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012 目黒ダンジョン配信(3)



「お待たせしました。ようやく、ダンジョンヒーローの出番です」


”うおおおおお”

”待ってた!”

”キター”

”キター”

”わくわく”


「やっと現れてくれました。リザードマンです」


”リザードマンって強いの?”

”ミノタウロスよりずっと強い”

”下層の中だと最上位?”

”そこまでではないけど、間違いなく上位”

”虫や爬虫類系のモンスターは無理”


「しかも、ちょうど良いですね。10体います」


”ファッ!?”

”10体!?!?”

”逃げて~~~”

”さすがにひでおでも無理だろwww”


「1体だけだと手応えないのですが、これならそれなりに見所のある戦い方ができると思います」


”!?!?!?”

”平常運転www”

”すこしは動揺しろw”

”やっぱりひでおw”


「ヤバいです。3人の子どもたちが襲われかけています。急いで助けます」


”子ども?”

”こんなところに?”

”えっ? どういうこと?”

”俺には見えん”

”俺も”

”俺も”


「悪しきモンスターから探索者を救うダンジョンヒーロー、ここに見参ッ!」


”おおお、変身キター”

”決めポーズw”

”いきなりコスチュームに変わったな”

”どういう仕組み?”


「幼子を脅かす、悪のモンスターよ。そこまでだ。ダンジョンヒーローが現れたからには、これ以上の悪事は許さんッ!」


”決め台詞だ”

”ひでおのときと別人w”

”声まで変わってるw”

”変わりすぎwww”


 俺に気がついたリザードマンがこちらを向く。

 そのうちの3体が俺に向かって来た。


「ヒーローパアアアアンチィィィ!!!」

「ヒーローパアアアアンチィィィ!!!」

「ヒーローパアアアアンチィィィ!!!」


 連続パンチでリザードマンの頭を破裂させる。


”うおぉ”

”グロ”

”画面青くなった”

”リザードマンの血だな”


 あっ、しまった。飛び散った青い血のせいで、配信端末に上手く映らなかったかもしれない。

 気をつけないとな。


”ワンパンw”

”3体同時ww”

”一瞬だった”


 別の戦い方は――。


「ヒーローキィィィィィクッッッ!!!」

「ヒーローキィィィィィクッッッ!!!」

「ヒーローキィィィィィクッッッ!!!」

「ヒーローキィィィィィクッッッ!!!」

「ヒーローキィィィィィクッッッ!!!」


 リザードマンの間を駆け抜けながら、ヤツらの胴体を蹴り飛ばす。

 内臓が飛び散らないようにするのに、ひと手間かかったが、成功だ。

 蹴っ飛ばされたリザードマンは壁に衝突して絶命する。



 前蹴り、後ろ蹴り、回し蹴りの連続攻撃だったので、見栄えのいいシーンが撮れたはず。

 さて、残り2体。どうやって倒そうか。


”連続技w”

”足がブレた”

”足が8本”

”タコかwww”


 リザードマンが後ろに下がる。

 俺を恐れたのか、いや、子どもたちを人質に取るつもりだな。


「そうはさせんっッ!」


 俺はダッシュして駆け寄り、リザードマンの頭を鷲づかみにする。

 右手で一体。左手で一体。


「ヒーロージャイアントスイングゥゥゥ!!!」


”ジャイアントスイングって足持つやつだよな?”

”なんで頭www”

”ひでお流w”


 頭を掴んで俺はその場でグルグルと回転する。

 ヘリコプターのプロペラみたいに、リザードマンは水平にクルクルと回る。

 十分に勢いがついたところで――。


「とりゃあああああ!!!」


 手を離すと、リザードマンは反対方向に飛んで行き、壁にぶつかる。

 さっきより威力が高かったので、リザードマンはミンチになって爆散した。


”飛んでったw”

”跡形も残ってねえw”

”さすがダンジョンヒーロー!”

”強すぎだろwww”


 俺はリザードマンに目もくれず、部屋の隅に向かう。


「大丈夫か?」


”なんか言ってる?”

”どういうこと?”

”さっき言ってた子ども?”

”いる?”

”いない”


「そうか、良かった。もう大丈夫だ。ダンジョンヒーローが来たから、なんの心配もいらない」


 僕は変身を解除し、ひでおに戻る。


「とまあ、こんな感じでした。子どもたちを助けられて良かったです」


”???”

”???”

”???”


「ああ、説明し忘れてました。子どもたちはいません。そういう設定にするとテンションがあがるので、いつもこうしてます」


”イマジナリーチルドレンw”

”よかった。バカには見えない子どもかと思ったw”

”安心”


「どうでしたか? ダンジョンヒーローの戦い振り、満足していただけたでしょうか?」


”いろんな意味で凄かった”

”無茶苦茶楽しかった”

”あっという間だったな”


「そろそろ、配信を終わりたいと思います」


”おつおつ”

”乙ー”

”楽しかった”

”次も期待してる!”


「皆様、おつき合いありがとうございました。今日の配信はこれでお終いにします。お楽しみいただけましたら、高評価、チャンネル登録お願いします」


《ダンジョン素材》リザードマンの革

高級ブランド製品にも使われたり、防具に使われたり。


チャンネル登録者数15万人突破!

ダンジョン配信中のコメント量ってこれくらいでどうですか?


ダンジョンヒーローが使った技って実際にあるのかな?

名前を知っている人がいたら教えてください。



次回――『掲示板回2:ダンジョンヒーローひでお総合スレ』


楽しんでいただけましたら、ブックマーク、★評価お願いしますm(_ _)m

本作品を一人でも多くの方に読んで頂きたいですので、ご協力いただければ幸いですm(_ _)m


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9月12日、飯島しんごう先生によるコミックス1巻発売!

1巻
― 新着の感想 ―
[良い点] 公園でチミッ子たちがイマジナリーヴィランと戦うのはよく見ますけど、人質のイマジナリーチルドレンは初めてです!斬新! [気になる点] 悪の組織の基地(ダンジョン内のモンスターハウス)にダンジ…
[良い点] こんばんは。 映像で足がブレた様にしか見えない蹴り……普通の人が見たら無影脚(実在した武術の達人の黄さんの方ではなく、『蒼○の拳』の張大炎が使う方の無影脚)にしか見えないでしょうな。
[良い点] テンション上げるためのイマジナリーリルドレンに笑いをこらえ切れなかった。
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