距離
年末も近づき、仕事も忙しさを増して孝治は遅くまで仕事をしていた。
すると沙織からLINEが入り、会えないかという内容だった。
終わり時間が見えなかったが、孝治は仕事が終わった後であれば大丈夫な旨を伝えた。
それでも沙織が会いたいというので会いに行き、何時ものような会話をして、夜遅くに沙織送り届けた。
沙織からLINEがきた。
「いつも夜遅くに来てくれてありがとう、仕事で疲れてるのにごめんね。こうちゃん優しいよね。あたしこうちゃんのこと好きになっちゃいそうかも。」
意外なその内容に孝治は戸惑いつつも、沙織に彼氏がいる事を確信していた孝治ははぐらかす返信をした。
年末には本社に行く事になっており、孝治は考えていた。
本社での研修中沙織からLINEが入っていた。
「いつ帰ってくるの?」
孝治は沙織に彼氏がいる事、そんな中で沙織の気持ちを浮つかせるのは彼氏に申し訳が立たない。
そう思い、孝治は返信をしなかった。
自宅に戻っても孝治は返信する事もなく、仕事に集中する事にした。
沙織のLINEプロフィールには「もうすぐで1年だね」そんな一言メッセージが書いてあり孝治はこれで良かったんだと思った。
同時に高校の時の叶わなかった恋を思い出し、孝治は地元への思いを募らせていた。