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14話

「いやいや、賢者のおっさんに聞かされて来たものの信じてなかったんだけどなぁ。で、どっち?()()は?あれだろ、交通事故で女神様に会っていいの貰って来たんだろ。オレもそのパターンでさぁ。あの女神様すごい綺麗だったよな。ってかさ、君の横の人すごい美人だよね何?ハーレム系?さっきのロリ巨乳も?分けてよ、一人ぐらい……」


 俺もディアナも何の事だか分からず呆気にとられて居ると謎の単語をズラズラと並べ捲し立てている。

「……何だか凄い人ね……」

 呆れた様に吐き出すディアナを横目で見つつ未だ喋り続ける青年に話し掛けてみる。

「あっどうもクロです。ちょっと色々分からないんですが俺、記憶喪失で能力とか女神様とかよく分からないんですよ。」

 何とか青年の大きな独り言の隙間に捩じ込むと少しばかり目を見開き小さく頷いた後

「まあそうだよなぁ、警戒は大事だしね。オレの名前はコウイチ・ヒラキ 日本では高校生だったんだよね。

 クロ君だっけ?君も同じ年ぐらいだろ?今、王都で世話になってるんだけどオレみたいな奴らが結構集まってるんだ。」

 青年、いやコウイチの言うことは全く理解が出来ないが俺と似た作りの顔に黒髪ひょっとしたら俺もコウイチと同じ所から来たのかも知れない。

 さっきから俺の手を握ってるディアナは何だか手に力が入っているし離れた所ではフォルスが俺とコウイチを見比べている。

「コウイチごめん、警戒とかでは無くて本当に分からないし……」

 そこまで伝えるとコウイチは先程までの親しみやすい笑みを潜め長めの黒髪をガシガシと掻くと

「ふぅん、そう。そこまで頑なって事はあれか、ムダ能力を貰った無能のモブかよったく使えねえ。……じゃあいいやその女はオレが面倒見るわ。ロリは豚メガネに伝えておいてやるよ。」


 そう言いコウイチはフォルスを一瞥すると突然目の前に現れ、俺に人差し指を向ける

「じゃあなモブ。オレはよ全魔法が使えてさ、魔力も無限て言うチート主人公様なんだわ、モブの相手なんかしてる時間はねぇんだわ。」


 コウイチが言い終わると首を風が通り抜け視界が暗転して行く。

 辛うじて聞こえて来た声はディアナの悲鳴と何かが吸い込まれる様な音だった。



 ーーーーー


 あたしの慣れ親しんだ村に来た筈が何故こんな事になったんでしょうか……

 王都から来たと言う魔道士がよく分からなかったけど多分風の魔法でクロさんの首を飛ばし、そのままディアナさんを連れて消えてしまいました……

 あまりの展開に村のおじさん達も呆然としていますが、

「このままではダメですよね……クロさんを埋めてあげないと……」

 あたしは首から血を吹き痙攣しているクロさんの亡骸を見てへたり込んでしまった。

 そんなわたしの所にクロさんの首を拾い門番のおじさんがやって来た。

「嬢ちゃん……すまんな何もしてやれなくて……旅の仲間だったんだろ……せめて埋めてやろう」

 それだけ言うといつも元気なおじさんが神妙な顔をしてクロさんの首を正しい位置に並べてくれた。


「クロさんもディアナさんもまだ知り合って本当に短いけどいい人達だったの……おじさん……何でこんな……何で……」

 あたしはあの二人との時間が思っていたよりも楽しく、二人を失った事がとても大きくて頬を伝う涙を止める事が出来なかった。

 村のおばさん達があたしを抱きしめて頭を撫でてくれる。が、突然おばさん達が小さな悲鳴を上げてあたしを背中の方に押しやった。

 おじさんたちの息を呑む音が聞こえる。

 村のみんなが見つめる一点をおばさんの背中から首を伸ばし見てみた。


 そこには最近よく見てた黒髪の青年が腰に両手を当て首を鳴らしながら立っていた。

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