朝の出席
「おう!席に着け~…」
教師が教壇に向かうと程好い緊張感と安心感が教室を包む。
やれやれ…ようやく一息つけるな。
朝からバタバタとしていた。毎日こんな思いをしていたなんて、当時の自分は大したものだ。っと感心する。
「出席取るぞ~…」っと点呼が始まった。
何処からか「はい!」「はい!」と聞こえて来る。
ふと視線を感じ、そちらに目をやると先程の女生徒が心配そうに、こちらを見ている。
大丈夫だよ。へっちゃらさ!と笑顔で小さなガッツポーズをすると、少し嬉しそうに恥ずかしそうに俯いてしまってた。
なかなか可愛らしい子だと思い。視線を教師に戻すと兵庫が不機嫌そうに、こちらを見ているのが目に止まった。嫉妬でもしているのか?むぅ~…面倒くさい。
そのまま気にせず教師を見る事にした。
「さて、今日の1時限目は数学だったな!直ぐに戻るから準備しておくように」
っと、教室を後にした。
そういえば、あの教師は数学の教師だったな、名前は確か、堺という名前だったと思う。当時はオッサンだと思っていたが、意外と若い30代後半といった感じだ。直ぐに暴力を奮う教師だったが、分かり易くて俺は嫌いでは無かった。
各々が席を立ち談笑が始まった。直ぐに戻ると言っていたのに、この子ら忙しいんだな…っと見つめていると、兵庫が子分と一緒にニヤニヤと、こちらを見ながら話している。
面倒くさい事になりそうだと、嫌な予感がした。
程無くして、また教師がガラガラ~…っと戻って来た。
「1時限目始めるぞ~…」
バタバタと席に着く生徒達。
ふぅ~…やっと静かに考えられそうだ