表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鍵師は道を切り拓く  作者: SYG
第一章
68/158

初陣

少し遅れてしまいました。




ある日の夕方、勇者一行と王国騎士団の精鋭達は大急ぎで王都へと帰還していた。


足の速さ、持久力、馬としてはどれをとっても最高な馬を何頭も使い、騎士達は乗馬で、勇者たちは、馬4頭が引く馬車に乗って街道を走っていく。


なぜ、訓練としてトアソルアの迷宮を攻略していた彼らがこんなにも急いでいるのかというと、王都からもっと詳しく言えば、光教教会の教皇、プロメギルから至急王都に帰還してくれとの報せが早馬でテオリスに居たガンルズ団長の元へ届けられたからだ。


国王よりも立場が上である教皇からの指示ならば如何に神の使徒である勇者たちの訓練途中であっても戻らなければならない。


しかもそれが緊急の用事とあれば尚更のことであった。


一行がテオリスを出発してから既に数日、殆ど休まず、ずっとこのスピードで走っている。いわゆる強行軍というやつである。


そんなことをすれば訓練を積んだ騎士たちはともかく、勇者たちは耐えられない。それを配慮しての馬車なのだが、それでも一日中馬車に揺られれば相応に疲れが溜まってしまう。


「緊急って王都で何があったんだ?それってこんなに急がなきゃいけないことなのか?」


馬車の中では神の使徒である。創真のクラスメイトがあまりの疲労に不満を漏らしてしまう。


「しょうがないだろう。プロメギルさんの指示なんだから。俺らだって辛いだから言うなよ、余計疲れるじゃん」


その声を聞き、その不満を諌める声が所々から上がる


「皆、辛いだろうが我慢してくれ、手紙では緊急とあった。もしかしたら王都で何か起きたのかもしれない俺たちはこの世界を救うと決めたんだ。こういう時に動かないといけないんだ」


皆に言い聞かせるように、立ちながら言ったのはもちろん我らが勇者、神崎勇輝である。


それを聞いたクラスメイトたちは頷くと共に、「よっ!流石は勇者!」と冷やかす声も上がってくる。それに苦笑いで答えながら席に座る。


近くでは


「私、先生なのに・・・皆さんを上手くまとめられてない・・・」


と天江先生が落ち込んでいた。


それから丸1日、ようやく勇輝たちはは王都へと辿り着いた。


王都で何か事件があったのではないか、と心配していた勇輝たちだったが、一見するとそんな様子は全くなく、テオリスに出発する前と変わった様子は見受けられなかった。


少し安心しながら王城へと入ると、そこにはプロメギルが待っていた。


「使徒の皆さま大変お待ちしておりました。訓練の最中にお呼びしてしまい、申し訳ありません」


「いえ、少し疲れましたが大丈夫です。それで、緊急の用事とはなんでしょうか?何か事件でも?」


プロメギルの言葉に勇輝が代表して答える。


「えぇ、皆さまをお呼びしたのは他でもありません。これから戦争が起きようとしているのです」


その言葉に召喚組も、騎士たちも皆一様にギョッとする。


召喚組は突然のことに、騎士たちは今までそんな兆しは見えなかったのになぜこんなにも突然、と驚いてた。


「間もなく、天使族と戦争になることでしょう。使徒様方には初めての戦いですね」


プロメギルはその場はそう締めくくったのであった。





いつもお読みいただきありがとうございます


誤字、脱字等を見つけた場合ご報告いただけると有難いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ