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スクールライフCREATORs  作者: 石原レノ
生徒会の依頼
12/24

揉め事

「先輩、その資料はそっちの棚に…あぁゆっか!何でそんな事するのさぁ!?」

次の登校日の放課後から、瞬と生徒会の仕事は始まった。例年からの参考資料の生理、それを元にした企画資料の賛否決定。手を貸すという形ではあるものの、瞬には結構重要な役割を任されている。そして、毎日が忙しかった。

「え、ちょっと!何この分担!こんなの私だけじゃ無理だって!」

「そんなこと言ってもしょうがないですよ。それに、先輩はお手伝いさんなんですから」

「そうは言ってもなぁ…これは会長直々の頼みでもある訳だし……」

「ははっ…まぁ僕も暇だったし、別に構わないけどね」

「だからぁそこは違うんだよ(ことは)ちゃん!」

「先輩の言っていることは効率的では有りません。あと1週間でどうやって衣装を合わせるんですか」

僕達が作業をしている教室の廊下。二人の声主が言い争い的なものをしていた。

気になり、教室から顔を出すとーー

「だってラストはやっぱり泣けた方がいいじゃない?笑えるのも大事だと思うけど、最後は印象的にしたいんだよね」

「先ほどから何度も言っている通り、我々には時間がありませんので……急な変更は部員の士気を下げます」

「おっ、何だ何だ。言い争いっすか?」

「うん。何だかそう見たい。詳しくは知らないけど……演劇部かな?」

「……盗み聞きとは褒められた事ではありませんね」

「げっバレてら…」

「ここでそれを言うのは悪役だけですよ琉ちゃん」

そう言いながら、恐る恐る姿を現す瞬御一行。苦い顔をしながら姿を現した面々を見て、生真面目そうな女の子は息を漏らした。

「…はぁ。生徒会がこんなのじゃこの学校も任せられたものではありませんね」

長く伸びた黒髪。掛けられたメガネは彼女の真面目さを表しているようだった。

「そ、そんなこと言ったらダメだよ!す、すいません…この子真面目だけが取り柄で…」

方やこちら側は、出ているところは出ているフワフワとしたイメージがある人だった。

「私は月恵理(めぐるめぐり)といいます。高等部3年の演劇部です……それでこの子がーー」

「中等部3年の夜也詞(よなりことは)です」

「生徒会高等部1年の環乃琉歌です……んで、このちっちゃいのがーー」

「ちっちゃいって言わないで下さいです…新野ゆかりです。中等部2年です」

「それで僕がーー」

「あなたの事は存じ上げております。確か、本校初の男子生徒…名前は……」

天上瞬(てんじょうまばた)君だよね?」

琉歌、ゆかりが自己紹介を無事に終えたのに、僕だけ何故か遮られてしまい少々戸惑ったが、どこもおかしな所はなく、一安心。

「はい。学年はーー」

「高等部2年でしょう」

そしてまたもや(ことは)により僕の自己紹介は遮られた。……何か恨みでもあるのだろうか。

「……そ、そうです……うん」

「お2人はなんでこんな所で喧嘩してんですか?」

「喧嘩じゃ無いんだよねぇ……ただちょっともめただけ……みたいな?」

「それを喧嘩と言うんですよ恵理先輩」

「…もしかして今度の文化系部活祭のことですかね…?」

琉歌がそう問いかけると、詞と恵理は揃って頭を縦に降った。話を聞くと、当日講演する劇の台本に、恵理が変更を申し出たらしい。それに意見を言ったのが詞で、二人はそこからもめ始めたらしい。部員達は恵理の変更内容には同意したが、実行にはまずまずだったようだ。残された期間は1週間。そんな短い期間での変更は失敗を招く、そう思っての今らしい。

話を聞いた僕は、口を開く。

「……つまりその分練習すればいいんじゃないかな?」

「先ほどから何度も言っている通り、それをした所で完璧なものにならなくなるのです。劇は一つの失敗で今までとこれからが全部無駄になってしまうのですから」

「ならそれを補う準備もすればいいんじゃないかな?失敗を予想してそこだけ多く練習するとか、とりあえず対策を練っておくとか…」

「……しかしそれではーー」

「別に少しの変更くらいなんも差し(つか)え無いでしょ…まぁ並大抵の人ならあれかと思うけどなぁ」

琉歌の挑発的な言葉に、詞はピクリと眉を動かす。

「…それで私を挑発したつもりでしょうけど、そんな低レベルなもので私はーー」

「はぁ…逃げるんですね……恵理先輩…でしたよね?この件は演劇部のレベルが足りなかったと言うことでーー」

「誰が低レベルですか!良いでしょう…やって差し上げましょうじゃないですか……これは挑発に乗った訳ではありません。わが演劇部はあなたが思っている以上に凄いということを見せつけるためのーー」

「はいはい分かりましたから…さ、先輩、ゆっか。仕事に戻りましょう」

面倒くさそうにあくびを漏らしながら背を向ける琉歌。先程までの空気を一変して賛成へと導いた琉歌に、心の中で感嘆する僕だった。

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