7話 弟子入り!?
部活後、双牙は武道館の前で茜を待っていた。
「ごめ〜ん。みんなに絡まれちゃってて。」
「別にかまいませんよ。というかちょうどよかったですよ。」
「?どういうこと?」
茜が双牙に尋ねた直後二人の前に一台の車が止まった。運転席が開き一人の女性が降りてくる。
「お待たせいたしました、双牙様。」
「いいや、ちょうどいいタイミングだ。さ、先輩。乗ってください。」
双牙に促されるまま車に乗り込む茜。双牙が乗りそれを確認した運転手の女性がドアを閉め自分も乗り込むと車を発進させる。
「剣道部部長の北条様ですね。」
「え?何で私の名前を?」
いきなり名前を呼ばれて混乱する茜。そこに双牙が助け船を出す。
「茜先輩は一度彼女に会ってるでしょ。な、ミリィ。」
「ミリィって・・・・。まさか!」
「はい。私は人事委員のミリアリア・フェルトです。」
「何であなた運転してるの!?私より年下なんだから免許取れないでしょ!ま、まさか無免許!?」
騒ぐ茜の疑問には双牙が答える。
「大丈夫ですよ、茜先輩。ミリィは免許持っていますから。うちの権限使った特例による条件付き免許ですけど。それにミリィは1年として学校に行ってはいますが実際は先輩と同い年ですよ。」
「あ、そう、なんだ。」
「驚かせてしまい申し訳ありません。私は川上家に関する仕事または双牙様に関する事柄のときにのみ運転可能になる特例免許をいただいております。運転歴はすでに2年ありますのでご安心ください。」
ミリィの説明に驚きつつも納得したようで、別の話題に移った。
「これからどこへ行くの?まだ私聞いてないんだけど。」
「うちですよ。」
「うち?」
「北条様、私たちはただいま川上家へと向かっております。」
「・・・・・・・はい!?」
いきなり大声を上げる茜。なぜなら彼女にとって双牙はアイドル的存在でファンクラブに入っているほどだ。その双牙の家に招待されるのだ。驚かないわけがない。
「緊張しないで下さいよ。用事って言うのは部活の延長ですから。」
「部活の延長?」
「行けば分かりますよ。」
笑顔でこたえる双牙。何か釈然としないながらもとりあえず行ってみることにした茜だった。
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「・・・・・・・・・・。」
家を見上げ呆然と立ち尽くす茜。その家とは無論双牙の家だ。海斗たちが初めて来た時と同じリアクションをしている茜を見て笑ってしまった双牙だった。
「さ、どうぞ。」
玄関を開けて茜を招き入れるとそこには蓮花が待っていた。
「いらっしゃい北条さん。さ、あがって。」
「生徒会長。今日はお招きありがとうございます。」
「硬くならないでいいわよ。それと今はプライベートだから生徒会長はやめてほしいかな。名前で呼んでね。」
「はい。蓮花さんお邪魔します。」
どこか遠慮しながら家に入って行った。リビングに入るとまたもや海斗たちと同じ反応をする茜。ソファーにすわあるようにミリィが茜にすすめ4人がソファーにすわり双牙が本題に入った。
「今日茜先輩を招待したのは先輩を鍛えてみたいと思ったからなんですよ。」
「どういうこと?」
「茜先輩と試合をしてみて正直驚きました。先輩が見つけた逆胴の隙は俺が初めて試合する相手に対してやる一種の試験なんです。先輩は試合の中であっさりと見つけましたがあれを初めて試合して見つけたのは今までにたった6人だけなんです。」
「うそ!」
「本当です。しかもうちの道場にいる人間以外では初めてです。先輩には才能がある。無性に磨いてみたくなったんです。ちょっと厳しいですけど俺の弟子になってみませんか?」
「弟子になるって具体的にどうするの?」
「そうですね。いきなりって言うのも無理だと思うんで今度の試合まで俺の訓練受けてみませんか。もちろん部活の後で用事のない時になりますが。」
それを聞いて少し悩む茜。そして結論を出した。
「そうね。バイトもしてないし、強くなれるならうけてみようかな。」
「そうですか。なら少し厳しくなると思いますがよろしくお願いします。」
「こちらこそ、やるからにはきちんとやりたいから。よろしくね。」
握手をすると双牙は蓮花とミリィと何やら相談を始めた。
「それじゃ、いろいろ準備しなけりゃいけないな。道場はうちのでいいかな?」
「そうね。あとは部屋も準備しなきゃね。あと御家族にも連絡しなきゃ。ミリィ、あなた今からアポとって御挨拶と了承取ってきなさい。部屋の準備は私がやっておくから。」
「かしこまりました。では直ちにとりかかります。」
「ちょ、ちょっと待って!!」
何かいろいろとおかしな話が聞こえたのであわてて止めにかかる茜。
「どうしたの茜ちゃん?」
「いあや、どうしたじゃないでしょう!部屋の準備とか家族見連絡とかどういうことなんですか!?」
「あたりまえでしょ。双くんの弟子になる人はうちに住み込んでマンツーマンで訓練するのが決まりですもの。」
「き、聞いてませんよそんなこと!!」
「そりゃそうよ言ってないもの。大丈夫。男は双くんだけだし。部屋には鍵がかかるし。住み込むといったって二人きりじゃないから。お望みとあれば専属のメイドも付けるわよ。」
「いやそういう問題ではなくて!」
「あれ〜?それとも何かほかにまずいことでもあるのかな?」
突っ込まれて俯く茜。ニヤニヤ笑いながら何やら耳打ちし始めた。
「ファンクラブは抑えとくからよばいしちゃえば?」
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急激に顔が赤く染まっていく茜。蓮花は隣でそれを面白そうに眺めていた。
「蓮花様、そのようなことをおっしゃってはなりませんよ。北条様、車の用意ができましたのでお越しください。」
「わかりました。じゃあ蓮花さん失礼します。」
リビングを出ていく二人。
「助けるふりして話題をそらすなんてね。北条さんへの牽制もあったのかしら?まったくいじらしいわね。」
ミリィの内心を見透かしながら二人を温かく見送る蓮花だった。
いかがだったでしょうか?




