表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

660/2182

49「魔王たちは気付いたそうです」




 魔王遠藤友也は、引きずられていくギュンター・イグナーツをハンカチをひらひら振りながら見送ると、


(僕は童貞だけど、彼を見ているとなーんにも羨ましくないのは何故でしょうか)


 そんな感想を抱きながら、「さて」と周囲に視線を送った。


「みんな気付いているでしょうけど――って、距離が遠い! あの、ちょっと秘密のお話をしたいのですが、なぜそんな離れているんでしょうか?」

「ギュンター・イグナーツの結界が解かれてしまうことになったら、私たちに被害が出るじゃないか」

「綺麗な身体で嫁ぎたいっすから、変態に触れられるのはノーサンキューでお願いしまっす!」


 仮にも魔王に対して、ばっさり言い切るゾーイとカルに友也は頬を引きつらせた。

 ちらり、と同僚のエヴァンジェリンに視線を向ける。


「こっちみんな」


 予想通りの対応の悪さに、友也は泣きたくなった。


「気づけば、リーゼ殿たちもいないですし……わかっていても、警戒されているなぁ」

「当たり前だろ! だけど、なんつーか、嫌な意味で警戒されているわけじゃねえんだから、別にいいじゃん」


 エヴァンジェリンの言葉に、確かに、と友也は頷いた。

 友也の体質はなかなか受け入れられるものではない。

 前世でもそうだったし、この世界でもそうだ。

 しかし、サムたちは、警戒しているのだが、離れていかない。

 ラッキースケベを最愛の人たちから遠ざけようとするが、それは普通の反応である。が、それだけだ。

 文句は言うし、変態扱いされるが、忌み嫌われ逃げられたり、追い払われたりすることはない。

 今だって、リーゼたちが離れた場所にいるも、苦笑してごめんなさい、と言っているのがわかる。

 変態耐性があるおかげなのか、それともスカイ王国の人間がこうなのかはわからないが、初めて心地いいと思えた。


「そうですね。そう言うことにしておきましょう。幸いと言うべきか、聞かれたくない人たちが離れてくれたので丁度よかったです」


 友也と距離を取りつつも、残っている面々はエヴァンジェリン、ゾーイ、カル、竜王だけ。青牙と青樹はリーゼたちと一緒にいる。

 だが、これから話そうとしていることを聞かせたくなかったので丁度よかった。


「サムも気付いていないようですが……いえ、正直言うと、自分でも信じられないのですが、クリー・イグナーツ殿に関してです」

「あー、やはり気付いたか」

「やはり、エヴァンジェリンも気付いていたようですね」

「ああ、クリーはかなりやばい変態だぜ!」

「そっちじゃないです! 確かに、恐ろしさを感じますが、そうではなくてですね!」

「冗談だよ。つーか、ゾーイなんかとっくに気付いていただろ?」


 エヴァンジェリンに尋ねられ、ゾーイは神妙に頷いた。


「認めたくないので気付かなかったふりをしていたのだが、お前たちが気付いたのなら、残念ながら、とても残念ながらそういうことなのだろう」

「うわー、めちゃくちゃ認めたくないのが丸わかりっすねー」

「当たり前だ! あれを認められるか! 認めてしまったら、私が、私が……」

「あんまり追い詰めるとゾーイさんが壊れちゃうんでやめとくっす」


 なにやらクリーに関してゾーイには認めたくない何かがあるらしい。

 エヴァンジェリン、ゾーイ、カルが気付いているため、友也も自分の感覚が正しかったことを確信した。


「つまり、クリー・イグナーツ殿は――あ」


 友也が何かに気づき、言葉を止める。


「ん? どうした、変態?」

「困ったことになりました」

「あん?」

「まったく誰が焚きつけたのか……一番面倒くさい魔王の御到着です」


 友也が渋い顔をした刹那、王宮に轟音が響き、揺れた。





9/2(金)コミックウォーカー様にてコミカライズ第2話公開です!

 そして、9/30に書籍2巻の発売となります!

 Amazon様ではご予約始まっておりますので、何卒よろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ