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10「あの種族と会えそうです」③





「そ、そんな、酷い!」

「いやいや、あなたたちエルフは魔族の中でも恐れられたスケベ種族じゃないですか!」

「スケベ魔王に言われるほどじゃありません! そりゃちょっと性欲が強いですし、子供ができにくいので積極的に子作りはしますけど」

「……その性欲が無垢な少年少女に向くから悪いんですよ!」

「趣味嗜好にとやかく言わないでください! あ、私はそんな変な趣味嗜好は持っていませんからね。ぼっちゃま一筋ですし、ぼっちゃまが赤子でもよぼよぼの老人でも問題ありません!」

「あ、ありがとう?」

「それはそれでどうなのでしょうねぇ」


 エルフが、というか、ダフネが以前ボーウッドたちからおかしな意味で恐れられているのは知っていたが、エルフというよりもこの世界はエロフが正しいようだ。

 ダークエルフもきっとそんなんだろうなぁ、とちょっと萎える。

 しかし、ダークエルフへの興味は尽きないので、喜んで闇を極めるために合わせてもらおうと思う。


(奥さんたちがじとーっとした目で見ている気がするけど、べつにやましい気持ちでダークエルフに会いたいわけじゃないんだ! 嘘、ちょっとやましい気持ちはある! でもさ、ラノベや漫画で読んでいた種族が実際にいたら会いたいじゃーん! エルフよりもダークエルフ派なのは、ごめんなさい!)


 心の中で言い訳を重ねるサム。

 きっと弁明したら余計な問題を起こす可能性があると思って、奥さんたちの視線に気づかないフリをして話を続ける。


「それで、ダークエルフさんたちだけど、どこにいるの?」

「奴らは隠れて住んでいます」


 サムの問いかけに答えたのはダフネだった。


「隠れている? なんで?」

「ダークエルフはあまり他の種族との関わりを好みません。エルフはさておき、まさか変態魔王様がダークエルフと関わりがあったとは思いませんでした」

「世界中を探索しているときにちょっとね」

「どうせスケベなことをしたのでしょうね」

「……否定はしませんよ」


 ラッキースケベの化身の、ファーストコンタクトはラッキースケベから始まるようだ。

 むしろ、そんなことをしてよく闇を極める修行をつけさせてもらったものだと感心する。


「僕のことはとにかく、ダークエルフは聖術と真っ向から戦える闇の技術を持っています。少々癖のある種族ですが、友好的な方々ですので心配はありませんよ」

「待ちたまえ、変態」

「もう魔王さえつけてもらえなくなりましたね。なんですか、変態」


 ギュンターに声をかけられ、友也は隣の席を見た。


「性力が魔族、魔王に効果的なのは理解したが、サムに斬り裂けないのかな?」

「きっと斬り裂けるでしょう。今までサムのスベテヲキリサクモノで斬り裂けなかったのは、竜王候補の玉兎くらいです。その戦いでさえ、殺さないようにセーブしていたでしょうし。しかし、試すリスクが大きい。ならば、闇を極めさせたいんですよ」

「サムなら闇とやらを極められると?」

「やってみないとわかりません。これは誰でも同じです。ダグラスと僕は失敗しました。そもそも闇って柄じゃなかったみたいです。サムだって、できないならできないで次の手を考えればいいんです。でも、まず試してもらいたい」

「ふむ」

「可能であれば、ダークエルフを味方に引き込めれば戦力になるんですが、彼女たちは戦いが好きではありませんからね」

「戦う気がないものを戦わせる必要はないよ、変態」

「そうですね、変態」


 睨み合う変態ふたり。

 リーゼが小さく手を上げた。


「どうぞ、リーゼロッテさん」

「サムがダークエルフと会っている時間はあるのかしら?」

「ありますよ。どう言うわけか、神聖ディザイア国は魔族を嫌っていますし、領土に踏み込もうなら恐ろしいほど容赦無く襲ってきますが、不思議としかけてはきません。おそらく、僕たち魔族などいつでも滅ぼせるつもりなんでしょう。もしくは――優先度が違うんでしょうね」

「優先度、ですか?」

「彼らはいつだって女神が最優先ですからね、魔族を滅ぼすのも、僕たちに喧嘩を売るのも、まず女神を復活させてからなんですよ。ティサーク国では偶然出会ってしまいましたが……まあ、いずれはなにか仕掛けてこようと企んでいたからこそ、オーウェンで実験をしていたんでしょうけど」


 聞けば、神聖ディザイア国と魔族たちは、小競り合いこそ多いが大きな戦争はないと言う。

 ときどき、ロボが狙われたように、強い個体を狙って排除しようとしているし、少しずつ領土を広げようとしているようだが、国と国で戦うことや、表立って魔王と闘おうとは今までしてこなかったらしい。


「しかし、妙だな。聖力、聖術、という対魔族の力を持ちながら、いるかいないかもわからない女神を優先するのか?」


 ジョナサンの呟きに、友也が苦笑いした。


「奴らにとっては、女神は絶対にいるんです。よく知りませんが、この世界のどこかに封印されていて、彼らの悲願は女神復活です。封印の地を探して、各地を転々とし、ついでに魔族を排除しているようですよ」

「私には、さっぱりだが、女神とは存在するのだろうか?」

「さあ?」


 ジョナサンも、リーゼたちも、女神の存在は知らないようだ。

 サムも、今まで女神がいるなんて聞いたことがない。


「僕も知りません。千年以上生きていますが、神にこの世界であったことなんてありませんよ。でも、奴らにとっては絶対にいるんでしょうね。なら、国が滅びるまで、こっちに迷惑をかけずに永遠に探し続けて欲しいものです」


 友也としても、神聖ディザアイア国は目の上のたんこぶなのだろう。

 鬱陶しそうに、吐き捨てたのだった。






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