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鍵師は道を切り拓く  作者: SYG
第一章
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また知らない場所だ。




族長との戦いに勝利した創真は、約束通り天使族と戦うことを族長から許可されたのであった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



はっ、と目が覚めると、そこは見知らぬ天井であった。


「ここ・・・どこ?」


目が覚める度、毎回の恒例のように同じことを口走っているいるのは創真である。


創真はなぜ自分がこんなところで寝ているのかを頑張って思い出そうと半分寝ている頭を叩き起こして考える。


まずは状況整理から、天井がある。ということはここは室内であるということが分かる。前のように外に放り出されたという訳では無いようだ。


そこまで考えて創真は自分が何か柔らかい物の上に居ることに気がつき、自分が寝ていた場所を見下ろしてみる。


そこにはなんと、久しぶりのふかふかで柔らかいベットがあったのだ。


これには創真も衝撃を受けた。それと同時に感動する。


(あぁ、なんて柔らかいんだ。ダンジョンの床とは大違いだ。通りでいつもより体が軽い訳だ)


創真がそんなことを考えるのも無理はないだろう。なぜならここ1週間と少しの間、転移させられたからというもの硬い土の上やダンジョンの床、果ては牢獄の硬い石畳に寝ていたのだ。


そこで創真はこんな事を考えている場合じゃないと思い出す。


「えーと・・・族長と戦って、そうだ。僕は族長に勝てたんだ。それでその後は・・・うっ、」


ガチャリ


思い出そうとすると頭がズキズキと痛んだ。それに呻いていると創真が寝ていた部屋の扉が開いて誰かが入ってきた。


「ようやく起きた。おはよう創真。昨日は酔いつぶれてそのまま倒れたけど・・・大丈夫?」


部屋に入ってきたのはフェルであった。


「あ、フェル。おはよう。僕が酔いつぶれた?昨日何があったの?」


「・・・酔い過ぎて覚えてないの?」


フェルに思い出せなかった昨日のことを聞くとフェルが呆れたようにジト目になった。


「はぁ・・・昨日は創真がお父さんに勝った後、皆で宴が開かれて」


それから昨日の事を聞かされたのは自分がするとは思えないものであった。


族長に勝ったことを祝して、(今の今まで敵対していた人族に対してこの手のひら返しが過ぎる気もするが取り敢えず置いておく)宴が開かれ、それはもう飲めや騒げやの大騒ぎだったそうだ。


そこで創真はと言うと・・・最初から周りの天使族や、エンシャントドラゴンが人の姿になった人たちに囲まれ、酒をとにかく飲まされていたのだという。


まぁ、それだけ飲まされれば誰でも酔っ払うというもので、創真もベロベロになり、深夜からドラゴンと戦ったり族長と戦ったりしていた創真の体力は限界が訪れそのまま倒れてしまったそうだ。


今思えばフェルと殺し合いをしてからまだ1日しか経っていないのだ。それから牢獄に入れられ、ドラゴンと戦い、族長と戦い・・・力尽きるのも当然かと思われる。


「そうだったのか・・・、あれ?ここに運んでくれたのは誰?」


「私」


その言葉にベットの上で崩れ落ちる創真。


(酔いつぶれて自分より小さな女の子に運ばれるなんて・・・)


創真は、その事実にショックを受けるのであった。





いつもお読みいただきありがとうございます


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