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「ミレノア!!ミレノア!!大丈夫か!!生きてるか!!」


アレフは必死でミレノアの手を握った。手首に手をやり脈をはかった。


ドクンドクンとアレフの指先にミレノアの鼓動が振動する。


「……おじさん……うるさいよ」

「ミレノア!!」


ミレノアが顔を上げた。顔色もさっきまでの青白さはなく、健康的な肌色に戻っている。


「おじさんの魔力……すごいね。なんだろう、今まで味わったことのない魔力……。真っ黒な部分と信じられないくらい温かい部分と。おじさんの中身覗いちゃったみたいで恥ずかしい」

「なんだ?お前はそんなことも出来るのか?魔力に味なんかあるのか?どういうことだ?」

「いや、ちょっと状況考えて。モンスターオタクなのはなんとなく分かってるけど今はデビルスなんとかしないと」

「……すまん」


ここに来てアレフのダンジョンオタクな面が出てしまった。


「……おいおい。なんだよ。その魔力。お前本当にアレフなのか?」


デビルスは一連の光景がまだ信じられないようである。


それもそのはずで、ただの捨て駒だった思っていたアレフにあれだけの魔力があることはアレフ自身も信じることができていなかった。


「確かにそうだ。とりあえずミレノア!お前はここから早く逃げるんだ。お前はとても強いがデビルスの奴に勝つのは難しそうだ。なんとか6人集めて俺をここから出してくれ」

「そしたら、その間におじさんが……」

「俺のことは大丈夫だ。岩に潰されて10年間生きてたんだ。デビルス程度の攻撃で死ぬことはない」

「そんな……私は嫌だよ!死ななくてもおじさんにダメージが与えられるの耐えられない!」


ミレノアは頑なにアレフの提案を飲もうとはしなかった。


無関係の人間を巻き込むことを嫌う優しいミレノアは所属に戻り他の仲間をここに連れてくることを嫌がったのだ。


これ以上無関係な人を、自分が好き好んで行っていた狩猟行為で巻き込みたくなかったのだ。


と言っても、配給の少ない現状、ミレノアの狩猟がないとミレノアの家族友人は生きていくことは困難なためしょうがない行動でもあるのだが。


「……大丈夫だ。アレフのやつはあそこに閉じ込められている。確かあの宝物庫は6人いないと開かない。アレフの奴は後でいい。まずはミレノアだ」


アレフの莫大な魔力を目の当たりにし冷静さを失っていたデビルスであったが、少しの時間で正気に戻った。


さすがは騎士団長クラスだと言えるだろう。


「じゃあ、どうするんだ?お前このまま戦ってもジリ貧で負けるだけだぞ!俺をここから出すことを最優先にしてくれないか?そしたら」

「大丈夫!おじさん、私今、すっごい調子がいいの!だからね、今なら勝てそうな気がするの!」


そう言って、ミレノアは立ち上がり魔法を唱えた。


【植物魔法 ファクトコピー】


ミレノアが唱えたのは先ほどと同じミレノアが増える魔法。


瞬く間にミレノアの数が、、1、、2、、3と増えていく。


「おじさん、私のこの植物魔法はね。私しか使えないの。何故だか分からないけどね」

「分身の魔法なんて誰でも使えたような……」

「普通の分身じゃないの。私のは【実体】なの」


目の前のミレノアが6人になった。


「やっぱり!すごいわ!最高記録!私のこの分身魔法は実体を分散させるから魔力がとってもいるの!だから、最高4人までしかできなかったけど、おじさんの魔力のおかげで簡単に6人になれちゃった!」

「……え?6人?」

「……あ。6人だ」


その瞬間だった。


アレフの目の前の鉄柵が、上に勢いよくあがっていった。








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