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34話

「一体何の為にギフトが有るのか、もしくは無いのかは置いとくとして、そもそもこの童話、魔女の拐い人は二種類あるのよ。私が聞いて育った話とトキヨミ様の話は一致したわ。けどそれ以外の話があるって言うのもトキヨミ様が言ってたのよ。」

「一致したってのは俺がディアナから聞いた方の話だよな?」


 チラリと俺を見て一度目を閉じたディアナは覚悟を決めたかの様な顔をして


「フォルスが聞いて育った、悪い魔女を退治して賢者の森に封印って話が一般的に出回ってる話らしいんだけど、私が聞いてるのは、

『大きな森に住んでいたお嬢様が賢者と呼ばれる様になって、お城に呼ばれ王様や王女様に若返りの魔法を聞かれ、無いと答えると折檻を受けるの。そして最後にはお嬢様の記憶を奪い手足を切って顔を潰した後、元いた森に捨てられるの。それから能力(ギフト)を持った人が現れて魔女に記憶と引き換えに貰ったと言う。』

 って言うお話なのよ。」


 それを聞いたフォルスは口を抑え顔を青くしている。

 ヤッパリ何回聞いても気持ちの良い話では無いよなぁ……

 今まで空気の様だったハヤトが急に話し出した。


「僕の考えですけど、フォルスたんの話が一般的と言う事は、ディアナさんの話は脚色された作り話では無いんでしょうか?ディアナさんは魔女何ですよね?だったら魔女の間ではこう広まってる的な」


 成る程、ハヤトの奴意外と頭が良いかもしれない。

 ディアナは今のハヤトの意見を聞き頷くと


「その大きな森に住んでた……一般的には悪い魔女がトキヨミ様だとしてもそう思うのかしら?」


 そのディアナの決して大きくは無い一言は俺達の間に衝撃を走らせるには十分過ぎた。


「トキヨミ様が教えてくれたのよ、けど童話との違いもあってトキヨミ様が魔女と眷族を作ったらしいのよ。」


「何でそんな事をしたんだ!」


 俺は驚きすぎて声の調節がおかしく、思うよりも大きな声が出てしまった。

 

「……大声出さないでよ。何でも、チカラを求められて契約を交わしたらしいのよ。……魔力を授ける代わりに体を集めてってね。眷族は魔女が一人で生きるには可哀想だから、トキヨミ様の死ねない呪いを分けたらしいわ。……まぁ今までの魔女が何もしなかったからトキヨミ様はあの姿なんだけど。」


 成る程、何だかややこしい事になって来たな……

 トキヨミ様が居るのは森人の森(ここ)であって賢者の森では無いし……

 と言うか、それじゃあ能力(ギフト)は一体誰が何の為に……?


「それで、私はトキヨミ様の体を集めるって約束したの。だから王都に行かなくちゃいけないのよ。」


 腕組みをして何度か頷いたフォルスは俺とディアナを見て


「何だか驚き過ぎてよく分からないけど、王都にあるんですね?トキヨミ様の体……ですよね?」


 もっともな疑問だと思う。トキヨミ様の体って言われても今一分かり辛いしなぁ。

 ちらりとディアナを見てみると何故だか口角を上げている。


「フォルス、貴女も会った事があるわよ。左腕の賢者や目の賢者よ。」


 何だと……何を言ってるんだこいつは……


「おいおい。って事はあの化け物と戦うのか?」


 青い顔のフォルスも難しい顔をしているハヤトも困惑した様子を見せている。


「何よ、別に勝てとは言ってないわ。奪ってしまえばこっちの物よ。」


 ……話さなければ本当に綺麗なのに、何だろう残念な感じが否めない。


「俺とフォルスが左腕の賢者に出会った時、アイツは左腕を盗まれて追い掛けてる途中だったんだ、仲間と間違われた時に対峙したけどあれには勝てない……ってか逃げれない。」


 思い出すだけで肌が粟立つ、あの殺気は人間とは思えなかった。


「左腕の賢者の連続展開する縮地は逃げようが無い……目の賢者は未来を見るらしいし、会った事は無いけど右腕や足それに勇者達がいる……僕達には厳しいと思う……」


 ハヤトのもっともな意見にディアナも唸るが


「手足は持ってるとしてもですよ、あの目の賢者はどうなんですか?」


 フォルスは何だか前向きな気がする、何か勝算でもあるんだろうか?


「あぁ流石はフォルスたん、目の付け所が素晴らしい!フォルスたんは何故そんなに鋭い感性をしてるのでしょうか?……ただ、あの目の賢者は埋め込んでいるらしいから盗むのは無理です。」


 今日のハヤトは真面目だと思っていたのに……やはりハヤトはハヤトだな。


「しかし埋め込んでるってどう言う事なんだ?元の目を取って代わりに入れてたりするのか?」

「目の賢者は元々の目とは別の所に埋め込んでいるらしいですよ、クロさん。まぁ場所は教えて貰ってはないですけど……」


 俺の疑問に答えてくれたハヤトだが、別の所ってどこなんだ?

 もしかしたら目が四つ有るって事なんだろうか?

 フォルスを見てみると変な想像でもしたのか目を瞑り頭を振っている。

 ディアナに至っては腕組みしたまま微動だにしない。


 この状況に俺はどうしたものかと、頭を捻っているとパンパンと手を叩く音が聞こえディアナが声を上げる。


「策はあるわ、手足を盗んで目を抉ればこっちの勝ちよ!今夜中に煮詰めるわよ。」


 あぁ女の子は目を抉るとか言っちゃ駄目だ……









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