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最後の一粒 ~缶入りコーンポタージュ~

作者: イワトノアマネ
掲載日:2018/09/20

寒い日に駅のベンチでひと休み。

こんなはずじゃなかった。

ちょっと覗いただけだった。

何も無ければ良かった。

でも、僕は知ってしまった。

きみの存在を……。


僕は今、きみを見つめている。

きみから目が離せない。

僕は、きみを受け入れたい。

きみを僕の体で包んであげたい。

なのに、きみに僕は触れることすらできない。


きみは暗く狭い部屋の奥で動かない。

入り口が狭くて僕は入れない。

どうすればいい。

もう手遅れなのか。

あきらめるしかないのか。


すべて僕の責任。

こうなる事はわかっていた。

なのに、何もしなかった。

僕が満たされることだけしか考えなかった結果だ。

きみの事をひとつずつ、ゆっくり知るべきだった。


冷たくなったきみから目をそらす。

こんな事になるなら出会わなければ良かった。

満たされ、温もりのあるうちに振っておけば良かった。


僕はゆっくりと立ちあがり歩き出す。

僕はきみを捨てた。

真っ暗な穴の中に……。


きみと出会ったのは、寒い冬の朝。

駅のホームに並んだ自販機。

ボタンを押して携帯をかざす。

手にした熱い缶を両手で握ったり転がしたり。

僕はベンチに座って、缶を振った。

ふたを開けて味わいながら暖まる。

きみ達が僕の中へと入って来る。

そして、きみだけが残った。

最後の一粒。

~缶入りコーンポタージュ~

叩き落してやる! って感じのアクションものにもなりそうな優秀な飲み物。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 缶の底に張り付いた最後の一粒が取れないもどかしさ、すっごく分かるなぁって思いました。 ココノハさまの手で描かれると、ちょっぴり切ない恋愛もののようなロマンチックなストーリーになって、映画…
2019/09/02 19:00 退会済み
管理
[良い点] 悪魔の飲料ですよね。 今のブームは一つ残ったタピオカですね。 あいつがなかなか吸えないのです。
2019/07/28 16:52 退会済み
管理
[一言] すぐそばにあるのに手が届かないものですよね~。 と、ロマンチックにいうもののムカつきますよね。あれ。かと言ってないと物足りない。
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