504:波打ち際のお母さんは好きですか?
波打ち際。
「まだまだ撃てるぞ、そうら星光乱舞!」
馬鹿の一つ覚えか。でも実際みんな避けられてない。じわじわと削られている。
「やけに死なんな。いつ死んでも構わんつもりで撃ってるんだが」
当たり前だ。私が精霊たちにガードさせてるんだから。とはいえ神の御業らしく全てのダメージを消し去るなんて出来ない。ドライアド、まだ?
「もうちょい.......よし、空いた!」
「ありがとドライアド! 行ってくる!」
「私の分までぶん殴っといて」
空間に出来た亀裂に迷わず飛び込んだ。罠な訳ないし、罠であったとしてもみんなを助ける為には時間が無い。
「むっ、避けろ弟者!」
「どうした兄者.......うおっ!」
私の出てきて直ぐにライダーキックは外したらしい。
「真打登場だよ」
「何を神が一人や二人増えた程度で.......」
「ま、まて、弟者」
「どうした兄者、何故止める」
「ま、まさかお主、ハイエルフか?」
「そうだけど?」
なんかコイオスの様子がおかしいんだけど.......
「帰るぞ、弟者。あんな化物相手していられるか!」
「どうしてだよ兄者! 今更あの暗い地の底に帰れってのか?」
「単なるハイエルフなら何も言わん。二人がかりなら倒せるだろう」
「そうだよ、俺たち兄弟は無敵だ」
「そして並の神剣の一本や二本くらいならへし折ってみせよう」
神剣? ああ、私の中にあるレーヴァテインかな? 剣よ来い!とか言ったら具現化する.......出来ちゃったかー。でもこの剣でかい割に重さを感じないな。
「兄者、あ、あれ、もしかして」
「ああ、もしかせんでもレーヴァテインだな。ハイエルフの手にレーヴァテインが起動状態であるんだぞ!」
えーと、この剣そんなに大層なものなの? だってこんなに振り回せるくらい軽くて.......
ぶぅん。ゴパァ、ドドドドドド.......
コイオスとグレイオスの足元の大地が割れた?!
「うおおおおおおお、すまんかった。お主らにした事は謝るし、傷も治す。俺たちはコキュートスに帰る。だから世界を滅ぼすのはやめてくれ.......」
失礼な。私が世界滅ぼす訳が無いでしょう。まあみんなを治療するならそれはそれで良いんだけど。
「レアー! 見てるんだろう。頼む、出て来てくれ!」
「兄様たち、何やってんですか」
「見ていてくれたか。この子たちを」
「はいはい、分かってますよ。大地よ癒しを」
ものすごい力が集まってみんなの身体を包み込んだ。嫌な感じはしないから回復してくれているんだろう。なんかどことなくふんわりした人だ。美人だなー。
「は、母上!?」
「お母様!?」
は? ゼウスとヘラ様のお母様?!
「二人とも元気そうね。いえ、いつも見てますけど」
「母上、見ていたら止めてください。母上のご兄弟たちなんですから」
「発端がゼウスですからね。止めるのも野暮かと。元はと言えば、あなたがヘラちゃんを裏切って浮気したから」
「はい、すいません」
あのウザイ勘違いナンパ野郎なゼウスがしゅんとしてる。本当にお母様なんだ。やっぱり母親って最高だね!
「ヘラちゃん」
「はい、お母様」
「よく他の人に産ませた子を受け入れましたね。偉いです」
「あ、いえ、澪は可愛いですから」
「お義母様.......」
澪ちゃん、ボロボロ泣いてる。愛されてるねえ。
「試練はもういいんでしょ。彼女を神にしてあげなさい」
「はい、お母様」




