声は容姿を表さず
キャラ表
【修也】21歳、男
デブ、カラオケバイト、ただしイケボ
【優菜】21歳、女
ガリガリ根暗腐女子、ただしカワボ
好きにやってください
所要時間(15分くらい??)
修也N
「俺達は人間でいることを辞めさせられた」
優菜N
「私達は肉体を失った…」
修也N
「俺達は声を掛け合う」
優菜「なに?ここはどこ!?なにも見えない!!」
修也「なんなんだよ!ここは!!おい誰か居ないのか!」
優菜「きゃあっ!」
修也「おわっ!んだよ、びっくりしたなぁ…ってアレ?今ぶつかったよな…?」
優菜「あの…だ、大丈夫ですか?」
修也「え、うん…」
優菜「よかった」
修也「可愛い…」
優菜「え?」
修也M
(そーいや声に恋するアプリだっけ?妹の奴がハマってたなー…姿形も知らねー相手に?くだらねーって思ってたけど声に恋するってのはこんな感じなのか?だとしたら俺は…)
修也「…好きです」
優菜「え?はい?」
修也「い!いや!あの!こ、声がっ!!すごい可愛い声だなぁって…俺こんなこと思うの初めてで!ご、ごめん!」
優菜「え?あ!えっと…はい…でも嬉しいです…声が可愛いなんて」
修也「あ…なんか…すいません…」
優菜「はい…ん?なんか聴こえる…」
修也「貴方…達は…人類は…凍結されました…再び姿を得るまで新宿の地下サーバー内で声と心だけの存在でいてください?」
優菜「なにこれ?えっ?サーバー負荷軽減の為、1サーバー内に2人とする…す…救えなかった命達…ごめんなさい…救えた者達、再び人になるその日まで…待ってて欲しい…」
修也「なんなんだ…一体」
優菜「えっと…此処には私達2人しか居なくて…ここは精神だけってこと?」
修也「声もだろ?救えなかった命?なんだってんだ?」
優菜「それに待ってろって…」
修也「何を待ってろってんだよ…」
優菜「再び人になる…その日まで…」
優菜N
「こうして私達の身体無き生活が始まった」
優菜「そう言えば名前聞いてないよね?私は三崎優菜、えっと貴方は?」
修也「あーっと…修也、南修也」
優菜「修也さん?」
修也「えっと…いくつ??」
優菜「21、修也さんは?」
修也「俺も21だよ」
優菜「うそ、ホント?」
修也「ホントホント」
優菜「なんか嬉しいなぁ…」
修也「お、おう」
優菜「修也さんは…」
修也「あーさん付けいいよ?しないで」
優菜「修也…くん…?」
修也「呼び捨てでいいって」
優菜「……しゅ、修也は何か好きなこととかある?」
修也「あ、えー…んと…」
修也N
「俺達は2人で色々と話した…お互いの好きなもの嫌いなもの、趣味とか何やら色々…声だけの僕らは何日か語り合う…でも次第に求めてしまうものがあった」
優菜N
「目が見えない…触れる事も出来ない…聴くことは出来る…思考と声のみの生活…だからこそ気にしてしまったのかもしれない」
優菜「ねぇ…修也さんってどんな人?」
修也「どんな人って?色々話してた通りだけど?」
優菜「うん、それはわかるんだけど…趣味とか色々話したり性格とかなんとなくわかったけど…」
修也「けど?」
優菜「何やってる人なのかなって…あと…見た目とか…気になったり…」
修也「ああ…仕事とかかな…ええーとしがないサラリーマンだよ、まぁ給料はそこそこ貰ってたよ、年収1000万来年くらい届いたらとか思ってたけどね」
優菜「1000万…す、すご…」
修也「すごいかな?」
優菜「うん!」
修也「お、おお…」
修也M
(見栄張っちゃった…やべ…どーしよ、普通にカラオケバイトだよ…こうなったら通さないと…見た目だって…くそーこうなったらヤケだな、よし)
修也「あ、見た目もか…えっと…なんだろ…別にそうは思わないけど…芸能人の松山俊に似てるって言われるかな?」
優菜「え?マツシュン!?凄い好き!ファンなんだ!!えっ修也すごっ!高収入のエリートでイケメンとか!!」
修也「まぁ…うん」
修也M
(食いつきヤベー!)
修也「あ、えっと優菜の方は?どんな感じ?」
優菜「え?」
修也「ん?」
優菜M
(どーしよー…私、声は可愛い可愛い言われたりするからネットの配信アプリだとモテモテなんだけどリアルだとガリガリの根暗腐女子だし…仕事してないニートだし…親のすねかじりしてるし…でも金持ちイケメンと二人きりだし…このチャンスは…逃せない!)
優菜「えっと…仕事はねケーキ屋さんでケーキ作ってるよ…お父さん社長だから私そんなにいっぱい仕事しないけどね」
修也「パティシエってやつ?それに社長の娘!?なんの?」
優菜「う、うん…えっと貿易関係の…えっと、でね!見た目なんだけど…あんまり可愛くないよ?」
修也「そうなの?どんな感じ?」
優菜「髪は黒でロングかな、楽だからパッツンにしてる…目悪いから眼鏡もしてるし」
修也「芸能人とか似てるって言われる?」
優菜「んー…藤本杏奈に似てるとかは言われるかな…」
修也「藤本杏奈?」
優菜「うん、死ゅう活でヒロインやった子」
修也「あ!あの子か!無茶苦茶可愛いじゃん!」
優菜「そ、そう?」
修也「うん、大好き…」
優菜「え?あ!藤本杏奈か…」
修也「ん?どうしたの?」
優菜「え…大好きって藤本杏奈のことだったなって…一瞬私だと思った…」
修也「あ、えっと…あの…優菜」
優菜「え?」
修也「俺らさ趣味とか色々合うし…性格の相性もいいと思うんだよ…それに見た目もお互いさタイプっぽいし」
優菜「うん」
修也「だからさ…」
優菜「う、うん…」
修也「付き合ってくれないかな…俺、優菜の事…好きみたい…」
優菜「………」
修也「や、やっぱり無理だよな…」
優菜「……き」
修也「え?」
優菜「…私も…修也の事…好き…付き合っても…いいよ?」
修也「いいの…?」
優菜「…うん…なんか恥ずかし…」
修也「…う、うん…か、可愛い」
優菜「馬鹿…」
修也M
(やった!パティシエで超絶可愛くて趣味も性格も合う!最高の女!しかも社長令嬢!人生最高の彼女ゲットだぜ!!ふふふふふ!へへへ…なんか俺、今…)
優菜M
(ふふふ…やった!私!流石!嘘は言ってないからいいわよね?ニートで親のすねかじりだけど親社長だし一応…工場だけど…見た目だって、ちょっと盛っただけよ、私は悪くない!うん!ああ〜最高っ!イケメンで金持ちで趣味も性格も完璧!そんな人が彼氏!私、今…)
修也&優菜M
(超気持ちいいっ!!!)
修也N
「そんなこんなで俺らは付き合って過ごしていた…お互いの真実など知らずに…それを信じ…そして5年の月日が経った…)
優菜「ん…よかったよ…修也」
修也「俺もだよ優菜…」
優菜「はぁーあ…早く人間に戻りたい…そしたら…」
修也「実際にデキルしな…」
優菜「そ!そんなんじゃない!しゅ…修也見たり触ったりしたいだけだもん…!」
修也「じゃあシたくないの?」
優菜「…うぅ…シたいです…」
修也「ん…」
優菜「…ばぁか…」
修也「はいはい…ごめんな…優菜…俺だって早く優菜を見たり触ったりしたいよ…色んな所に行きたい…一緒に世界を見たい…なぁ…俺がもしただのカラオケバイトとかでクソデブスだったらどうする?」
優菜「んー気にしないかな?もうこんなに好きなっちゃってるし、見た目なんてさ、じゃあさ修也、私がガリガリの根暗ブス女だったら?…」
修也「ないな…関係ないな…優菜…愛してるよ…」
優菜「んっ…私も…修也愛してる…」
修也「………っ?この声…」
優菜「あの時の…」
修也「……あ……」
優菜「………ホント?」
修也「今の聞いたか?」
優菜「うん…修也!私達…」
修也「ああ!俺たち人間に戻れるんだ!!」
優菜「私達…やっと…」
修也「そうだ!人間に戻って!それで!優菜と!」
優菜「修也と!」
修也「会えるんだよ!」
優菜「うん!」
修也「どこで会う!?」
優菜「ど、どーしよ!?」
修也「定番でもいいか?」
優菜「うん」
修也「確かここは新宿だ…」
優菜「うん」
修也「なら新宿のオルタ前で!そこで会おう!えっと…確かこの状況になる前は白いシャツにジーンズだったはず」
優菜「うん、大丈夫かな?多分私の方がわかりやすいかも…えっと確か黒いワンピースに花の着いた帽子被ってたかな?結構目立つかも」
修也「そっか!なら優菜が待ってて!俺が優菜を見つけるから!」
優菜「うん!待ってる!」
修也N
「俺は人間になった…」
優菜N「私達は人間になった…」
修也「戻れた…はは…あの頃のままだ…ははは…この肉…ブサイクだな俺…鏡なんてなくてもわかるわ」
優菜「戻れた…あーあ私…ホントにブス…なんで鏡なんてある所で復活するのよ…ないわ…あ、早く行かなきゃ」
優菜「…はぁはぁ…着いた…オルタ前…修也…見つけてくれるかな…」
修也「…はぁはぁ…どこだ?黒いワンピースに花付きの帽子…帽子…黒ワンピに花付き〜…えーっと…あれか?黒髪ロングだし…よし………あの…優菜?」
優菜「修也!!」
優菜N
「振り返るとそこには思い掛け無い光景が広がっていた…二人は目を合わせ…こう言ったのだ…」
優菜&修也
「ねーよ!」
優菜「は?あり得ないわ!デブス過ぎだろ!年収億あっても無理だわ!!帰る!!もう二度と話しかけないで!さよなら…ホントマジキモい、死ねば?」
修也「……行っちまった…お前が言うなよ…ガリガリ根暗クソ女…ばぁーか…はぁ…帰ろ…声なんかに理想持って勝手に想像しちゃって…くだらねぇ…はは」
修也N
「どんなに趣味が合おうが性格が合おうが声が好きだろうが自分のボーダーラインから外れてしまったら無理なんだよ、それが今回は見た目ってだけだったんだ……」
修也「結論…世の中は残酷だ」




