中学の朝
扉を入り「おはよう」っと小声で言った。
教室の中はワイワイガヤガヤと賑わっている。
よし。自然に入室出来た。
しかし、ハッと気付いた。俺の席はどこだ?
しかも、この子らの名前も分からない…
ただ、どことなく見覚えはあるのでクラスは間違っていないだろう…
しかし困った…
適当に大人しそうな女生徒に聞いてみるか…
50のオッサンが中二の女の子に声をかけたら完全に事案だよな…なんて考えながら
「おはよう。ちょっと変な事聞くけど…」
っと、声をかけるとギョッとした顔になり席を離れられた。
あれ?っと思ったが直ぐに気付いた。そうだ、俺はこのクラスでいじめにあっていたのだ…
そんな事をしていると
「おう!山梨~!」っと、威圧的な声をかけられ、中学生にしては大きな体が近付いて来る。両脇には、いかにも子分って感じの2人の男子生徒も付いて来る。
悔しいが、こいつらの名前は覚えている…
いじめの主犯格で大きな体の兵庫と、どっちがどうかは忘れたが神辺と安治だ。
「おはよう。兵庫君。」
思わず君付けで呼んでいる。まるで君付けを魂に刻まれているかのようだ…
「朝から何、女子に声かけてるんだ?お前なんかと話したいヤツいねえんだよ!」
っと、意味の分からない事を言われた。
「いや、それがさ…自分の席を忘れちゃって…」
少しの静寂の後
ぎゃはははは
っとクラスが笑いに包まれた。
少し照れくさくなり、頬を掻いていると突然頬をバシッっと叩かれた!
「まだ寝てんだろ?目ぇ覚めたか?」
今度はクスクスと小さな笑い声が聞こえる。
このクソガキ!っとイラッと来た所で…
キーン…コーン…カーン…コーン…
っとチャイムが鳴った。
バタバタと席に着いて行く学生達の中、キョロキョロしていると、先ほど声をかけた女生徒が1つの席を申し訳なさそうに指差している。
ここか!っと、その席に着くと
ガラガラっと教師が入って来た。