1162:葵たちは空中戦じゃ分が悪過ぎるでしょ
あ、一番好きなのはイルミネの真乃ちゃんです。
「これで二敗……これ以上負ける訳にはいかないわね。バハムート、あなたが行きなさい」
「人遣い、いや、龍遣いの荒い奴よ」
「私に逆らう気?」
「いや、そんな気はない。蹴散らして来よう」
杖をついたじいさんが出て来た。バハムート……なんか聞いたことがあるんだけど。
「龍ですか……なら、私に行かせてください」
「葵さん……分かりました。お任せします」
「そこはもっと砕けて、任せたわ、葵ちゃん、くらいで」
「どさくさに紛れてちゃん付けさせようとしてる!?」
ま、まあ、葵さんって呼ぶのが慣れちゃったのでちゃんは意識しなくちゃ呼べそうにないんだけど。勝ったら考えるって事で。
「では行くぞ」
葵さんが出るなりじいさんの身体が膨れ上がった。えっ、デカいデカい! なんなの、これ!?
「この姿になるのも久々じゃのう」
大気を震わす様な声が響いた。でかぁい、説明不要!とはならない。その姿は本当に龍。ただ、デカい。フレースヴェルグとかニーズヘッグと比べてもデカいのです。葵さん、こんなのとバトルするの?
「龍人、文月葵。参ります」
「龍人か。なるほど、道理で懐かしい臭いがするものよ」
ちょっと、葵さんはそんなに臭くないわよ。むしろいい匂い……あ、そういうのじゃない? うん、知ってた。
「積もる話は戦った後でも」
「もとより」
二人の姿が地上から消えた。えっ、どこ!? あっ、上かっ!
「ついてこいよ小娘」
「負けません!」
上空で激しい光がぶつかりあった。大丈夫。葵さんの防御力は凄まじいから、きっと大丈夫。
バハムートのじいさんは巨体のくせにそれなりのスピードで空を自由に飛び回る。対する葵さんも空は飛べるけどあまり自由自在では無いみたい。分が悪過ぎる。もっと空飛んでた方が良かったのかな?
「飛ぶのに慣れておらんようだな」
「ええ、日常生活じゃ使わないもの」
「ふむ、それもそうであろうな。我とて空を飛びづらくなってこっちに逃れて来たのだからな」
昨今の航空事情により、空はドラゴンたちのナワバリでは無くなった。そりゃあ戦闘機などの航空機械の発達で空まで人類が進出して来たんだもん。ん? でもアメリカって空軍力もトップガン……もといトップよね? それだと余計に飛びにくくない?
「北米の空についてはアメリカ軍との話はついている。その見返りとしての協力ではあるがな」
「それも大変ですね」
「それに……まあ良い。話しても仕方の無いことだ」
「では、私も本気でいきます! ハイドロプレッシャー!」
葵さんが水を操って攻撃。あれだけの水をどこから……そうか、雲だね。
「これは面白い。では、我も本気で迎え撃とうかの」
バハムートが口を開く。その口の中にエネルギーが溜まっていくのがわかる。純粋なる破壊のエネルギー。
「喰らえ、カタストロフ・カノン!」
口開けたままどうやって喋ってるんだろう? とか言ってないで! このままだと葵さんが危ない!
「くっ、アクエリアスウォール!」
大容量の水の盾を出して咄嗟の防御。しかし、カタストロフ・カノンの威力に押されて葵さん自身は吹っ飛ばされた。怪我とかは……無いみたい。良かったわ。
「あれを耐えるか……ならば次は我の最強の技にて葬ってやるとしよう!」
え、ちょっと、まだ隠し玉あるの? それはあんまりじゃない?




