登校
「ご馳走さまでした!」
米の一粒も残さず完食した。
美味しかった~!っと満腹感に浸りながら、お茶をすすっていると絵里が忙しそうにバタバタとリビングを走り回る。
当時は五月蝿いな~…って思っていたけど、小学生の子供が一生懸命走っている姿は、なんとも可愛らしい物だと思い自然に笑顔になっていた。
バタバタ、ガチャン
「行って来ま~す!」
準備が終わり学校へ向かったようだ。
急に静かになったリビングでお茶をすする。
「健児。ゆっくりしているようだけど時間大丈夫なの?あと、お薬飲んだ?」
薬?
あ~…そういえばこの時期の俺は小児喘息を患っていたな…20くらいで気づけば無くなってた感じだが…確かに入退院を繰り返してた。
よし。飲んでおくか!っと薬を飲み、部屋に向かう。
制服は掛けてあるこれだろう。15ということは中二だよな?クラスまでは覚えて無いがノートか何かに書いてるだろうとカバンを探る。
あった。汚い字で2年5組 山梨 健児 と書いてある。
学校の場所くらいは大丈夫だと玄関に向かい
「行って来ます」っと家を出た。
当時の俺は体が弱く。背も小さく。学校に行けば、いじめにあっていた…子供ながらにキツい思い出だ。学校に行けば当然いじめっ子もいるだろう…
獣はいるのか?っと少し不安になったが、大丈夫だ。獣の存在は確かに感じる。大人しく何故か幸せそうに寝てる感じだ。
時間は絵里や母さんが心配してたが、まあ大丈夫だろう。
無事中学校に着きクラスは札を見ながら歩いて行く辿り着いた。
少し緊張するが仕方ない…
ガラガラッっと静かに開け入室した。