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「......わー、知らない天井だー」


 目が覚めるとそこは、真っ白な世界だった。


「ここどこやー?なんでこんな所にいんだ?今日バイトの日だよな......。あれー?」


 なんて事を考えていると、声を掛けられた。


「おはようございます。起きたみたいですね」


 お?


 声のする方へ顔を向ける。


 おお!美人さんがいる!すげぇ!こんなのラノベでぐらいしか見たことねぇーな!マジで居るんだー、リアル美人。


「えーと、おはようございます?」

 とりあえず挨拶を返す。


「はい、おはようございます。気分はどうですか?吐き気がするとか、頭が痛いとか、後は......背中が痛い、とか」


 んー?吐き気や頭痛は無いなー。ってかなんで背中をピンポイントで聞くんだ?なんか背中に......、背中......背中?


 背中!!


 そうだ!背中!


 俺背中刺されて......ッ!!


「......お?おお?あれ?背中、何も感じない......?えー?でも刺されたし?えー?あれー?」


「その様子だと大丈夫みたいですね。といってもここは精神体しか存在できないから、肉体の怪我は無くなるのですが」


 おお?何言ってんのか理解できん。ってかしたくない。


 なに?精神体しか存在できないって?


 ってか俺死んだと思ったんだけど…...。


「とりあえず、あなたが混乱してるみたいだから、色々教えておきますね」


 色々おしえてくれるらしい。


「まず、あなたは死にました。刺されたのは覚えていますか?それが原因です。それでここの事ですが、ここは......まあ神様の家とでも思ってくれればイイです」


 あー、やっぱ死んでたかー。もしかして生きてる?って期待したけど......淡い期待だったな......。うぅ。


 それに神様の家ねぇ......。


「信じらんねー」


 ポツリとそうこぼす。


「まぁ、そうですよね。あなた達の世界にはあまり干渉したり、神託を下したり姿を現したりしてませんでしたから。でも実際、こうして私はいるし、今はただ信じて貰うしかないです」


 むぅー、でもまぁ取り敢えずは神様って事にしておいて、話を進めて貰おう。


「わかった。あんたが神様ってのを信じるよ。それで、どうして俺は此処に居るんだ?」


「ええ、次はそれについて説明します。えっと、あなたは死んでしまったのだけど、その死因が......そのー、こちら側の不手際、と言いますか、なんというか......」


 んん?"こちら側の不手際"?


「どういうことだ?」


「実は......本来であれば、あなたはあそこで死ぬ運命ではなかったのですよ。でも、丁度他の世界から干渉がありまして......。この星は結構高位の位置にあるから、下位の世界に行くと、超人レベルの力を持てるようなのです。それこそ、神話やおとぎ話に出てくる様な、勇者や英雄といった存在と同等ぐらいの......。だから、下位の世界に危険が迫ると、その世界の神から神託が降りるそうです。で、その時に何故か失われた筈の召喚術式がとこからもなく現れるようで、その術式を使って、本来なら干渉することが出来ない、高位の世界にアクセスして、世界を救う力を持つ者を無理矢理呼び寄せる事が可能になります。でも、下位の世界が上位の世界に干渉すると、というか、ほかの世界に干渉すると、「歪み(ひずみ)」が生まれます。その「歪み」で色々な問題が生じます。ほかの世界から異形の怪物が来たり、その星の法則が乱れたり。だから私達は他の世界からの干渉を出来るだけ弾いているのですが......でもこんかーー」


「ちょちょ、ちょい待って。情報が一気に来て理解が追いつかん」


 えーと、地球は上位の星で、下位からの干渉があって、でも干渉があると世界がおかしくなる、と。


「続けても?」


「あー、多分大丈夫だ。続けてくれ」


「では。今回もどこかの世界が危険に陥ったようで、下位の世界から干渉がありました。なので私達も何時もどうり、それを弾こうとしました。しかし、干渉の範囲が大きく、弾くのに手間取ってしまい、その時間で世界が「歪み」ました。その結果が、あなたの死でした。本当に申し訳ないです。私達の対処が遅れたせいであなたが......」


「そっか......。んー......んんー......ん......はぁ......。それについては一旦置いとこう。取り敢えずさっきの質問だ。なんで死んだ俺が此処に居るんだ?それを答えてくれ」


「はい、そうでした。あなたをここに呼んだのは、お詫び、のようなものです」


「お詫び?」


「はい。こちら側の不手際で死なせてしまったので、せめてもの償いとして、新しい生を授けようかと。といってもこの星には、ではありません。今回干渉してきた世界です。......あなたにとっては複雑かも知れませんが、今なら向こうの召喚術式を利用して、あなたを向こうの世界に送ることが出来ます。勿論、あなたさえよければ、ですが......。どうでしょう......?」



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