今度は本当に難しい
翌朝、日が昇り始めた頃に僕は目が覚めた。
はんば寝ぼけながらテントから這い出る、魔法で水を出し顔に浸す、冷たい水が、半分以上が夢の世界にあった意識が一気に現実へと帰ってくる。
「うーん、いくら結界があるとは言え、水が無いとなんて・・・天使族の街で過ごして平和ボケしたかなぁ」
濡れた顔を拭きながら僕は危機感を感じて少し反省をする。
しっかりと目が覚めた目で周りを見渡すと、ダンジョンの入り口前にフェルが立っていた。
やはりダンジョンに何かあるのだろうか?
この際、ちょうどいいしフェルに聞いてみようかな。
ダンジョンの入り口の前に立っている、フェルに近づきつつ声を掛けようとするとこちらを振り向いた。
どうやら僕が起きてきたことは気づいていたようだ。
「昨日から何か悩んでるみたいけど・・・どうしたの?」
「・・・このダンジョンの下の方から、‘お父様’の魔力のようなものが感じられる」
「え、それって・・・」
フェルは実の父親であるバーナルドさんのことをお父さんと呼ぶ、だが、フェルだけでなく、天使族は、皆が共通して‘お父様’と呼ぶ人物がいるのだ。
それは天使族達を作り、それより以前にこの世界自体を作った、主神のことである。
フェルの話によれば、主神は天使族達を作ったあと、自身を回復するために眠りについた、という伝承が残っていると聞いたことがある。
因みになぜ、ダンジョンから感じた魔力が‘お父様’だとわかったのかはフェルにもわからないそうだ。
「言ってみればただの感」
そう言われた時にはずっこけそうになった。
まぁ、結論的にはここで考えても分からない。取り敢えずダンジョン潜ってみよう、という事になった。
その後、朝食を済ませ、素早く荷物をまとめると、ダンジョンの階段を降りて中に入った。
ダンジョンの中は明らかな建造物であった外の階段とは全くと言っていいほど別物で、自然の洞窟と言った様相だった。
取り敢えず、上層のダンジョンでも僕がやったように、小さい、ネズミの使い魔を召喚し、マ地図を作ってから探索を始めようと、ネズミを周囲に放ったところ、次々と使い魔の接続が切れていった。
一匹目でその事に驚き、それを皮切りに次々とほかの使い魔も接続が切れていくので、よく使い魔達の動きを頭の中の地図上で見ていると、突然、使い魔が何者かから逃げるような動きをして殺されていらようだった。
どうやらここのダンジョンは上層のように一筋縄ではいかないようだ。
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