82「お風呂上がりです」②
「――というわけで、こちらがぎゅんぎゅんワインとなりるのさ!」
「というわけで!? ウルに飲ませるようってこと!?」
どこからともなく取り出したワインボトルをテーブルに置いたギュンターはドヤ顔をした。
「もちろん麗しのウルにも飲んでもらうことは決定だが、サムたちの分も用意してあるよ!」
「ぎゅんぎゅんワインって名前からしてなんかやだなぁ」
「陛下のビン茶の人気に嫉妬してしまってね。ふっ、僕としたことが、恥ずかしいが、勢いでぎゅんぎゅん成分配合のぎゅんぎゅんワインを作ったのさ!」
「ぜっっっっっったいに飲みたくない!」
「……この恥ずかしがり屋さん! 遠慮しなくていいのだよ!」
「してないよ!」
まず、陛下のビン茶はまったく人気ではない。
王妃様たちでさえ、渋々飲んでいるのだ。
疲れが溜まっているイグナーツ公爵、ウォーカー伯爵、シナトラ伯爵家にもビン茶は届けられているが、飲まれているとは聞いていない。
ジュラ公爵だけが普通に飲んでいるらしいが、効果はとてもあるようで、「まるで十代の頃のようね!」と絶賛していた。
なにが十代の頃のような効果があったのか、気になったが聞くことはしない。聞いたら危険な気がしたからだ。
「照れ屋さんなサムも可愛いよ。でも、今日はそんな照れ屋な一面は抜きにして大胆な一面が見たいな。さあ、飲みたまえ」
ワインボトルを手刀で切ると、グラスにとくとくとワインを注いだ。
「……ぎゅん度百パーセントだよ」
「ぎゅん度ってなに!? こわいこわい! こわいよぉ!」
「ふふふ、ぎゅんぎゅんこわくなーい」
「怖いよ! 普通に怖いよ! 飲んだらどんなことになっちゃうのかわからない未知な部分が怖すぎるよ!」
陛下がブレンドしただけのビン茶でさえ、「効きすぎる」場合があるのに、ぎゅんぎゅん成分という謎の成分が入っているワインは危険度が高い。
もしかしたら、毒である可能性もある。
「ははは、困った子猫ちゃんめ! 安心したまえ。兄に試飲させたら、それはそれはもう元気なってね! 強いて失敗というのなら、兄だけではなく姉上にも飲ませるべきだったと後悔しているよ。まさか、兄があのような獣になるとは……」
「あ、わかっちゃった! ぎゅんぎゅんワインの効能わかっちゃった!」
「というわけで、どうぞ。ずずい、と」
「今の話を聞いてなんで飲むと思ってるの!?」
「ちなみに、僕には効果はないんだ。ぎゅんぎゅんがぎゅんぎゅん成分を取っても……クリーママには勝てなかった」
「もうクリーが一番でいいよ! あ、もとから一番だったね!」
とりあえず、ぎゅんぎゅんワインは絶対に飲まない。
飲んだら、ベッドの魔王とおかしな噂がどんな尾鰭背鰭をつけるのかわかったものではない。
「ちなみに、ぎゅんぎゅん成分ってなに?」
「僕の愛情と……………」
「最後まで言ってよ! なんで急に黙るの!?」
風呂上がりのサムとギュンターは、ぎゅんぎゅんワインを飲むか飲まないかでリーゼたちがお風呂から出てくるまで揉めた。
しばし出番がなかったぎゅんぎゅんがテンション高めでお届けします。
――しかしまさか、あんなことになるとは……。
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