1164:夢魔の女帝
シャドウブレイドもソウルフィストもダークネスイリュージョンも使いません。
「さあ、次はあなたよ。よろしく頼むわね」
「ええー、相手オトコ居ないじゃない。つまんなぁい」
「勝ったらハーレムにでも何でも案内してやるわよ」
「あ、ほんと? ラッキィ」
そしてそいつ、いや、彼女は華麗に降り立った。際どいレオタードの様なドレス。背中に生えている羽根。
「……まさかお主が出てくるとはのう、女帝」
「あらぁ、宵闇じゃなぁい。久しぶりねぇ。というかバンパイアハンターに狙われてたのに生きてたのぉ」
「お陰様でな。しかしお主が魔女と組むとはな」
「ほら、利害の一致ってやつぅ? オトコ紹介してくれるって言うからさぁ」
ん? あれ? なんかロニさんと知り合いなの?
「あれも魔法使いの一人だよ。夢魔の女帝モーガン。男を堕落させることに掛けてはピカイチの悪女よ」
「ニアの同類?」
「私はイタズラで惑わすだけ! 堕落とかさせないから!」
それもどうかと思うけど。
「あらチビの女王も居るのねぇ」
「うっさい色情狂」
「あらぁ冷たいのねぇ」
「あんたがオベロンに手ぇ出した時から敵認定してんのよ!」
「ちょぉっとからかってぇ、ちょぉっと魔力貰っただけじゃなぁい」
「ミッドサマーイブに扉を開く魔力まで根こそぎ持っていきやがったじゃない! 私がどんだけ苦労したと思ってんのよ!」
どうやら過去に色々あったらしい。これはニアが出る?
「私が出てコテンパンにしてもいいけど、出たがってる人が居るからね」
「はいはーい、私が出るよー」
ハル? え? ハルが出るの? 大丈夫? ロニさんにボロボロにされてるハルで大丈夫?
「ひとみーん、さすがにそんな事言われたら凹むよー。大丈夫だって。ちゃーんと勝ってきまーす」
そう言うとハルは舞台へと降り立った。
「あらぁ、あなたが御相手?」
「八人目の魔法使い、如月ハルといいまーす」
「へぇ、増えたんだぁ。女王の関係?いや、違うわねぇ、魔力の波動からしたら宵闇の方かなぁ?」
「そうですねー。まあやってみれば分かりますよー」
そして始めの合図でハルが突っ込んだ。肉弾戦かな? ああ見えて身体能力高いからね。まあ真祖の力もあるんだろうけど。
「あらぁ、怖いわねぇ」
モーガンは小さく後ろにステップするとあれ?姿がぼやける……
「もらったー、てい!」
イマイチ緊張感に欠けたような声だったが、威力は十分。だけど……そこ、大分手前よ?
「はぁい、はっずれー」
くすくす笑ってるモーガン。もしかしてハルにはあそこに居るように見えてるの?
「むう、あれはミラーイメージ」
「知ってるのか、ニア!」
「かつて師に聞いたことがある」
お前の師って誰だよ。主神クラスでも同僚みたいなツラしてんのに。
「サキュバス族は人に幻覚をみせて操る術に長けており、特に戦闘ともなれば自分の虚像を幾つも作って翻弄すると。ハルには無数のモーガンの姿が見えて居るのだろう」
ミ〇メイ書房かな? いや、それどころじゃない。という事は本体がどこにいるか分からないと攻撃のしようがないって事? なんかハルには不利な感じ。
「あのさ、もしニアが相手ならどうすんの?」
「え? 幻覚操るのは私も同じだからね。だからどっちもお互いの技が通じないんだよね」
そういうオチですか。まあ納得ではあるけど。あ、ロニはどうするのかって聞いたらハルにも同じ方法教えてあるって。反撃開始だね!




