102「女子トークです」①
同日。
――スカイ王国王都。ウォーカー伯爵家の和談室。
日比谷綾音は、リーゼ、アリシア、ステラ、フラン、オフェーリア、ダフネたちに囲まれて、昨晩のサムとの話をしていた。
用事が終わったフランは合流できたが、残念だが水樹と花蓮は席を外している。
「――というわけよ」
いろいろ端折ってしまったのは恥ずかしさからだ。
かつて戦った時には綾音の圧勝だったのに、ベッドの上では大敗してしまった。
さすが夜の魔王、ベッドの魔王と名高いサムだ。
「元勇者、元女神の綾音っちでもサムには勝てなかったのね」
リーゼが神妙な顔をする。
「由々しき事態ですわ」
アリシアも不安そうだ。
「早急になんとかしなければなりません」
ステラは決意を固くしていた。
「……戦力増強するべきかもしれないけど、綾音っちが勝てないとなると、やはりウル様に期待したいわね」
フランは眼鏡を光らせて、冬眠中のウルに期待した。
「わ、わたくしも頑張りたいとは思っているのですが」
オフェーリアとしては、サムを慕っているし、婚約もしている。
だが、彼女は公爵家の娘だ。
婚前に肉体関係を結ぶというのは、少々抵抗があるようだ。
母親と妹がはっちゃけているだけあって、オフェーリアは常識の範疇にいる。
「私もいずれ嫁がせていただく身ではありますが、メイドとして皆様のお子様もお世話をしたいですし……」
サムの姉代わりであり、母代わりでもあったダフネもサムと結婚する予定ではあるが、彼女はあくまでもメイドであることを第一にしているので、他の女性たちを押し除けて結婚することは望んでいない。
もちろん、最終的に結婚することは決定事項ではあるが、長命ゆえにのんびりだ。
「それに、一度タガがはずれてしまうと自制できる自信もありませんので……ぽっ」
「自分で、ぽっ、とか言うんじゃないわよ」
顔を赤らめるダフネに綾音が突っ込んだ。
綾音もダフネの日々の言動を知っているため、本当にタガが外れてしまうんだろうなこのメイド、と思っている。
リーゼたちも同感のようで、ダフネ自身の言葉に納得して頷いていた。
「……でも、なんというか、自制ができなない気持ちはわかるわよ。なんていうか、幸福感というか、多幸感がエグいのよね」
「わかります。サムとの夜は、一夜一夜が……ちょっと言葉にするのは難しいですね。妊娠後、行為はできずとも他のことはたくさんしてしまいましたし」
「……アグレッシブね、リーゼ」
「あら、私だけじゃありませんよ」
「……すごいわね、あんたら」
「サム様の反応が可愛らしいので」
「つい、夢中になってしまい」
「そうね。可愛いから仕方がないわね」
妻たちは、夜のサムの反応と可愛らしさを思い出し、頬を赤く染めた。
そして、ダフネはちょっと嫉妬して「ぐぬぬ」とハンカチを噛んだ。
女子トークはじまります!
男子トーク? もちろんしますとも!




