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93「ラッキースケベですか?」




「な、なにが起きたぁああああああああああああああああ!?」


 友也はリチャードのまたの間で絶叫した。


「ま、魔王様、ひ、響く、響いてしまいます! まずは、お離れください!」

「変な声を出すな! と、とりあえず、立ち上がりましょう」

「そ、そうですね」


 友也は耳ではなく、目視で何がおきているのか確認するために立ちあがろうとした。

 そもそも男の股に顔を挟む趣味はない。

 両者揃って慌てて動く。

 なんとか立ち上がり、友也も嫌な場所から顔を話すことができたと安心した。

 しかし、まだ揺れは続いている。


 ずしん、と城が揺れ、友也の身体が揺れた。

 咄嗟に手を伸ばすが、友也の手は空を切る。


 結果、友也は目の前にあったリチャードのベルトにしがみつき、そのままズボンごと引き摺り下ろした。


「……………うわぁ」


 眼前に、リチャードの剥き出しの股間があった。


「ま、魔王様!?」

「申し訳ありません! これは事故です!」

「いえ、わかっています。オークニー王国のために、私に身を差し出せとおっしゃるのですね!」

「――全然わかってないですよね!?」


 リチャードは表情に憂いが帯びる。


「私の身体でオークニー王国の立場がよくなるのでしたら、喜んで差し出しましょう。で、ですが、優しくしてください」

「ふざけんな! 家に帰れば可愛い奥さんがいるのに、なんで見ず知らずのおっさんに身体を差し出されないといけないんだ!」

「さあ!」

「さあ! じゃねえから! なんで、そんなに乗り気なの!? 待って、なぜ毎度毎度こんな展開なの!? ラッキースケベっていうのに、全然ラッキーじゃない!」

「……私ではお気に召さないと!」

「それ以前の問題だよ! とりあえず、僕の目の前からそれをどかしてください!」


 友也は限界に達し、リチャードを突き飛ばす。

 リチャードが椅子に強制的に座らせると、友也は改めて立ち上がり、窓に近づく。


「――なんてことだ」


 窓の外には、山が起きあがろうとしている光景があった。


「――なんと! スノーデン王国との国境の山が……」

「馬鹿な、まるで巨人のようだ。いや、巨人か? 山ではなく、何かなのか!」


 生き物であることは理解している。

 だが、受け入れ難かった。


「…………まさかとは思いますが、サムたちが関わっているなんてことないでしょうね?」

「魔王様! これは、どういうことですか! まさか、魔王様のお力で!?」

「違います! 僕の仕業じゃありません! っていうか、なぜ僕が疑われて弁解しなきゃいけないんですか! ああ、もう、面倒臭い! 話は直接聞きましょう!」


 友也は窓から飛び出す。


「なんでこんなことに……寒いし、酷いもの見たし、踏んだり蹴ったりだ! 僕の高潔イメージが絶対伝わらなかったね! 間違いないよ! 何度もあったパターンだもん! ちくしょう!」


 オークニー王国の空に友也の涙が散った。





 友也くん、どんまい!


 シリアス先輩「お前にはがっかりだよ! シリアスじゃないじゃん!」

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またもや、シリアスが秒で(笑)
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