ダンジョンの夜空
昨日は投稿出来ず、すみませんでした!本当に申し訳ありません!
太陽が沈み、普段なら人々も眠りにつき、灯りのない街、だが今だけは、魔法による灯りに照らされ、眠りについているはずの人々は、その全員が慌ただしく走り回っている。
夜のはずなのにまるで昼間のような明るさと喧騒だ。だがそれは、皆一様にこの後に起こる戦争に向けての準備をしているのだ。
人族が使う転移陣に魔力が溜まり終わるまで残り1時間程になった頃、創真はそうな開戦に向けてせわしなく動き回る天使族や人化状態のエンシャントドラゴンたちを見ながら街の中を歩いていた。
皆が忙しいのに創真は何もしないのか、と思う者もいるかもしれないが、創真もついさっき自分のすべき準備を終えたところである。
その作業はなかなかに難航して、少し疲れたので、創真が立てた作戦を実行するための準備に不備がないか確認しながらこうして街の中を散歩しているのだ。
だが、天使族はなかなか優秀で、異世界の知識もあるはずの作戦を理解して、全ての準備を、ミスの一つもなく着々と完成へと近づいていた。
創真はそれを眺めながらなんとなく歩いているといつのまにか辺りに人気が無くなり、灯りも少ない場所に来ていた。
この辺りは今回の作戦にも戦いにも用いられない為、来る人がいないのであろう。
灯りが少なくなったことで、夜空からの自然の光が目立つようになり、創真が夜空を見上げる。そこには、大きな月と、沢山の星が輝いていた。
「一応、ここってダンジョンの中なんだよなぁ」
思わず、そんなことを呟いてしまう。
「ここはお父様が作ったダンジョン。ダンジョンの中に星があっても不思議じゃない」
なんとなしに呟いた独り言だったのだが、それに予想外な返事があった。
フェルだ。
「主神が作った・・・何かと僕には縁のある存在だな。それよりよくここがわかったね?」
「歩いてたら創真を見つけた。それだけ」
創真が投げかけた質問に短く答える。
ふと創真が気になったことをフェルに聞くことにした。
「なんで、僕に協力を求めたの?ただの人族を信じられた理由は?」
「なんで?なんで・・・うーん」
そう聞くとフェルは悩むように頭を抱えて唸り始めてしまった。
しばらくすると、何か思いついたように、はっとする。
「なんとなく」
「理由になってないじゃん!?」
フェルの訳の分からない答えに思わずツッコミを入れてしまった。
それに苦笑いしながら創真は自分の決意を改めて口にする。
「まぁ、どうであれ、一度フェルと約束したものは守るから」
「うん。期待してる」
フェルは、またも短く返す。
それから二人は何も話さずただ時間だけが過ぎていった。
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まだまだ未熟な文章ですが、日々努力いたします。




