1161:幼い少女じゃないよ?
なんでFG〇にかかるとなんでも可愛い女の子になっちゃうんですかね?(いいぞもっとやれ)
「お肉の割には動けてるみたいね」
「当たり前だ。自分の筋肉の重さすら御せずして何のパワーよ」
「それじゃあ私もアクセルあげて行くね」
その場でトーントーンと何度かジャンプというか軽く跳ぶ楓ちゃん。何度目かの跳躍で楓ちゃんの姿が掻き消えた。
「何!?」
驚愕するパワーマッスル。キョロキョロと姿を探す。脳天への蹴りを辛うじてガード出来たのは偶然だったかそれとも反応が間に合ったか。
「あれを止められるとはね」
「ただのマグレに過ぎんよ。やれやれ、あんたの相手は骨が折れそうだ」
「次はもう一段ギアあげていくから」
「まだ速くなるってのか? 勘弁してくれ」
ニヤッと笑って再び楓ちゃんの姿が消えた。また同じ所に蹴りを……えっ、蹴りが変化した!? 側頭部を直撃する筈だった蹴りが何故か鳩尾辺りで止められていた。
「やっぱり見えてて防御してたんだ」
「ギリギリだったがな。間に合わなくなるところだったぜ」
「じゃあこっから力比べしようか」
「このパワーマッスルに力で挑むと?」
「ゴメンね、これでも力自慢なんだよ、ねっ!」
楓ちゃんの蹴りが少しずつ腹に向かって進んでいく。じわりじわりと押しているのだ。
「これは……堪らんな。ならば!」
パワーマッスルの身体が段々大きくなってくる。えっと、これは?
「オレの名はパワーマッスル。ポール・バニヤンの末裔。パワーで負ける訳にはいかん!」
そのまま押し返して楓ちゃんを吹っ飛ばした! ポール・バニヤンって伝説の巨人の木こりだっけ? ダイダラボッチみたいなもん?
「そっかあ。じゃあ仕方ない。ここからは……鬼の時間だよ」
楓ちゃんの額に角が生える。身体が赤く染っていく。鬼化? シンクロ率上がった?
「一撃で決めてやろう」
「それはこっちのセリフ。正真正銘、恨みっこなし」
「ぬおおおおおおおおおお!」
「ちぇりゃあああああああ!」
剛と剛、力と力が正面からぶつかった。拳と拳。どちらも譲らない。どちらが押し切るかみたいな話だ。
「素晴らしい。パワー全開だ!」
ああっ、パワーマッスルの身体が更に大きく……楓ちゃんが押されてる!? これはヤバいか?
「鬼姫、こっちも全開でいくよ!」
「鬼遣いが荒いのう!」
楓ちゃんの身体が真っ赤に光って轟き叫ぶ!
「爆熱! シャイニングゴッドブロー!」
「なっ、なにぃ!?」
なんか必殺技叫んでるけど、多分あれ、ノリだよね? 単なる力押しな感じするもん。楓ちゃんの拳が前に進み始めた。そのままパワーマッスルの五メートルになろうかという巨体が浮いていく。
「ちぇすとぉ!」
気合い一発、抜山蓋世。パワーマッスルは大きく地響きを立てて大の字にのびた。ピクリとも動かない。
「しょ、勝者、水無月楓!」
篠原さんが楓ちゃんの勝利を宣言するとヘナヘナと楓ちゃんがへたりこんだ。ちょっと、楓ちゃん、大丈夫?
「あはは、お腹空きました」
「帰ったらなんか作ってあげるから。ほら、カ〇リーメイト食べて」
「チョコレート味が良かったです。あ、でも美味しいです」
「そういう時はカ〇リーメイト、美味すぎる!って渋い声で言うのよ」
「……よく分からないけどやめときます」
あれ? ハルに教えてもらったんだけどなんか間違ってたかな? カ〇リーメイト食べる時の礼儀って言ってたけど。ハル?




