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055 呼び出し(3)




「でも、カコさんとは自然と話が出来た」


 カコさんは僕にラベルを貼らず、僕を僕として接してくれた。

 それが心地よく、些細なものかもしれないけど、学校に来る楽しさを与えてくれた。


「それに、マヤさんも――」


 配信者としての僕を支えてくれた。


「二人が同じ人だとは思っていなかったけど、それがカコさんだって分かって嬉しかった」


 どちらもかけがえのない存在。

 彼女が想いを伝えてくれて、心が温かくなった。

 だから、僕からも想いを伝える。


「僕としては、これからカコさんともっと仲良くなりたい」


 ジッと彼女の目を見て、告白する。


「…………私も」


 潤んだ瞳に、ドキッとする。

 それから、ゆっくりと実感が湧いてくる。


「なんか恥ずかしいね」

「……うん。私も」


 別に彼氏彼女の関係になるわけでもない。

 ただ、友人として少しずつ近づいていこうという告白だ。

 それが僕たち二人にとっての精一杯だ。


「私たちのことは隠しておいた方がいいかな?」

「カコさんはどうしたい?」

「ちょっと、不安かな……」


 カコさんが心配するのも当然だ。

 霧島キラリさんのように、人気配信者としての僕に近寄ってくる人はこれからも増えるだろう。

 今は佑が防いでくれているけど、それも完全じゃない。


 カコさんと僕が仲良くしていることで、やっかむ人も出てくるだろう。

 陰口を叩かれたり、場合によっては、その身に危険が及ぶこともあり得る。


「二人だけの秘密にしよっか」

「うん。ありがと」

「なにか嫌なことがあったり、危害があったりしたら、すぐに教えてね」


 安心させるように、自信を持って告げる。


「そのときは僕が守るから。僕はヒーローだから」

「ひでお君……」

「まあ、佑を頼るかもしれないけどね」


 言ってはみたものの、恥ずかしくなってしまい、照れ隠しに佑の名前を出す。


「大丈夫。ひでお君がヒーローだって、誰よりも知っているから……」

「うん」


 本気で信頼してくれているんだって伝わってくる。

 温かい空気が心地よい。


「でもさ、実際、どうすればいいんだろ?」


 二人の関係性を隠す以上、あまり目立った行動は取れない。

 ちょっとした会話を増やすとか、DMでやり取りするとか。

 恋愛初心者で、女性に免疫がない僕には、少し難しすぎる。


 僕の問いかけに、カコさんは目を伏せる。

 困らせちゃったかな?

 やっぱり、男である僕が引っ張った方がいいのかな?


 沈黙の後、カコさんは大きく息を吸い、顔を上げる。


「お休みの日に一緒に遊びに行かない?」


 震える声が伝わってきた。

 カコさんにとっては、一大決心だったのだろう。

 不安に揺れる目が僕を見る。


「それって……」


 デートだよね――恥ずかしくってその言葉を僕は呑み込んだ。

 彼女が思い切ってくれたんだ。

 だから、次は僕の番だ。


「うん。土曜日はどうかな?」

「大丈夫!」


 即答され、思わず頬が緩む。

 週末は長時間ダンジョンに潜れる。

 配信者としては貴重な時間だが、カコさんと過ごす時間もそれと同じくらいに思える。


 ただ、ひとつ問題が……。


「具体的には……どうしよっか?」

「えっと……」


 カコさんもその先までは考えていなかったようだ。

 二人の経験値のなさが露呈してしまった。


「まだ、時間あるし、DMで相談しよう」

「うっ、うん、そうだね」


 今はこれくらいが限界だ。

 デートの約束を取り付けたところで、僕はアイディアを思いついた。


「カコさん、今日はこの後、予定ある?」

「ううん。ひでお君と話すことだけしか考えていなかったから……」

「よかったら、一緒にダンジョンに潜らない?」



次回――『上野毛ダンジョン(4)』


ラブコメパート難しい(´・ω・`)


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本作品を一人でも多くの方に読んで頂きたいですので、ご協力いただければ幸いですm(_ _)m




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9月12日、飯島しんごう先生によるコミックス1巻発売!

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