朝の出来事
酔いつぶれて小さな女の子の姿をしたフェルに運ばれた、という事を聞きショックでフリーズする事5分、なんとかショックから立ち直った創真は二日酔いで痛む頭を抑えながらベットから出るのであった。
それを見たフェルは
「ご飯出来てるから、着替えたらリビングに来て」
と言って部屋を出ていった。
創真はベットの周りを見渡すと、そこには誰が置いていったのか麻で出来た服があった。
それに着替え、部屋の扉を開けるとそこは見たことがある、というかフェルに連れられてやってきた族長の家であった。
あの時は玄関から書斎まで一直線で行った為、あまり分からなかったがこの家はかなり広く、沢山の部屋があった。
何度か迷いながらもどうにか階段を発見し一階に降りる。そこからは一度通っているので何となく覚えていた。
リビングのそばまで来るとパンの香りが漂って来て、急激に食欲をそそられた創真は早足にリビングに入るのであった。
リビングではキッチンにフェルが立って料理をしており、そばのテーブルでは族長が座っていた。
フェルを手伝うべきか座って待つべきか、そもそも座って良いものかと迷ってしまい、その場に立ち尽くしていると族長がこちらに気が付き、楽しいそうな笑みを浮かべた。
創真は昨日の戦っていた時の記憶しか無い為、なんだが笑っている族長に不自然さを感じたが慣れの問題だろう。
「まぁ、遠慮なく座れ、いやぁ昨日は楽しかったな。宴もそうであったが、なにより創真の戦いは見事であった」
「では遠慮なく・・・そうですか?それでも実力じゃまだまだ勝てそうにありませんけどね」
創真は勧められたので取りあえず座ってから族長との雑談に応じる。
しばらく話しているとフェルが焼いたベーコンなどの料理を運んでくる。
「おぉ、今日も美味そうだ。フェルの料理はいつも美味いからな」
「ただ焼いただけだよ。お父さん」
「それでもフェルが料理をしたことには変わりない。それではいただこうか」
そう言って二人とも食べ始めるのを見て創真も手を合わせ「頂きます」と言ってから食事に手をつける。
それを見た二人から不思議そうな目を向けられていることに気がついた創真は直ぐに自分の動作が気になったのだろうと当たりをつける。
「これは、僕の国の文化で食べる前のお祈りみたいなものです。食べ物に感謝して頂くと言う意味ですね」
「ほぉ、そうだったのか。あの防護壁もそうだったが創真は珍しい知識を持っているのだな」
「どれも受け売りですよ。僕が考えたものではありません」
そこから話が進み、食事が終わるまで会話が途切れることは無かった。
食事が終わり話も一段落したところで創真は話を切り出す。
「族長、お名前を教えてもらっても良いですか?それと人族が攻めてくるに当たってその対策についても話し合っておきたいのですが」
「そうだったの、まだ私の名を教えてなかった。これは失敬、私の名はバーナルドと言う、改めてよろしく頼む。それと話し合いの前に創真には謝られねばならんな、我らの為に協力しようとしてくれたにも関わらず邪険にしてしまって本当に申し訳ない」
そう言って族長、バーナルドさんは頭を下げた。
「あ、頭を上げてください。人族に仲間を攫われたんですよね、だったら仕方ないと思います。結構大変でしたけど別に怒ったりはしてませんよ」
こういう時になんて返せば良いか分からず少し焦ってしまう創真は、なんとか頭をフル回転させながら言葉を発した。
その後、天使族と改めて和解出来たところで対策について話し合いを始めるのであった。
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