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間話「父と子の再会です」③





 ロバート・アイル・スカイは、ドヤ顔をしてとんでもないことを言った息子に冷や汗をかきながら躊躇いがちに言葉をかけた。


「……言いにくいんでちゅが、ビンビンとばぶばぶを取得したところで根本はわからせ殿下のロイグちんはイーディスちんにわからせられる未来しか想像できないのでちゅが」

「はっはっはっ! 父上! 甘い! 甘いですよ! 僕がイーディスにわからせられるですって!? そんなわけがないでしょう!」

「――ほう」


 ロバートは、豪語する息子を興味深く見た。


「婚約破棄で傷つけた件に関しては殴られましょう。刺されても構いません。ですが、わからせられそうになったら――全力で逃げます!」

「神の使徒のわりには情けないでちゅねぇ」

「メラニーと出会い、ばぶばぶに目覚めした。彼女のおかげでビンビンの素晴らしさもわかりましたが……イーディスには手も足も出ませんって! メラニーとだって毎日アヘ顔ダブルピースだったんですよ!?」

「息子のアヘ顔ダブルピースは見たくもないでちゅち、想像さえちたくないでちゅ」


 結局、わからせ殿下と名高いロイグ・アイル・スカイは、スカイ王国を出奔してからもわからせ殿下だったようだ。


「ちかち、どうやってサムちんのお母様となるメラニー殿と出会ったのでちゅか?」

「話せば長くなります。それこそ一ヶ月ほど」

「略してくだちゃい」

「……はい」


 語りたかったようだが、ロバートは簡潔を求めた。

 ロイグは語る。


「僕はスカイ王国を出たあと、冒険者として活動しました。十五歳ということで舐められたことはありますが、魔法使いとしてそれなりに実力があったのですぐに順風満帆になりましたよ」

「……そうでちゅか。その割には、名を聞きまちぇんちたが?」

「偽名を名乗っていたのはもちろんですが、スカイ王国が僕を探しているのは知っていたので、各地を転々としていました」


 ロイグは特定の冒険者チームに所属することはなく、あくまでも助っ人、臨時要員として活動を続けていたようだ。

 冒険者ギルドのほうも、実力者のロイグにはよくしてくれたようで、「昔、貴族と揉めたことがありまして」と言うと、情報が漏れぬように手配してくれてたという。

 冒険者ギルド側も、優れた魔法使いが広く大きく活動してくれているのだ。優遇するだろうし、手放したくもなかったのだろう。


「各地を転々としながら、それなりに充実していた日々でした。ときには新人を導き、一人前に育つまで見守り。弟子を取ったこともあります。しかし、少し疲れてしまったのの事実でした」


 ロイグは冒険者業に疲れた。

 ロイグ自身が冒険者をしたくないということではなく、かつての仲間や友人が命を落としていく姿を見てきたことが大きい。

 中には、教え子も弟子もいた。


「金だけはあったのでしばらくは休養しようと、ふらりと立ち寄ったのがラインバッハ男爵領でした」

「……そこで、メラニー殿と出会ったんでちゅね」

「はい。当時の彼女は、懸命に生きている子でした。親との関係もよくないこともあり、一緒に街をでないかと誘ったこともあります。しかし、断られてしまった。その頃には、ラインバッハ男爵に見初められ正室への話もあったようです」

「身を引いたと聞いていまちゅが?」


 ロイグは頷く。

 彼の顔には後悔もあった。


「男爵も少々強引でしたが、彼女のことを思っているのは本当でしたよ。何度か話したこともあります」

「……ちりまちぇんでした」

「でしょうね。男爵は、悪い人間ではなかったんです。少々傲慢なところはありましたが、僕が見た限りでは善人でしたよ」

「ち、ちかち」


 ロバートはサムの母メラニーが苦労したことを知っている。


「最初は、メラニーとの関係を問われました。僕も貴族の圧に怯えるような人間ではないので、正直に答えたのですが……」

「彼はなんといいまちたか?」

「それならば、冒険者をやめ、安全な仕事をするようにいいました。仕事の世話を焼くので、静かに穏やかにメラニーと共にあれと」

「――」

「僕もそれがいいと思いました。しかし、メラニーの母親が、僕のような流れものを気にいるはずもありません。金があっても冒険者の僕と、男爵では、普通は男爵を選びます」


 王子であったのも過去の話だ。

 メラニーの母の言い分もわかった。


「その後、話がもめましてね。結果的に、男爵とも関係が悪くなりました。僕は、身を引きましたよ」

「ロイグちん」

「いえ、違いますね。逃げ出したんです。自分の素性を明かすことも、本名さえ名乗っていない僕が、なぜメラニーを幸せにできるのか?」


 結論として、ロイグは街から出ていき、メラニーは男爵家に嫁いだ。


「幸せを願ったはずだったのですが……」


 その後、ロイグは死んでしまったが、メラニーの産んだ息子サムは男爵の子ではなく、ロイグの子だった。

 メラニーは側室からの悪質な嫌がらせに精神を疲弊して、自殺を試みてしまったのだ。


「――父上。僕は、このことを知って後悔しました。過去の自分を殺したいと思いましたよ。それ以上に、恥じました」


 ロバートはかける言葉が見つからなかった。


「なぜ、僕が神の使徒になったかといえば――メラニーとサミュエルに会い、心からの謝罪をしたかったからです」





 賛否はあるでしょうが、ロイグさんの行動理由でした。


 〜〜宣伝させてください!〜〜

 「ブシロードノベルス」様より「異世界から帰還したら地球もかなりファンタジーでした。あと、負けヒロインどもこっち見んな。 」が発売となりました!

 異世界帰りの主人公由良夏樹が勇者の力を持ってして現代日本で神や魔族を相手に暴れまくるお話です。ぜひお盆休みの読書にお読みいただけますと幸いです。


 ――そして、『コミカライズ』進行中ですのでお楽しみに!!!


 何卒よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)

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