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016 神保町ダンジョン(1)




 ――金曜日の夕方。


 地下鉄神保町駅を出て、御茶ノ水駅に向かって坂を登っていく。

 通りの中腹、左手には某私立大学の跡地。

 神保町ダンジョンはそこにある。

 僕はダンジョンに入り、配信を開始する。


「皆さん、こんばんは。ひでおです。今日は神保町ダンジョンから配信をお届けします」


”待ってたー”

”ひでおー”

”今日も楽しませてくれ”


「さっそくですが、今日は走りながら配信します。画面がブレるかもしれませんので、ご注意ください」


”はや!”

”ジェットコースターみたい”

”でも、全然ブレてねえw”

”体幹よすぎるんだな”


「本来のダンジョンヒーローの仕事といえば、ピンチに陥っている探索者を救助することなのですが、そう簡単に困っている人を見つけられないですよね」


”たしかに”

”そりゃそうだ”

”もしそうだったら、ダンジョンやばすぎる”

”いくらヒーローでも助ける相手がいないと活躍できないもんな”


「この問題に関しては、近いうちに友人が解決してくれるそうです」


”友人www”

”なにもんだ?”

”話聞いてると、友人も色々おかしい”

”どうする気なんだろ”


「なので、今日は違うことに挑戦したいと思います」


”わくわく”

”なにしてくれるんだろ”

”ひでおなら、なにしても面白い”

”だな”


「なぜ、神保町ダンジョンかといいますと、ちゃんとした理由があります」


”あっ、そうか!”

”わかった!”

”なになに?”

”アレだよ、アレ”

”↑絶対わかってないだろww”


「えーと、コメント欄でも知っている人がいるようですが、神保町ダンジョンで第2金曜日といえば――狩りの季節ハンティング・シーズンです」


”???”

”聞いたことない”

”にわか乙”


「念のために、説明しておきますと、この日にはダンジョン下層から大量のモンスターが発生するんです」


”ふむふむ”

”やばくない?”

”ひでおがいれば、まったく問題ない”

”結構有名だぞ”


「これが上の方まで上がってくると大惨事になるので、毎月、上級探索者が共闘して倒すのですが――」


”共闘か”

”なんか凄そう”

”毎月起こってるんでしょ?”

”ひでおが行かなくてもよくね?”

”まあ、それでも、楽しそうだけど”


「今日は人が足りていません。というのも――」


”えっ!?”

”はっ!?”

”大丈夫か?”

”だから、ひでおがいれば問題ないって”

”まあ、そうだろうな”


「先日、発生したばかりの生田ダンジョンに多くの探索者が向かっているからです」


”ああ、そういうこと”

”なになに?”

”新ダンジョンは宝の山だからな”

”素材取り放題だからね”

”ひでおチャンネルはダンジョン詳しくない人も多いから、知らなくてもしゃーない”


「なので、僕にダンジョン協会から依頼がありました」


”協会じきじきw”

”協会もすでに認めてるw”

”協会公認ダンジョンヒーローwww”


「協会の話では、僕の他に参加するのは2パーティーらしいです」


”普段は5パーティーくらい参加する”

”大丈夫か?”

”どこだろ?”


「出現するモンスターはスケルトンが100体前後。それを率いるスケルトンリーダーが1体だそうです」


”多いな”

”リザードマン10体を瞬殺したダンジョンヒーローなら余裕”

”でも、下層モンスターだろ?”

”どれくらい強いの?”


「スケルトンのHPは1,500」


”数字で言われてもわからん”

”スケルトンはオーガより強くて、ミノタウロスより弱いくらい”

”なら余裕か?”

”余裕だろ”


「スケルトンリーダーのHPは5,000だそうです」


”リザードマンより弱いじゃん”

”普通なら、十分強い”

”リザードマン10体を瞬殺したヒーローが異常”


「たぶん、被害は出ないと思いますので、ご安心ください」


”この安心感w”

”戦いは始まる前に終わってるw”

”ひでおならドラゴンでも楽勝な気がする”


「いえ、さすがにドラゴンは苦戦しますよ」


”倒したんかい!”

”ソロでドラゴン討伐とか……”

”最強だろ”


「さて、そろそろ、目的地に到着です」


”速っ!”

”30分……”

”目黒ダンジョン30分も本当だったんだな”

”本当に走っただけでここまで来たwww”

”途中モンスターいた?”

”画面の端っこに一瞬だけ映ったけど、次の瞬間には消えてたw”


「あ、他の探索者はもう集まってますね。一度、配信を音声だけに切り替えます」


”そういうもんなの?”

”ああ、基本、他の探索者は映さないのがマナー”

”ひでおはマナーもちゃんとしてるんだよな”


「こんばんは。ダンジョン協会からの依頼でやって来ました。田中ひでおと申します。今日はよろしくお願いします」

「あ? なんだテメェ」


”いきなり噛みつかれたww”

”狂犬かな?”

”これは波乱の予感w”



金曜日まで飛ばしましたが、その間もダンジョン配信やってました。

おかげさまでチャンネル登録者数20万人突破!


次回――『神保町ダンジョン(2)』


楽しんでいただけましたら、ブックマーク、★評価お願いしますm(_ _)m

本作品を一人でも多くの方に読んで頂きたいですので、ご協力いただければ幸いですm(_ _)m


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9月12日、飯島しんごう先生によるコミックス1巻発売!

1巻
― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公に魅力があるのがいいし、俺tueeしてないのもいい あと、ダンジョンとラーメン二郎に深い関係が…?
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