4「エミル殿下の危機です」①
スカイ王国の王宮内。
雪が積もる王都の街並みが一望できる和団室で、第一王子セドリック・アイル・スカイは第二王子にして弟のエミル・アイル・スカイと向き合っていた。
「エミル、お前をシューレン魔法国のグライン殿の元へ送ることとなった。彼の手伝いをしながら、多くを学ぶといい」
「…………はい?」
「良い返事だ。快諾してくれたことを嬉しく思う。手続きはすでに行われているので、安心して行くとよい」
「違いますよ!? はい? は、受け入れたのではなく、疑問です! なぜ、僕が、シューレン魔法国へ行かなければならないのですか!?」
次期国王であるセドリックは、弟に対し頭痛を覚えたように額を押さえた。
「コーデリア様からのお達しだ。是非に、と」
「そんな馬鹿な!?」
「兄としては、魔法王がいなくなり危険もほぼないとはいえ、まだ幼いお前を他国へ行かせるのはどうかと思ったのだが」
「ですよね! 可愛い弟ですものね!」
「いや、可愛くはない」
「馬鹿な!?」
「そういうノリが鬱陶しいのだ。コーデリア様曰く、ロイグ・アイル・スカイ様に似ていて腹立つようだ」
もちろん、セドリックはエミルのことを嫌ってはいない。
母が違うが、兄と弟として良い関係を築けていると確信している。
エミルも王位を狙っているわけではなく、コーデリアも王位への執着はない。
王家は、現在とても平和で穏やかなのだ。
「ただ、エミルをシューレン魔法国に送ることで同盟の強化を計りたいと思うが、人質であると思われても困る。そこで、一ヶ月ほどまずは復興の手伝いをしてくるんだ」
「――お断ります!」
「今までにない、はきはきした返事で結構だ。だが、お前の拒否権はないよ、エミル」
「ば、馬鹿な」
「一ヶ月だけだ。我慢しろ。その間に、グライン様と結婚する相手を探す。見つかれば、交代だ」
「ま、まさか、結婚相手が見つからなかった場合、僕を可愛いお嫁さんにするつもりですか!?」
「……お前は何を言っているんだ?」
「僕のような生まれも育ちも良い可愛い少年の貞操が危険だとは思わないのですか!」
「……エミル、お前の思考の方が危険だと兄は心配だ。ちなみに、コーデリア様が言うには、反抗すればしただけ期間を伸ばしてもよいとおっしゃっていただいた」
「な」
「兄の温情としてそれはしない。だが、これ以上言うのならば、容赦無く引き伸ばそう」
「……僕には、愛する人がいるというのに、引き離すのですか!?」
エミルは、セドリックの情に訴える作戦に切り替えた。
この頭がよく回るところを「ロイグに似て可愛げがない」とコーデリアは思っているらしい。
「わかっている。私も妻ルイーズと離れ離れになったら身が引きちぎられる思いだ」
「――兄上!」
これはいける、とエミルは内心でガッツポーズした。
「無論、エミルの婚約者であるシューリーの同行を許そう」
「違うぅううううううううううううううううう! シューリーは母上が勝手に決めた相手であって、僕の愛する人は全裸の君ですぅうううううううううううううううう!」
シリアス先輩「そろそろエミル殿下もシリアスの仲間入りだね!」
シリアス先輩(真)「シリアスとはなんぞや?」
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