41「ゾーイと一緒の朝です」
サムはゾーイと、夕食を取り、一緒のベッドで眠った。
肉体関係はない。
手を繋ぎ、他愛ない話をしながら、眠りについたのだ。
成長途中のサムよりも小柄なゾーイを抱きしめながら、彼女の温もりを味わって眠ったサムは、ひとりで眠るよりも深く心地の良い眠りにつくことができた。
「――おはよう、サム」
ゆっくり目を覚ますと、視界の中には微笑んだゾーイがいた。
「おはようございます」
「ふふふ。よく眠っていたな。疲れているのか?」
「そうだね、いろいろあるから疲れているかも」
「二、三日くらいなにもしないでゆっくりする日を設けてもいいような気がするのだが」
「ゆっくりするよりも、みんなと一緒に慌ただしい日々のほうが楽しいよ」
「サムがそう言うのならいいが……あまり無理はするなよ」
ゾーイの細い腕が伸び、サムの頭を撫でてくれる。
彼女のもう片方の腕を取り、頬に当てた。
「ふふっ、甘えん坊だな」
「甘えん坊ですとも」
少し寒い部屋の中で、ゾーイの体温はとても暖かかった。
「そ、そのなんだ……サムも男の子であることは理解しているが、もう少し時間をくれるとありがたい」
「あ、うん?」
「私は、ほら身体が小さいからな。対して、サムのはなかなかだ。正直、無事に迎えることができるか悩ましい。いや、仮に裂けたとしても回復魔法があるし、再生能力もあるので問題はないのだが、できることならうまく受け入れたいと思っている」
「あの、ゾーイさん?」
「最近、リーゼたちからいろいろ教わっている。近いうちに実践としてサムにご奉仕をするので楽しみに――」
「ゾーイさん何言ってるの!?」
眠気が吹っ飛んだ。
母性を感じさせた柔らかな笑みを浮かべていたゾーイが、一変して顔を茹でたように赤くしてご奉仕と言い出したのでびっくりした。
「い、いや、しかし、サムのあれがいろいろ元気なので……なんとかしてあげたいのだが、早いというか、覚悟が決まっていないというか。いや、お前のことは大好きだが」
ゾーイの視線が一瞬毛布の中を覗いたことで、すべてを理解した。
「待って待って待って! 違うから! 生理現象です! 若いから朝起きるとこうなの!」
「し、しかし、発散していないというのも事実だろう?」
最近は、リーゼたちと一緒寝ることはあっても、行為はない。
サムはそのことを不満に思ったことはなく、一緒に眠るだけで十分すぎるほど幸せだった。
「大丈夫です! 平気です! 俺は大好きな人と一緒にいられるだけで幸せなので、気にしないでください!」
「むぅ」
若干、不満そうにしているゾーイを見て、このまま話が厄介な方向に発展したら、勢いでとんでもないことになりそうな予感がする。
「俺はゾーイさんのことが大好きだし、そういうこともちゃんとゆっくり時間をかけて……ね?」
「う、うむ。サムがそう言うのなら、わかった」
ふう、と内心安堵するサムに、「おっと、そうだ」とゾーイが顔を近づけてくる。
「ひとつ間違えていた。サムのことは大好きではない。――愛しているぞ」
ゾーイはそう言って、キスをしてくれた。
クライド陛下「うむ! 良きビンビンである!」
シリアス先輩「……シリアスじゃなくてもこういう何気ない日常はありだね」
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異世界帰りの主人公由良夏樹が勇者の力を持ってして現代日本で神や魔族を相手に暴れまくるお話です。ぜひお盆休みの読書にお読みいただけますと幸いです。
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