37「想定内のはずが想定外でした」①
「扉を開けろ! ここに他国の人間が匿われていると情報があった! 応じなければ、斬り捨てるぞ!」
声は女だった。
サムは子供たちを連れて、友也の転移でスカイ王国に逃げる選択肢もあったが、情報収集のためこの国の兵と一戦構える覚悟をしていた。
子供を飢えさせる国の兵など殺しても構わない。
そのくらいのことを考えていたのだ。
「まあまあ、サム。僕に任せてください。情報収集は僕の専門ですから、なに、サクッと対応してきますよ」
「いや、でもさ」
「待つんだ、友也」
サムとレプシーが止めようとするも、友也は自信があるようで扉を開けて外に出ていく。
「…………なんであんなに自信満々なのかわからないけど、女性兵士が来て友也が対応したら」
「想像は容易いな」
サムとレプシーが顔を見合わせてから、しばらくすると、外から女性の悲鳴が聞こえてきた。
「いやぁああああああああああああああああああ!」
「待ってください、これは誤解です!」
「き、貴様! 隊長どのになんということを!」
「違います、平和的に、平和的にお話をさせてください!」
「やめっ、このっ、な、なんでそんなところを執拗に触るんだ!」
「ええいっ、貴様! 隊長殿から離れろ。ひぁっ、ま、待て、私まで辱めようとするのか!?」
「おかしい、これはおかしい! 結界さんは!? お仕事してくださいよ!?」
「ひぇっ、せ、せめて、せめて室内で頼む……」
「隊長どの……もう私たちはお嫁にいけません、胸を揉まれ、こんな姿にされて……ぐすん」
何が起きているのか見えないが、大体は想像ついた。
友也がゆっくりと扉を開き、ベルトが外され、引き摺り下ろされたズボンを手で押さえながら、ボタンをちぎられ涙ぐむ女性ふたりが共に建物の中に入ってきた。
――さらに三人はローションまみれだった。
外の寒さのせいか、ほんのりローションが凍っている。
「この短時間で何をどうすればこんなことになったの!?」
「知りませんよ!?」
女ふたりは絨毯の下に大の字になると、自棄になったように言った。
「もう好きにしろ、ただし部下には……」
「隊長どの……いや、辱めるのであれば私にしろ! だが、身体を奪えても心までは奪えないと知るがいい!」
「いや、そんなつもりは」
「ここまでしておきながらまるで説得力がないぞ!? ところで、あったかいなここは」
「た、隊長どの、子供達が」
「ま、まさか貴様……子供たちを集めて辱めるつもりか!」
「そんな誤解がありますか!?」
「ならば、私が代わりに辱めを受けよう。だから、頼む。子供たちに酷いことをしないでくれ!」
「人の話聞きましょうよ!?」
服を脱ぎ出した女兵士たちに、友也は涙目で叫んだ。
「……意外といい人、かな?」
「かもしれないね。話を聞こう」
なんとも言えない展開になってしまったが、彼女たちならば勇者に関しても知っているかもしれない。
サムとレプシーは情報を求めることにした。
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「ところで、友也くん。他の人たちは?」
「辱められるって叫んで逃げて行きましたよ! さっき追い返した奴らでしたけどね! 誰がお前らにラッキースケベするかっていうんです!」
「え? じゃあ、このふたりを選んでラッキースケベったの?」
「違います。言い方が悪かったです。ちょっと話し合いましょう」
シリアス先輩「あれ? シリアスじゃなかった!?」




