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56「襲撃です?」①





「転生したら変態魔王だった件。世界平和のために頑張っているのに、僕には彼女ができません」

「ラノベのタイトルみたいなこと言うなよ」

「だって! 僕がどんな思いで、アーリーから情報を吐き出させようと思っていたか! 僕だってひどいことなんてしたくありませんよ! でもね、敵は放置できないでしょう! だから、心を鬼にしたのに――なんでボーウッドくんとフラグ立ってんだよ!」


 地面に膝をついて涙を流す友也に、サムは若干引き気味だ。

 確かに、ワンピースを救出したアーリーが、そのきっかけとなったボーウッドに尻尾をふりふりしてアプローチ中だ。

 ボーウッドも、「お、俺にはロボが」と言いながら、鼻の下を伸ばしている。

 アーリーも積極的で、「魔王ロボ? ロボとできてんのか? 違うなら、俺なんてどうだ?」とぐいぐいいっている。実に肉食系だ。


「そりゃ、こんな体質ですから男女問わず距離をとられていますし、僕自身が過去にいろいろあったので人付き合いは得意じゃないんですけど……だからって、一生独り身でいたいわけじゃないんですよ! 甘酸っぱい恋とか、してみたい! 自転車二人乗りしたり、一緒に歌ったり、図書館ですれ違ったり!」

「二人乗りは禁止だよ」

「そんな話はしてないんですよ! 魔王を捕まえられるなら捕まえてみろって言うんです!」

「その前に自転車ないだろう?」

「実はあります。作りました」

「まじで!?」


 空を飛ぶことができるサムだが、自転車があるなら乗ってみたい。

 異世界を自転車で、と想像してみただけでちょっと面白い。

 自転車がはやれば、生まれてくる子供たちに乗り方を教えたりすることもできるんだろうか、なんて考える。


「リア充なことを考えているサムには残念ですが、この世界ではまだ自転車は早すぎました」

「なんで?」

「舗装されている道は少ないですし、あったとしても舗装が甘いですよ。一度乗ってみましたけど、振動ガッタガタでしたから」

「あー」

「ちなみに、試作運転中に転んでしまい、見ていた部下にラッキースケベをかましました」

「そんな悲しくなる報告しなくていいから」


 改めて、面倒な体質だと思う。

 サムは話題を変えるように、ラブコメっているボーウッドとアーリーを見て呟いた。


「アーリーがボーウッドに惚れたのかどうかはさておき、これを機にこっち側になってくれるといいんだけどね」

「そうなってくれるといいんですけどね」

「そもそも、どんな恩義があってアーリーはそのオーウェンって奴に従っているの?」

「言いづらいのですが」

「うん」

「ご飯を奢ってもらったそうです」

「――律儀! え、嘘? それだけで何百年も仕えちゃうの!?」

「聞けば、おかわりをして、酒も三杯飲んだようです」

「俺、今から酒場いって全員に酒奢ってくるわ」

「スカイ王国王都でそんなことしたら気のいい変態しか仲間にならないでしょう」

「そだね」


 サムはまだ、酒場で「今日は俺のおごりだ!」をしたことがなかったが、その結果もれなく変態が仲間になっていた可能性があると思うとゾッとする。

 すでに変態仲間はたくさんいるのでお腹いっぱいなのだ。


「……そろそろ現実と向き合わないといけません。ボーウッドくんがリア充なことになってしまいましたが、嬉しくない誤算です。これを機にアーリーをこちらになんとか引き込みましょう」

「内情が少しでもわかれば、俺たちも動きやすいもんね」

「ええ。被害を考えなければ、ティサーク国の上空に転移して最大火力で魔法をぶっ放してもいいんですが……」

「そ、それはさすがに」

「人間を殺し尽くしても、オーウェンが生きている可能性もありますから、直接殺したほうが安心できますしね。ただ、僕としては、力を与えてくれるという『あのお方』に興味があります」

「俺もだよ。本当に魔王同等の力をぽんぽん渡すことができる奴がいたら、それは脅威でしかない」


 サムと友也は頷き合うと、どうやってアーリーをこちらに引き込もうかと考えた。





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