1170:たいへんだ へんたいだ
完全体ニア()
積もる話もあるとかで全員でウチに移動することになりました。メディシンマンとかパワーマッスルとかは報告しないといけないという事で一足先に帰国だそうだ。いや、責任者あんたやないんかい。
「ふむ、このショートケーキは美味しいわね」
「ちょっとひとみ? なんで私のお皿のショートケーキはいちご一個しかないのよ!」
「ショートケーキならばいちごはひとつに決まっておろうに。二つ以上なぞ単なる邪魔ではないか」
「あらぁ、女王? そんなに欲しかったらぁ、私の分をあげるわよぉ。ただし、く・ち・う・つ・し」
なかなかにカオスである。なお、ショートケーキは私が焼きました。ひとり八分の一じゃ足らなそうだな。仕方ない、もうひとつ焼いといたのを出すか。
ハルたちもショートケーキ食べてる。あまりお腹は減ってないけど私が作ったのなら食べるんだと。そんなに無理しなくても良いのよ?
ブランちゃんと晶龍君はバハムートさんと今後のことについての懇親会だそうな。それ、保護者交えないとダメじゃない?
「しかし、魔女のあんたがあんなアメリカなんていうおよそ魔法と縁のなさそうな国に行ったもんよね」
「仕方ないじゃない。魔女狩りから逃れるにはそういう場所の方が良いのよ。移民ばっかり居たからあまり詮索されなかったしね」
「して、女帝よ。お主はなんでアメリカなんぞに?」
「そりゃあねぇ、人口多くて経済的にも自由な国って言ったらぁ」
「インドで良いではないか」
「あそこは舎脂さんに迷惑掛けちゃうからねぇ。それにどっちかって言うとバトルみたいな脳筋も多かったしぃ」
あら、舎脂さんは「さん付け」なんだ。舎脂さんの名前を聞いて楓ちゃんが反応した。
「あ、舎脂姐さんのお知り合いなんですか?」
「あんたは……ああ、鬼の娘ねぇ」
「はい、四天王、持国天やってます」
「は?」
一瞬真顔になったモーガンさん。驚いてる驚いてる。狙ってやった訳じゃないけど。
「あー、なるほどねぇ。単なる鬼じゃなかったかぁ。そりゃあ負けても仕方ないわねぇ」
「負けて仕方ないとか言わないでよ」
「まぁ? 私は勝ったしぃ」
「ぐぬぬ」
悔しそうに臍を噛むレミーさん。
「ちょっと! 私に後始末押し付けといてみんなはケーキ食べてるとか酷すぎません?!」
あ、ヴィヴィアンさんだ。誰か忘れてると思ったらヴィヴィアンさんだったか。というか後始末ご苦労様です。でもあそこ単なる廃工場だから特に誤魔化さなくても良かったのでは?
「あんな馬鹿みたいな技放ったら地脈が乱れるに決まってるじゃないですか! 修正するのにどんだけ時間かかったとおもってんですか!」
結論。だいたいニアが悪い。というかニアのあの変身ってなんなの? しかも混沌が這い寄る様な形状してたし。
「あれ? まあぶっちゃけて言うと虚仮威し」
「え? じゃあ変身のくだりはフェイク?」
「なんか隠してるって思わせた方が攻撃が単調になるかなって」
ニアは考えて戦ってたみたいだ。どうやら騙しは上手かった様だけど、そんなんで騙されるかな?
「実際変身できるからのう、ニアは」
「まあねー」
変身出来るの? 出来るけどしなかったって事?
「私の変身は完全変態形式だから一度サナギになって羽化する必要があるのよね」
完全変態ねえ。まあニアは少し変態のけはありそうだけど。
「そこ! その変態じゃないわ!」
なぜバレたし。




