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6「モンスター退治です」




 サムは、スノーデン王国、シューレン魔法国、フォーン小国を転々とする日々を送っていた。

 友也とレプシーと共に、三国周辺のモンスターを狩りまくっていたのだ。

 生態系の変化など知ったことではないと、狩って狩って狩り尽くした。

 モンスターはこうまでしても絶命することはないようで、いつか人間の大きな敵として壁になるのではないかと言われている。

 現在も、敵であることはかわらないが、突然変異などが現れる可能性だってないわけではないのだ。


「……疲れた」

「お疲れ様です、サム」

「暖かいお茶を淹れたよ」


 シューレン魔法国の辺境で、モンスターの集団を壊滅させたサムたちは、小休憩をとっていた。


「モンスターには悪いけど、人の味を覚えた奴らを放置はできないよな」

「弱肉強食ですから気にしても仕方がありませんよ」


 レプシーからお茶をもらったサムは少しづつ口をつけ、温まる。

 雪が降る中で、簡易テントを張って雪を眺めながら飲むお茶と聞けばちょっとした休暇のように聞こえるが、背後には山積みとなったモンスターの死骸が並んでいる。

 血の匂いがするので、帰宅したら身体を念入りに洗わないといけない。


「貴族っていうのはどいつもこいつも……民を守らないで何をするっていうんだ?」

「当たり前のことを当たり前にできる人間は少ないです。何かしら、不備はでるものですが……まさか逃げ出しているとは思いませんでしたね」

「グライン殿も気落ちするだろう。辺境とはいえ、領主が逃げ出し、領民の四割がモンスターに殺されていたとは……痛ましいよ」


 サムたちが、していることはそれぞれの国の防衛だ。

 冬が終わるまでまだ少しあるが、気の早いモンスターは動き出している。冬眠をしないモンスターも多い。

 冬は自然界で獲物が少ないため、どうしても人間を狙うのだ。

 だが、スノーデン王国、シューレン魔法国、フォーン小国にはモンスターと戦う戦力が足りていない。

 放っておけば、モンスターによって人々がたくさん犠牲になるだろう。すでに、犠牲者は多い。これ以上の犠牲者を出さないために、サムたちが討伐するのだ。


「他の場所で被害が出ていないといいんだけど」

「そう願いましょう。スノーデン王国もフォーン小国もできるだけのことをしました。あとは、皆さんに任せるしかありません」

「だね」


 すでにスノーデン王国とフォーン小国に現れた、大きな群れをサムたちが壊滅させていた。

 残ったモンスターたちは、スノーデン王国はボーウッドが率いる魔族たちが、フォーン小国では朱雀丸とメイが率いる神殿の騎士とフォーン小国の兵士たちが戦っている。

 信頼している者たちが最前線に立っているので不安はない。だが、心配はしてしまうのだ。


 そして、スカイ王国では、宮廷魔法使いが各地に派遣されている。

 また元剣聖雨宮蔵人が、サムの弟子となり魔法を学びながら剣術も父から学んでいる雨宮ことみと共に全線に立っている。

 サムとの戦いで隻腕となった蔵人だが、それでいながら全盛期を超えた力を得ていた。

 しがらみがなくなり、剣士として己を鍛え続けた結果が顕著に現れたいた。

 かつて魔法使い殺しと謳われた、魔法を使う前に魔法使いを斬り殺す剣士が復活したのだ。

 モンスターに対しても、活躍は凄まじいと聞いている。

 今、戦ったらどうなるだろうか、とサムは思い、二度とごめんだと思う。


「さて、サム。休憩は終わりです」

「せっかく温まってきたのにね」

「――大物のお出ましだ。餌を撒いていた甲斐があったものだ」


 三人の背後には、巨体の猪がいた。

 魔力を帯びた猪は、体格はサムたちの五倍くらいある。

 まるで小さな山のようだ。


「俺がやるよ」


 そう言って、立ち上がったサムはテントの外に出る。


 猪は、撒き餌として使われていたモンスターの亡骸を一心不乱に食べていた。

 食欲は凄まじいようで、この猪い人間が襲われ、痛めつけられ、食われている。


 目が合った。

 猪はサムの力を読み取ったのか、背を向けて走り出す。

 戦って勝てないと本能で理解したのかもしれない。


「悪いけど、逃すつもりはない。――全てを斬り裂く者」


 サムは指一本動かすことなく、猪の巨体を縦横に四分割した。






 サムくんたちはサムくんたちのできることをしています。

 こつこつやっていくしかないのが現状です。

 次回からは、王都でのんびりまたーり!

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