある。

 不倫は想定できるとしても、ベルベットさんの元使用人とはどういうことなのだ。


 すぐに聞いてみると、お父様は呆れていた。


「ジュリア……普通なら不倫のことで驚くはずだが」

「そんなの想定内です。それよりも、ベルベットさんの元使用人見習いという点が気になります! 今我が家で使用人として雇ってしまってるのですから……」

「なんだと!? なぜだ!?」

「ザーガルさんの幼馴染だとか言って、半ば無理やり住込の使用人として雇うことになってしまったんです」


「なるほど……ではなぜ家にいたのかも納得がいく……」

「どういうことですか?」


「ジュリアにはすまないと思っていたが、ジュリアが倒れた直後、お前たちが住んでいる家に内部調査を入れたのだ」

「な……なぜです……ってそりゃエイプリル家ですから、そうですよね……」

「もちろん国からの許可もとってある。それが俺の仕事でもあるから当然と言えば当然だが」

「さすが……」


 お父様は国一番の資産家でありながら、様々な調査依頼もこなす探偵のようなこともしている。

 しかも国からの依頼がほとんどなので、国からの信頼も絶大らしい。

 国王陛下自ら何度も爵位を授与しようとしているのだが、お父様は毎回断っているくらいなのだ。


「本題に戻す。ザーガル君との離婚推奨の件だが、ジュリアはどう思うのだ?」


 そんなこと考えることもなく決まっている。

 今まで起きたことを全て話すことにした。


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