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快適なエルフ生活の過ごし方  作者: ぺるがもん
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1195:澪ちゃんとハル

続けて書こうと思ったけど本題は次に回します。

 次に向かったのは澪ちゃんのところ。師走親子と悟君が一緒に居る。おやおや珍しい組み合わせもあるものだ。と思ったら何か様子がおかしい。


「いいですか? 出来ないと思ったらそれ以上やらない方がいいです。あと、自分での創意工夫は必要ありません」

「ありません!」


 悟君が三人を相手に説教している。真那さんと澪ちゃんが項垂れて聞いてる。今日香ちゃんは目をキラキラさせてる。明日香ちゃんは悟君の隣に並んで真似をしている。何あれ、可愛い。


 しかし、出来ないと思ったら諦めろだの、創意工夫は必要ないだの、ちょっと問題解決の意識が薄いんじゃないかな? 時にはチャレンジしてみるのも大事だと思うんだよね。ほら、〇西先生だって最後まで希望を捨てちゃいかん、諦めたらそこで試合終了ですよって言ってたし。


 よし、ここは人生の先輩たる私が(真那さんよりは後輩だけど)一つそんな事は無いと……


「それが分からないなら台所に立っちゃいけません!」

「いけません!」


 あ、はい。そうですね。その通りだと思います。確かに創意工夫も無理も要らないし、希望を捨てることも大事だわ。ってなんで悟君が説教してんの?


「あの悟君とかいう少年が料理を感心してたから料理作れるのかって澪ちゃんが聞いて、是非教えてくださいって頼み込んでたよ。あと、それで真那さん?だっけか。彼女も母親として料理覚えたいって言い出したんだよね」

「なるほど、で、卯月さんは習わないんですか?」

「いや、料理は一応一通りできるよ? そんな事する暇あったら原稿やれって翠ちゃんが世話焼くだけで」


 よくよく聞くと、卯月さんは家事全般出来る人なんだそうだ。達人とか名人とかじゃないらしいけど。


「一人暮らし長いからね。まあ今は料理どころか掃除や洗濯もやろうとすると翠ちゃんが怒るんだよね」


 皐月さん、依存させる気満々じゃん。でもまあ気持ちは少しだけわかる。ハルとか私の家事に依存してるもんね。


「澪、こっちこっち」

「澪ちゃん、ちょっと一緒に良いかな?」

「楓? お姉様?」


 手招きして呼び寄せる。悟君は今日香ちゃんとごゆっくり。


 最後はハル。彼女はここに居ない。部屋に戻ってしまった。ご飯とか取ってあげたから食べてはいたし、足りなくなったら降りてくるみたいだけと、自分以外の人が騒ぐのって苦手だからなあ、ハルは。


 みんなを連れてエレベーターに乗る。階数表示がハルの部屋のフロアで降りて合鍵で鍵を開ける。ハルが居ない時でも掃除とかしてるからもう慣れた手順だ。


「あれー? ひとみん?」

「お姉様だけではありませんわ」

「あー、みんなも一緒なんだー。えーと、これはー? 私を迎えに来たのー?」

「それもあるけどみんなに話があって私が集めたんだ。他の人に聞かれるのもどうかと思うからここで話そうと思って」

「……わかったー。リビングで話そー」


 みんなを連れてリビングに向かう。ハルはスウェットからまともな服に着替えていつでも下に降りれる様にしてくれた。私たちと一緒なら下に行く気はあるらしい。


「みんなとの共同生活、そして今回の襲撃、みんなには色々迷惑掛けたと思う。本当にごめん、そしてありがとう」


 私は素直な気持ちを述べる事にした。それが、私の精一杯の誠意。命を懸けて私を守ろうとしてくれたみんなへの。いや、負い目とか感じてるのかもしれないが、私の胸の内は話しておかねばなるまい。

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