謎の夢
な、なんとか書き終わった・・・
気がつくとそこは、真っ白な空間の中に真っ黒な板ある。
ただそれだけの空間。
真っ黒な板には、よく分からないが不思議な感じがする。
創真が近付いてみると、その板はとても大きかった。
高さは、4メートル程、横幅は、2メートルぐらい。板の裏側は、表と同じくただの真っ黒な板だ。
板の向こう側の空間も創真が居る所と同じく真っ白。
板を調べてみると鍵穴があった。
どうやらこの板は扉らしい。
そこで創真は、全力で押してみたり引いてみたり裏側でも同様の事を試してみた。
鍵でもかかっているのだろうか?
もしそうなら、鍵開けのスキルでどうにか出来るかもしれないが、今の創真では、やり方が分からない。
その後も色々と調べていると、ふと創真は、周りが暗くなっている事に気づき急いで周りを見渡してみる。
すると、さっきまで白かった空間が空間の奥からどんどんドス黒い黒に染まっていった。
そしてそれは、一瞬で創真を飲み込んだ・・・
「うわぁっ・・・はぁ、はぁ、何だったんだ・・・いまのは・・・」
目覚めると、そこは自室だった。
訓練で鍵を無理矢理、壊した後、ナムルさんの言葉から後の記憶が無い。
どうやら僕は、魔力枯渇で倒れたようだ。
ここへは、ナムルさんが運んでくれたのだろう。後でお礼を言っておかないと。
創真は、ベッドから立ち上がり窓の外を見ると、完全に真夜中だった。
うわぁー・・・気絶したのが訓練終わりの昼頃だった筈なので、丸々半日ぐらいは、寝ていたらしい。
それにしても、さっきの夢は、何だったのだろうか?
あの扉が気になってしょうがない。
さて、これからどうしようか。
今から寝るのは到底無理だ。
いくら学校で居眠り常習犯だった創真でも、半日も寝た後にすぐ寝る気にはなれない、かと言って、朝までは、まだまだ時間があるし、書庫だってこの時間じゃ開けては貰えないだろう。
「はぁ、仕方ない、外に出て素振りでもするか」
幸い部屋には、ナムルさんに貰った木剣がある。
そう考え、木剣を手にしてドアを開けると、なんとそこには、驚いた表情の結香が居た。
「どうしてここに?」
「えっと・・・創真君が倒れたって聞いたから心配で・・・」
なるほど、要するに僕が倒れたことを誰かに教えてもらい、お見舞いに来てくれたのか。
でも、なんたってこんな時間なんだろう?まぁ来てくれただけでも、凄く有難いが。
あ、心配して来てくれたんだから無事な事を伝えないといけないな。
「こんな時間にありがとう。見ての通り僕は、無事だから」
「こちらこそ、ごめんね。遅い時間に来ちゃって、じゃあ、私は戻るね」
そう言って、優香は部屋に帰って行った。今日の柊さんは、いつもの元気な様子と比べて変だったな。
なんでだろう?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ナムルさんに創真君が倒れたって聞いた時は、心臓が止まるかと思った。
皆にここに来てるって、知られると恥ずかしくて、こんな時間になっちゃったけど、創真君が元気で良かった。
でも、なんだか顔が熱い。
多分、今私の顔は、真っ赤になっているだろう。
創真君が無事だって知ったら、なんだか恥ずかしくなっちゃった。
優香がそんな事を考えながら歩いていると、ふと自分の服装を見下ろして気づいてしまった。
自分がネグリジェ姿だったことに。
はっ、私ったらこんな格好で!?あれ?もしかしてこの前来た時もこの格好だった?
私なんて事を・・・は、恥ずかしいよぉ・・・
でも創真君この前も今回も何にも反応してなくない!?気づいてなかっただけ? それとも私に魅力がないの?
そんな感じで百面相している優香は、知らない。
自分の部屋を出た時から優香のことをずっと見ているへどろのように濁った目があることを・・・
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さて、庭に出て早速素振りでもするか。
創真は、優香が戻った後、訓練場を目指して歩いていた。
自分の部屋を出て数分歩った頃、創真は、異変に気づいた。
あれ?ここ、何処だ?
いつも、創真は、書庫に行ってから訓練場に行く為、部屋から訓練場までの道は、全く覚えていない。
だったら、普段通りの道を行けよ、と思うかもしれないが、なんとなく創真は、王宮の中を散策してみたくなったのだ。
だから多分こっちだろう、という感だけを頼りに歩いて来たのだが、それは失敗だった。
創真は、別に方向音痴ではない。
むしろ今まで迷った事なんて一度も無かったのだが、もう既に帰り道でさえ分からなくなっていた。
やばい、たった数分で帰り道すら分からないってこの王宮、どうなってんだよ・・・
創真は、そう考えながらも訓練場を目指して歩き続けるのだった
すみません。
また今週も明日は、投稿出来そうにありません。