現れる仇敵
予約するの忘れてました!
殲滅魔法が街に降り注ぎ、それにより起こった絶大な爆炎と耳をつんざくような轟音。
人族の誰もが自分達の勝利を疑わなかった。誰もが勝利を確信し、その顔に笑みを浮かべた。
だがそれは直後に覆されることとなった。殲滅魔法による炎が消え、ちょうど人族の視界から天使族の街のあった場所を隠すように広がっていた煙が晴れると、そこには全くの無傷の状態で、さっきまでと何ひとつ変わらないままの街が広がっていた。
人族の表情は勝利を確信した笑みから一変、絶望へと変わっていった。
そんな戦闘の光景を創真は、防壁の上から見守っていた。
創真が戦闘に参加せずこうして防壁の上から高みの見物をしているのは、まだ創真の力が必要な程窮地ではないからだ。
これは、バーナルドからの頼みでもあった。
「天使族の問題は出来る限り天使族の力で解決したい。どうしても創真の力を頼らなければ人族との戦争には勝てないが、逆に創真の力が必要な時以外は我ら天使族の力で戦わせてくれ」
創真はバーナルドから開戦前にそう言われていたのだ。
そして防壁の上にいる理由はきちんと設置した付与魔法が発動するのを確認するためだ。
たった今、街を殲滅魔法から守ったのは創真が設置した魔法であった。
防壁に直接、魔法を付与したのだ。
その効果は、【空間遮断】
その名の通り空間を遮断し、全てのものを通さないと言うものだ。
物理攻撃、魔法攻撃などの一切合切を無力化することが出来る。
しかし一見最強の防御にも見えるが実はそうじゃない。この魔法の欠点は魔法を発動し結界を張ってしまうと、空気すらも通さなくなってしまうところだ。
例えば、人などの周りを囲むようにこの魔法を発動してしまうと、その中に空気が流れ込まないため、すぐに結界の中にいる人は窒息してしまう。
だからこそこの防壁に付与したのだ。大きい範囲に一つの方向だけに限定してこの結界を作れば、街の中に空気が無くなる、と言う心配もない。
その【空間遮断】によって殲滅魔法を防がれた人族の騎士たちは、エンシャントドラゴン達が近づいてくるのを見ると、一目散に逃げ出してしまった。
だが、人族の本当の作戦を知っている者たちからすれば結果として良かったのかもしれない。
人族が逃げ出し、森の中に消えて行った直後、創真は何かの魔法が発動した気配を感じた。
それと同時に先ほど街を守った結界も消え防壁の下で天使族達が発動していた魔法も尽く霧散してしまった。
遂に出てきたのだ。この戦争での人族の秘策であり、天使族の弱点でもある兵器。
魔導人形が
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