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35話

 話し合いから一夜開けた朝


 結局、話は煮詰まったけどギフトに関しては全く触れて貰えなかったな……

 ディアナは、ああ言ってたけど大丈夫なんだろうか?

 考えれば考える程不安な点が山の様に有るので、考えても仕方無いし素振りでもするかと外に出たのだが、建物の前で鍬や斧を持った森人達と出くわしてしまった。


「おお、兄ちゃん丁度いい所に居るな。手伝ってくれないか?ってか手伝え、働かざる者食うべからずだ。」


 ……あれ?俺って客人じゃなかったっけ?……

 ふと疑問に思いつつも長いものに巻かれる小市民な俺は、いそいそと着いて行くしかなかった。


 村の外れに連れて来られた俺の目の前には、小石の転がるそこそこの広さの荒れ地が広がっていて既に何人かの森人達が何やらしている。


「兄ちゃん悪いけどこっちの端から頼むな。」


 そう言って鍬を俺に渡すと誘って来た森人は対角の方に小走りに行ってしまった……

 ……これは耕せって事なのか?俺、呑気にこんな事してて良いのかなぁ?

 チラリと走って行った森人を見てみると一心不乱に鍬を振っているし、よくよく見ると四隅と思われる辺りに杭が打ってある、


「仕方ないなぁ……」


 小さく呟き諦めて鍬を打ち込むと、思いの外硬い手応えを感じる。


「意外と特訓になるかもしれないな」



 -----


「アイツは毎日毎日何やってる訳?私の魔力が幾らあっても足りないわ!一週間はたっぷりと特訓出来るから良いとしても……」


 私は大きな独り言を言いながらトキヨミ様の所に向かっていた。


「主と言うのも大変そうだの。」


 いきなり声が聞こえて驚いて振り返ると、幹の半分位が無くなっているエント様がそこにいる。


「儂の友、クロの主であろう?散歩か?」


 儂の友と言う言葉は昨日クロから聞いたばっかりで直ぐに分かった。


「古木様ですね。この間は助けて頂きありがとうございました。」


 私が頭を下げると古木様は目を見開き、大きく笑う


「古木か、上手い事言う。はははっ儂は皆からは落雷と呼ばれておるの。」

「落雷様ですね。ディアナと言います。改めてよろしくお願いします。所で、落雷様はここで何をなさってるんですか?」


 なかなか返事を貰えずふと上に目をやると、枝と言うか肩と言うかよく分からないけど、小さくてモコモコの動物が動き回っている。

 ……可愛い……思考が何処かに飛びそうになった頃ようやく落雷様が答えてくれた。


「儂はの、この獣から友が働いておる様子を聞いておっての、なかなか楽しいのぉ。何でも森人と開墾しとるみたいだの。」


 ……あの馬鹿、何やってんのよ……

 頭が痛くなって来た私は頭を抑えつつ、落雷様の長い永いお話に付き合う事になりそう……


 はぁトキヨミ様に聞きたい事があるのに……



 ーーーーー


 朝から森人さん達の狩りに着いて来てますが……ハヤトさん、貴方は何なんですか!

 弓矢の使い方を教わった直ぐから獲物を逃して無いです、ナダちゃんなんかは頬を赤らめて見てますし……

 居るんですね、動けるふくよかな人って。

 あたしも覚悟を決める為に、生き物を殺す覚悟をする為に斧を振りたいのに……

「はぁ……商隊の人達が来る前に覚悟を決めれるのでしょうか……」


 そうこう考えていると木の影から、走って来る大きな鳥がこっちに来ました。

 遂にあたしの出番ですね!ハヤトさんも近くに居ないし。

 ゆっくりと斧を振り上げ鳥に向かおうとした所で()()()()()()()()()()()は倒れた……


「……あたしの獲物ぉぉ!!」


 あたしの叫びが森の中に木霊した。




 ーーーーー


 森人達が弓を教えてくれたのですがこれは楽しいですね。

 今のところ百発百中って奴でしょうか?

 僕の隠された才能なのか運に全振りのお陰かは知りませんが、とにかくこれだけ当たると気持ちいい物です。


 何だか先程からフォルスたんからの熱い視線もやたらと感じる事ですし、これはキューピッドの矢ってやつですね。


「ハヤト様、鳥をあと二羽程欲しいです。」


 ふむ、ナダからリクエストが入りましたね。

 今日のご飯は鳥料理何でしょうか?

 しかし、何故このダチョウみたいな大きい鳥は飛ばないんでしょう?

 まるで矢を射ってくれと言わんばかりじゃないですか。


「ん?んん?」


 僕がちょっと目を離した隙にフォルスたんが鳥に襲われようとしています。

 いつもより少しばかり強めに弦を引き、離すと矢は猛烈な勢いで飛び出しフォルスたんを襲おうとしたまさにその時、首に綺麗に刺さりました。


 ふむ、胸を張り誇らしげにフォルスたんを見ると僕の方に走って来ています。


「あぁ、真実の愛が遂に伝わったのですね。」


 僕は目を閉じ両手を広げ、飛び込んで来る斧を振り上げたフォルスたんを待つとしましょう。







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