番外編 シチュー?
「そういえば、この世界に来てから飯食ってないな。」
ギルドの2階は食堂になっている。
一階のギルドの奥にある階段を登り、未知の領域に足を踏み入れる。
バーと併設されているだけあって中は静かだ。皆、酒や食事を楽しんでいる。
「ご注文は何にしますかー?」
席に着くと若いお兄さんに注文を聞かれる。
「一番良いのを頼む。」
「あじゃーす。」
なんか軽いな。
暫くすると、店員が木のボウルに入った『何か』とスプーンを持ってきた。
その中は少し白濁色で、
中に皮の付いたままの野菜が煮えていた。
「何これ…イギリス?」
「これを作ったのは誰だ!」
そう叫ぶと、奥から初老の爺さんが出てくる。
「私ですが。」
「私を厨房に入れてみろ。最高の料理を食わせてやる。」
「別に良いですよ。どうぞ。こちらです。」
爺さんに案内され、厨房に入る。
野菜や調味料?が棚に無造作に陳列されている。樽も何個かある。
樽の中には牛乳などが入っているようだ。
「ここにある食材は好きに使って良いのか?」
「良いですよ」
意外とあっさりと承諾を得たので
野菜と肉を適当に切り、鍋で炒める。暫くしたら牛乳を入れ、煮込む。
「何を作っているんですか?」
「秘密です。」
少し会話を交わし、また鍋を見つめる。
少しくつくつ煮えてきたので、塩で味を整え、容器に移す。
「爺さん、食べてみてよ。」
ぱくり。
「これは…まずい!」
「えーっと。皮を剥いでなかったからまだ美味しくなると思ったんだがなぁ。
カップラーメンしか作らなかったからな。」
その後、爺さんに金貨を払って店を後にした。
「もうこっちで飯を食うのはやめよう…」